ベラスケス「アラクネの寓話(織女たち)」  | ひとりぼっちのウォークマン

ベラスケス「アラクネの寓話(織女たち)」 

前回の作品に続きベラスケスを取り上げる。

 

 

この絵は彼の最後の作品で、

 

「アラクネの寓話(織女たち)」である。

 

 

 

ベラスケスはとても意味深な絵を描くが、

 

今回の絵もなかなか難解なようだ。

 

 

でも、少しづつ見ていこう。

 

 

この絵は2つの場面から構成されているようだ。

 

 

先ず、前面の場面では、

 

スポットライトを当てられように

 

右側の白いブラウスの女性が目立っている。

 

 

濃い緑色のスカートから足が見えるが、

 

力を入れてリズミカルに糸を紡いでいるようだ。

 

 

指先まで力が入り熟練された織女のように見える。

 

 

次に目立つのは

 

左側の白い布で頭を覆った年配の女性だ。

 

 

糸車を回しているようだが、まさに今、

 

グルグルと回っているかのように描かれている。

 

 

そして奥の場面では、何かが行われている。

 

 

実は2枚の絵が

 

タペストリーの中に合成されて入っているのだ。

 

 

この2枚の絵はとても有名だが、

 

何だと思いますか?

 

 

そうです、1枚はティツィアーノの「エウロパの略奪」、

 

もう1枚は、ルーベンスの「パラスとアラクネ」なのです。

 

 

ベラスケスはティツィアーノとルーベンスを、

 

とても崇拝していたとは聞いていたが、

 

 

この様に自分の絵の中に取り込んでしまうとは・・・・・

 

驚き。

 

 

タペストリーを見つめている3人の女性も気になる。

 

 

一人はチェロを持っている、もしかすると音楽の精霊?

 

となると、他の二人も芸術の精霊かもしれない。

 

 

この精霊は女神パラスの使いであることから、

 

ギリシャ神話の「パラスとアラクネの戦い」が

 

想像される。

 

 

すると、前面の二人の女性は

 

女神パラスとアラクネということになり、

 

 

まさに、これから「パラスとアラクネの戦い」が

 

始まるところなのかもしれない。

 

 

ますます、興味がそそられる。

 

 

今晩の

 

「ひとりぼっちのウォークマン」の旅は 

 

この戦いを見届けに・・・・・