ボッティチェリ「キリストの哀悼」 | ひとりぼっちのウォークマン

ボッティチェリ「キリストの哀悼」

ヨーロッパで

最も優美な邸宅美術館といわれている

ポルディ・ペッツォーリ美術館のなかに、


創設者が亡くなる

数日前に購入したとされる

サンドロ・ボッティチェリの

「キリストの哀悼」がある。


この絵は

十字架から降ろされた死せるキリストを、

聖母マリアはじめ親しい者が嘆き悲しみ

最後の別れをする場面を描いたものだ。

キリストの哀悼

何と痛ましい情景なのだろう。

思わず、目を覆ってしまうほど。


何が起こっているのか。

こんなマリアを見たのは初めてだ。


そして、

あのボッティチェリが描いたとは思えない。


聖母マリアは気を失っているようだ。

両腕を支えられ、放心している。


死んだ我が子を抱きしめることさえ

できないぐらいだ。

やっとその腕にキリストを抱いたときには、

どんな思いだったのだろうか。


マタイ伝によると

キリストの遺体を引き取って

埋葬したアリマタヤのヨセフは

背後で茨の冠と、

抜いた3本の釘を握り締め、嘆いている。


マリアを支える赤衣の聖ヨハネの腕は

力なく垂れ下がり、

硬直した足に接吻するのは

マグダラのマリア・・・・


死せるキリストへの哀悼は、

ボッティチェリの溢れる信仰心が、

描かせたのだろうか。


今晩の

「ひとりぼっちのウォークマン」の旅は、

静かに

ポルディ・ペッツォーリ邸宅美術館へ・・・