モ―リス・ドニ「ミューズたち」
今回のモ―リス・ドニもナビ派の画家だ。
こちらは、宗教画や神話画が多い。
モ―リス・ドニは幼少期に
パリ郊外の太いマロニエの樹の立ち並ぶ公園で
遊んだことがある。
この絵は彼が弱冠23歳で描いたもので、
神話の中で太陽神アポロンのもとに仕える、
9人の芸術の女神たちを描いた
「ミューズたち(ムーサたち、公園、樹の下で)」である。
オヤッ と感じるこの色調、
何とも言えないいい感じで、安らぎを覚える。
描かれているのがミューズだからという訳ではないが、
この太い幹の間から、
涼やかな風が吹いているような感じさえする。
落ちついた茶系で統一された色使いも
そうさせるのかもしれない。
また、太く垂直に伸びる樹は、
ドンとした安定感を与えている。
さて、椅子に腰掛けて談笑したり
後方で散策する9人のミューズたちの姿は
とても優雅だ。
それぞれのミューズたちは
神話の世界にあるような衣装を
身にまとっているのではなく、
今風の衣装を身に着けているのが
現実的で親近感を覚える。
そして、地面の模様入り絨毯のような描き方も、
まわりの樹と一体化していて、面白い、
これは神話の世界ならではなのか・・・・・
太陽神アポロンに仕えるのは
9人のミューズのはずだが・・・
画面の中央奥に、もう一人誰かいる。
これもミューズ?
小さいから子供かもしれないが、
薄ぼんやりと描かれているのが、気になる。
ゆったりと落ち着いた描き方で
何とはなしに引き込まれてしまう安定感のある絵だ。
今晩の
「ひとりぼっちのウォークマン」の旅は
このミューズたちの輪の中に・・・・・
