今までに描いたはがき絵をいろは歌に沿って紹介していくシリーズが現在七周目です。現代仮名遣いにない「ゐ」と「ゑ」はとばします。「を」と「ん」で始まるはがき絵もありませんので、全部で四十四作品を紹介する予定です。

 七周目もお絵かきのチャットゲーム「あつまれ!おえかきの森」で「相方」なる人物と合作した投稿絵を中心に紹介してまいります。いわゆる「はがき絵」として描いたものではありませんが、新たに解説文を付けて紹介しますので是非ご覧ください。

 それでは七周目の第十七回目、「て」の作品と「あ」の作品です。

 

 

 

『て』・・・鉄線花

 相方と鉄線花を合作しました。鉄線花と書いて「てっせんか」もしくはこれで「てっせん」とよみます。

 クレマチス(テッセン)と書いてあるページなどもあって、「クレマチスはテッセンともいうのだなぁ。」ぐらいに思っていました。我が家にもかつてクレマチスの鉢植えがあって、母が「テッセン」と呼んでいました。茎がつる性で細くて、細い割にかたくて丈夫で、「鉄線」というネーミングであろうと思われます。

 今回、相方と合作するにあたり、調べてみましたところ、我が家にあったものも、相方と合作したものも、「クレマチス」でありました。原種である「テッセン」や「カザグルマ」などを交配して育成された園芸品種の総称が「クレマチス」であるとわかり、すっきりしました。

 花弁状の萼片(がくへん)の数が、原種の「テッセン」では6枚、「カザグルマ」では8枚ということもわかりました。ですから改良品種の「クレマチス」の萼片の数はさまざまなんですね。

 特に何の役に立つというわけでなくても、こうして知らなかったことをひとつづつ知るということも楽しいものです。「トリビア」というらしいですね。

 書き添えた文字ははじめ「颯」という字でしたが、後に「嬉」という字に書きかえました。

 

 「鉄線花」「鉄線」「クレマチス」などは初夏の季語です。

 

・つつましき夏のはじめや鉄線花        森 澄雄

 

・鉄線の三角錐の莟かな            山西 雅子

 

・表札は家元とあり鉄線花           角野 桂治郎

 

・咲き残る鉄線雨に耐えてをり         ずーみん

 

 

 

『あ』・・・アジフライ

 相方と「今日は何を描こうか・・・」と相談をしていて、今日は「おさかな」を描こうということになりました。私が、海を泳いでいる状態ではなくて、釣り上げられた状態の、いわゆる食材としてのお魚を描きたいと言いました。

 イメージとしては魚屋さんの店先に並んでいる、生きのいい鮮魚を描きたいなと思っていたのですが、もう少し時間のたった、アジの開きのように加工されたものも描いてみたいなあと思い始めて、どうせならと、最終的に「アジフライ」を描きました。

 千切りキャベツ、パセリ、ミニトマト、くし切りにしたレモンを添えて石皿に盛り付けてあります。石皿というのはこの絵のような石のような模様のある陶器の皿をいうのが一般的で、石でできた皿ではないことが多いです。

 「味」という字をデザインして書き添えてみました。「アジ」という魚はもともと「味がよいから」「アジ」という名になったという説が有力です。

 

 「鯵」は三夏の季語ですが、「アジフライ」と調理名になると、季語としての力は弱くなるようです。

 

・アジフライにじゃぶとソースや麦の秋      辻 桃子

 

 この句のように他の季語と取り合わせて使うのがよいかもしれません。「麦の秋」が初夏の季語です。ちなみに私もアジフライにはソースをかけていただきます。

 今までに描いたはがき絵をいろは歌に沿って紹介していくシリーズが現在七周目です。現代仮名遣いにない「ゐ」と「ゑ」はとばします。「を」と「ん」で始まるはがき絵もありませんので、全部で四十四作品を紹介する予定です。

 七周目もお絵かきのチャットゲーム「あつまれ!おえかきの森」で「相方」なる人物と合作した投稿絵を中心に紹介してまいります。いわゆる「はがき絵」として描いたものではありませんが、新たに解説文を付けて紹介しますので是非ご覧ください。

