『ずーみんのはがき絵アート』は今回からここに続きます。今回も8作品を紹介します。
① 令和8.7.15 福岡県 福富(ふくどみ)郵便局の風景印です。(〒824-0038 福岡県行橋市)
切手は令和6(2024)年発行 夏のグリーティング切手より「風鈴」です。
福富郵便局の風景印は、行橋市の花、コスモスを外枠にした変形印です。行橋市のマスコットキャラクター「コモちゃん」と、八景山のサクラがデザインされています。
行橋市は市内のすべての郵便局に風景印が設置されている「グランドスラム自治体」となっています。

はがき絵歳時記(晩夏)『大暑』
・大暑けふプリンを食べてゐたりけり
一年で最も暑さが厳しいとされている「大暑」の日に、冷たいプリンを味わう日常の一こまを句にしました。厳しい暑さの中の、ささやかな甘い幸せを表現しました。「今日」という日に、まさにプリンを食べているという自分を少々客観的に、かつしみじみと見つめている情景です。
以前の記事で紹介した「ゼリー」は三夏の季語ですが、「プリン」は意外にも季語になっていないということが判明しました。同じように冷やして食べるスイーツなのに、ちょっと不公平な感じがします。
② 令和8.7.27 高知県 イオンモール高知内郵便局の風景印です。(〒780-0026 高知県高知市)

切手はグリーティング切手 シンプル ぽすくまです。額面1円です。
イオンモール高知内郵便局の内装は「ぽすくま」をフィーチャーした感じになっています。風景印も両手に鳴子を持って踊るぽすくまがデザインされています。

デザイン書芸シリーズ『風91』
毎月一作品ずつ、「風」という字をデザインして発表してきました。今回からはこちらで発表することとなります。これはその91作目になります。
③ 令和8.7.30 岐阜県 中津川駅前郵便局の風景印です。(〒508-0033 岐阜県中津川市)

切手は昭和55(1980)年発行 第16回国際昆虫学会議記念「ギフチョウ」です。
中津川駅前郵便局の風景印にデザインされているのは旧中山道、落合の石畳と水車の輪です。


はがき絵歳時記(初秋)『八月』
・八月や円空仏の怒髪天
厳しくも力強い八月の気候と、江戸時代の僧、円空が彫った仏像の激しい表情とを重ねて詠んでみました。円空仏はノミのあとが残る粗削りで素朴な作風です。穏やかな微笑みの表情のものが多いのですが、中には怒りで髪が逆立ち、天を衝くさまが表現されたようなものもあります。円空の出身地である岐阜県の消印、ギフチョウの切手にしてみました。
④ 令和8.8.3 兵庫県 国領郵便局の風景印です。(〒669-4273 兵庫県丹波市)

切手は第1次伝統工芸シリーズ第3集「一位一刀彫」です。
国領郵便局の風景印には、三尾連山、地元出身の詩人 深尾須磨子の生誕の碑、カスガコブシの花、貸し農園での作業風景がデザインされています。

はがき絵歳時記(晩夏)『鷺草』
・鷺草の群れ揺らしけり迷ひ風
白いサギが群れ飛ぶような鷺草(さぎそう)の花に、どこか方向を違えたような迷い風が吹き抜けていく様子を、涼やかかつ幻想的に詠んでみました。どこからともなく吹いてきて、進む道を迷っているかのような、気まぐれで優しいそよ風である「迷ひ風」が、一輪だけでなく、群生している鷺草たちを一斉に、まるで生き物のようにふわりと揺らしている瞬間をとらえようと試みました。
⑤ 令和8.8.5 東京都 台東入谷郵便局の風景印です。(〒110-0013 東京都台東区)

切手は令和6(2024)年発行 夏のグリーティング切手より「うちわ」です。
台東入谷郵便局の風景印にデザインされているのは入谷鬼子母神と朝顔です。

はがき絵歳時記(晩夏)『新生姜』
・てげてげに匙で皮剥く新生姜
みずみずしい新生姜の皮を、スプーンを使って気負わず「てげてげ(適当に、大体で)」こそぎ剥く、穏やかな台所の情景を詠みました。新生姜の薄い皮は包丁よりもスプーンが適しており、力を入れずにていねいすぎず剥いていく作業は、料理の心地よい手仕事です。いい加減にやったほうがよい、というのがうれしくもあります。
⑥ 令和8.8.10 富山県 新湊庄西町(しんみなとしょうせいまち)郵便局の風景印です。(934-0001 富山県射水市)

切手は平成2(1990)年発行 電気機関車シリーズ第1集 EF58型機関車です。
新湊庄西町郵便局の風景印には、庄川を渡る万葉電車、獅子舞の獅子と天狗がデザインされています。

デザイン書芸シリーズ『月62』
「8月28日は満月(Sturgeon Moon)です」
満月のたびに「月」という字をデザインして発表してきました。今回からはここで発表することになります。これはその62作目です。5年ぐらい続いていることになります。
⑦ 令和8.8・13 大阪府 布施郵便局の「開局150周年記念」の小型印です。(577-8099 大阪府東大阪市)

切手は昭和53(1987)年発行 相撲絵シリーズ第3集 勝川春章筆 東西土俵入図の一部です。谷風と小野川の取組です。こちら側には谷風が描かれています。もう半分の小野川が描かれている方と2枚合わせて1つの図柄が完成する「連刷」というやり方です。
捺してある印は布施郵便局に郵頼してゲットした小型印で、布施郵便局「開局150周年記念」の小型印です。布施郵便局の局舎がデザインされています。

はがき絵歳時記(晩夏)『ダリア』
・人絶えし風土記の丘のダリアかな
静まり返った「風土記の丘」に、ひっそりと大輪のダリアが咲いている情景を詠みました。訪れていた人がいなくなり、静寂が訪れた空間に、鮮やかで力強いダリアの花が咲いている。いにしえのロマンや歴史を眠らせる「風土記の丘」からふと人がいなくなった静寂と、ダリアの鮮烈な色彩が、コントラストを生み出すかな、と考えました。
⑧ 令和8.8.14 栃木県 新合郵便局の風景印です。(〒327-0321 栃木県佐野市)

切手は平成3(1991)年発行 新簡易生命保険制度発足記念切手です。花束のデザインです。
新合郵便局の風景印にデザインされているのは、平家物語にも登場する名馬、池月(いけづき)と磨墨(するすみ)です。源頼朝が所有していた名馬で、源平合戦の頃活躍したという伝説があります。二頭の馬の他にも山と花が描かれていますが、調べたけれどよくわかりませんでした。

はがき絵歳時記(三夏)『冷やし中華』
・生きてゐる冷やし中華でも食ふか
どこか気だるくもユーモラスで生への肯定を感じさせる句になりました。口語調の「~でも食ふか」という投げやりなようで肩の力の抜けた語り口で、酷暑の中での微かな生きるエネルギーを表現しています。