妻が地固め療法に入った頃、ちびちゃんが何故かおんぶに目覚めました。
ちびちゃんは、1歳になる前から歩き始めました。
そこからは、あまり抱っこや、おんぶをしなくなりました。
抱っこやおんぶよりも、自分で歩くのがよかったみたいです。
なので、抱っこはしていましたが、おんぶをした記憶があまりありません。
そのせいもあるのか、急におんぶに目覚めました。
ですが、その頃には家には抱っこ紐(おんぶ紐にもなる)はありませんでした。
妻の妹さんの妊娠がわかってから、妻があげてしまったからです。
なので、僕におんぶをせがんでも、おんぶ紐が無いため長時間のおんぶはしてあげれませんでた。
少しおんぶしたらおしまい。
すぐにおんぶが終わってしまうせいか
「もっとおんぶ〜!」
そう言いながら、よく泣いていました。
実家に行ったときでした。
母にこのおんぶの話をしたら、何かを思い出したように、ちびちゃんを連れて奥の部屋に行ったのです。
少ししたら、ちびちゃんの笑い声が聞こえてきました。
母とちびちゃんが楽しげに話しながら、奥の部屋から来ました。
「パパー!おんぶー!いいでしょー。」
母におんぶされた、ニコニコ顔のちびちゃんがそこにはいました。
ちゃんとおんぶ紐でおんぶをされて。
そのおんぶ紐は、僕と弟が小さいときに使っていたおんぶ紐でした。
「まさか、このおんぶ紐を使って、またおんぶできるとは思わなかった。取っといて正解だった。」
昔使っていたおんぶ紐を何故か捨てられなくて、ずっと持っていたみたいです。
「なんか、あんたらが小さい時を思い出すね。こんなふうに、おんぶしてたなーって。」
僕は、小さい時におんぶされていた記憶はあまり覚えてはいませんが、母はしっかりと覚えているようでした。
おんぶしたちびちゃんのお尻をポンポンと軽く叩きながら、そんな懐かしい事を言いながら嬉しそうな顔をしてらいました。
その後、このおんぶ紐を再び出した事で、ちびちゃんのおんぶ担当は母になりました。
僕には、このおんぶ紐を結ぶことは覚えられなかったため、おんぶ担当は母にお任せしました。
「重くておんぶは無理。」
母は、そう言いながらもおんぶをしてくれるのです。