 それでは七周目の第十六回目、「こ」の作品と「え」の作品です。

 

 

『こ』・・・こはだ

 

 

 にぎり寿司の「こはだ」を合作しました。こはだは成長すると呼び名が変わる出世魚です。シンコ、コハダ、コノシロと変わっていくのが一般的ですが、もっと細かく分かれている地方もあると聞きました。

 こはだを描いてこはだという字を書き添えるのもいかがなものかと思いながら「小は多゛」と書きました。

 小骨の多い魚ですので、さばき方が難しく、塩を振って酢で〆たりして、いわゆる「仕事がしてある」お寿司です。江戸前で特に好まれている寿司ネタであるような印象があります。この絵のこはだにも単純ながら包丁目が入れてあります。包丁の入れ方にはこの他にもいろいろバリエーションがあるようです。

 日本でこはだとかコノシロとか呼んでいる魚は韓国語では전어(チョノ)といいます。小骨が多いので背ごしに切って酢味噌で食べるのが一般的です。骨が気になる人は「背ごしではなく刺身で」と注文するとよいでしょう。

 成魚のコノシロは焼いてもよく、「家出をした嫁も、コノシロを焼く香りがすると戻ってくる」ということわざがあるほど、香ばしく焼かれたコノシロは、韓国では秋を代表する魚です。日本のサンマのような扱いですね。ただ、私はコノシロを焼いた時の香りはそれほど好きではありません。やはり背ごしで酢味噌がいいですね。焼酎によく合います。

 「韓国の屋台で食べたあの食べ方を日本でもやってみよう」と思い立って、背ごしに切ってみました。韓国の唐辛子味噌や酢味噌が家になかったので、日本の普通の味噌をちょこんと乗っけて食べてみましたが、なかなかおいしかったですよ。

 

 

 

 

 

『え』・・・枝蛙(えだかわず)

 

 

 枝蛙(えだかわず)というのは雨蛙(アマガエル)の別名です。小さな体ですが、鳴き声が驚くほど大きいです。鳴嚢(めいのう)という共鳴器官をもっているからです。喉の部分にある鳴嚢を膨らませて、大きく共鳴させるのです。アマガエルといえば、「鳴き声が大きい」というのが私の第一印象です。

 「雨」という字を書き添えてみました。雨が降りそうな気配を感じて、大きな声で鳴き始めます。

 以前、母が突然ニホンアマガエルを飼い始めたことがありました。飼育ケースに入ったアマガエルを結構つぶさに観察する機会を得ました。飼っていたのは一匹だけでしたが、声が大きくて、近所迷惑では?と心配になるほどでした。

 「蛙(かわず・かえる)」は俳句では三春の季語です。これが「雨蛙(あまがえる)」となると三夏の季語になります。「枝蛙(えだかわず)」はその傍題というわけです。そういえば、飼育ケースには池の部分も作ってあったのですが、池で泳いでいることはなくて、いつも枝の上にいました。手足の吸盤と腹をケースの側面に密着させて、へばりついていることもありました。地べたよりも枝などの高いところが好きなのだと思います。母がなぜ急にアマガエルを飼い始めたのかはわかりませんが、生きた虫(動くもの)しか食べないので、餌やりが面倒になって飼うのをやめてしまいました。短い間でしたが、かなりアマガエルを観察することはできました。

 

・雨蛙鳴く日よ痛む膝の芯      水原 秋櫻子

 

・雨蛙鳴きゐる穂麦さやぎけり    飯田 蛇笏

 

・梅ヶ枝にしかみつきけり雨蛙    正岡 子規

 

・雨蛙喉ふるはせて黙りをり     ずーみん

 

・玻璃越しの腹の白さや雨蛙     ずーみん

 

 今までに描いたはがき絵をいろは歌に沿って紹介していくシリーズが現在七周目です。現代仮名遣いにない「ゐ」と「ゑ」はとばします。「を」と「ん」で始まるはがき絵もありませんので、全部で四十四作品を紹介する予定です。

 七周目もお絵かきのチャットゲーム「あつまれ!おえかきの森」で「相方」なる人物と合作した投稿絵を中心に紹介してまいります。いわゆる「はがき絵」として描いたものではありませんが、新たに解説文を付けて紹介しますので是非ご覧ください。

 それでは七周目の第十五回目、「け」の作品と「ふ」の作品です。

 

 

『け』・・・ケマンソウ

 

 

 ここに描きましたのは「ケマンソウ」という花です。我が家では「タイツリソウ」と呼んでいますが、検索しますと「ケマンソウ」という名前も出てきます。どちらが標準和名なのかは調べませんでした。どちらも「体を表す」いい名だと思います。

 高山植物に「コマクサ」という花がありますが、花一輪の形が似ています。

 「ケマンソウ」という名の「ケマン」というのは「華鬘」という難しい字を書いて、仏教における荘厳具であると出ていました。

 「タイツリソウ」という別名の通り、鯛が釣れているようにも見えます。「タイツリソウ」という名からの発想で、「漁」という字を書き添えてみました。大漁を祝う気持ちで書きました。

 「華鬘草」も「鯛釣草」も晩春の季語です。俳句では「華鬘草」の傍題に「鯛釣草」がある、という関係のようです。

 

・あだし野の破鐘ひびく華鬘草      桑島 桑亭

 

・ほとけにも九品の別や華鬘草      清水 基吉

 

・みよし野の杉山深し華鬘草       稲畑 汀子

 

・揺れてをることも強さよ華鬘草     ずーみん

 

 

 

 

『ふ』・・・プリン

 

 

 相方とプリン・アラモードの絵を合作しました。画像を検索して参考にする写真を選び、まねて描こうとするのですが、今回は特にカラメルの部分が難しかったです。カラメルの色がうまく出すことができず、カラメルに見えないのです。思いもかけないような色、例えば緑や紫などを混ぜ合わせることでようやくこの色になっています。

 写真に写っていたメロンはオレンジ色でしたが、写真に忠実にオレンジ色に描くと何だかカボチャのように見えてしまったので、グリーン系の色に変えて描きました。

 「プリン」「プリン・アラモード」ともに俳句の季語ではないようです。「ゼリー」は三夏の季語なのに、同じように冷やして食べるものなのに・・・少々の不条理を感じます。

 

・冷蔵庫開けてプリンをおどろかす      柘植 史子

 

・雲の変化五月の窓にプリン置けり      長谷川 かな女

 

・天井扇プリンふるはせゐたりけり      如月 真菜

 

・大暑けふプリンを食べてゐたりけり     ずーみん

 

 今までに描いたはがき絵をいろは歌に沿って紹介していくシリーズが現在七周目です。現代仮名遣いにない「ゐ」と「ゑ」はとばします。「を」と「ん」で始まるはがき絵もありませんので、全部で四十四作品を紹介する予定です。

 七周目もお絵かきのチャットゲーム「あつまれ!おえかきの森」で「相方」なる人物と合作した投稿絵を中心に紹介してまいります。いわゆる「はがき絵」として描いたものではありませんが、新たに解説文を付けて紹介しますので是非ご覧ください。

 それでは七周目の第十四回目、「や」の作品と「ま」の作品です。

 

 

『や』・・・ヤンバルクイナ

 

 

 沖縄本島北部の山原地域のみに生息する鳥、「ヤンバルクイナ」を相方と合作しました。ツル目クイナ科ヤンバルクイナ属に分類される鳥で、ほとんど飛べないそうです。それなら地面を力強く走るのだろうと想像して、「駆」という文字をデザインして書き添えてみました。篆書体という古い書体で書いています。

 

 

 もう一つ、「水鶏」と書きました。これで「くいな」と読みます。ヤンバルクイナは国の天然記念物に指定されています。生息数が減少しているため沖縄県レッドリストでは絶滅危惧ⅠA類に指定されています。森林伐採や農地開発などによる生息地の破壊や分断など、個体数の減少理由はさまざまですが、交通事故による死亡もかなりの数にのぼるそうで、生息地には「ヤンバルクイナ飛び出し注意」の道路標識が建てられているそうです。

 俳句ではヤンバルクイナを季語として扱わないようですが、「水鶏」が夏の季語であることと、亜熱帯に生息すること、南国沖縄のイメージなどから、夏の季語として扱うこともあるようです。

 

・ヤンバルの飛べない鳥よ沖縄忌       澤井 咲妃

 

・冬銀河山原水鶏歩き出す          石飛 八代恵

 

・熱帯夜あの声はヤンバルクイナ       ずーみん

 

 

 

 

『ま』・・・満月

 

 

 相方と満月の絵を合作し、「桂」の字を書き添えました。

 相方なる人物は北海道に、私は大阪に住んでいますが、「今日は満月だねえ」などと言いながら、二人で同じ月を眺めることもあり、遠く離れたところからでも、同じ月を眺めていることが、なんだか不思議に思えることもあります。

 俳句では単に「月」と言っただけで秋(仲秋)の季語として扱われます。月は年中観察できますので、他の季語と取り合わせることで、春の月や夏の月を表現することもできます。

 

・はなやぎて月の面にかかる雲        高濱 虚子

 

・名月や浪速に住んで橋多し         夏目 漱石

 

・月光にこゑとめがたし青葉木莬       山口 誓子

 

・名月や独り鑿研ぐ宮大工          ずーみん

 今までに描いたはがき絵をいろは歌に沿って紹介していくシリーズが現在七周目です。現代仮名遣いにない「ゐ」と「ゑ」はとばします。「を」と「ん」で始まるはがき絵もありませんので、全部で四十四作品を紹介する予定です。

 七周目もお絵かきのチャットゲーム「あつまれ!おえかきの森」で「相方」なる人物と合作した投稿絵を中心に紹介してまいります。いわゆる「はがき絵」として描いたものではありませんが、新たに解説文を付けて紹介しますので是非ご覧ください。

 それでは七周目の第十三回目、「お」の作品と「く」の作品です。

 

 

『お』・・・おでん

 三島の土鍋で煮るおでんを相方と合作しました。いろんな具材が入っています。それがおでんをおいしくするので、好きな具材だけで作ってもだめだそうです。練り物はちょっと苦手だなという人も、練り物を入れるほうがよいのです。できるだけ色々入れたほうがよいのですね。

 我が家では餃子やシュウマイを入れたり、変わったところではトマトを入れることもあります。やはり鍋全体がおいしくなるように感じます。

 私は大阪人なので「おでん」ではなく「かんと炊き」と呼びます。どちらの呼び方も三冬の季語になっています。

 

・おでん種いろいろ増やし独りかな      岩田 洋子

 

・こんにやくのはればれとある関東煮     川名 将義

 

・のれんよりはみ出す背中おでん酒      内山 照久

 

・かんと炊き留守預かりし日曜日       ずーみん

 

 

 

『く』・・・栗

 枝に色づき始めた毬栗を相方と合作しました。毬ははじめ薄緑色をしていますが、成熟するにつれて茶色く色づいてくるのです。この絵はまだ少し緑が残っているところを描いています。

 手元の歳時記には晩秋の季語として載っています。傍題が多く、「毬栗いがぐり」「笑栗えみぐり」「落栗おちぐり」「出落栗でおちぐり」「一つ栗ひとつぐり」「三つ栗みつぐり」「丹波栗たんばぐり」「山栗やまぐり」「柴栗しばぐり」「ささ栗ささぐり」「虚栗みなしぐり」「焼栗やきぐり」「ゆで栗ゆでぐり」「栗山くりやま」「栗林くりばやし」「栗拾くりひろい」と、16も載っていました。

 「栗羊羹」「栗飯」「栗きんとん」など、栗を使った料理や、「栗名月」という天文の季語、「栗虫」という栗につく害虫までもが関連季語として載っています。古代から日本人が親しみを持ってきたというのが分かります。

 

・行あきや手をひろげたる栗のいが      松尾 芭蕉

 

・雨くらきわびしさに栗茹でてをり      水原 秋櫻子

 

・栗食むや若く哀しき背を曲げて       石田 波郷

 

・みなし栗ふめばこゝろに古俳諧       富安 風生

 

・栗山に在れば落日慌し           高浜 虚子

 

・焼栗打令歌ふてもろて五千ウォン      ずーみん