ゲートとはランナーから本来の部品の型にプラスチックを注入する部分で、パーツによって1つだったり複数だったりします。
例えばこんな感じですね。
黄色の部分がランナーになり、白い部分が部品になります。
そして、その間の赤い部分がゲートと呼ばれる部分になります。
上の図ではわざと2種類のゲートを書いてみました。
一つは、サイドゲートでもう一つがジャンプゲートと呼ばれるものです。
サイドゲート
サイドゲート部をアップにするとこんな感じで、部品の横からプラスチックが注入されます。
一般的に使われているのが、このサイドゲートですね。
メリットは形状がシンプルなので、作りやすいという事でしょう。
ジャンプゲート
ジャンプゲート部をアップにするとこんな感じで、部品のエッジ部分からプラスチックが注入されます。
プラモデルの世界では『アンダーゲート』とも呼ばれていますね。
ガンプラで良く見られるのではないでしょうか?
このメリットは部品の表面にゲートが来ない為、例えばメッキパーツ等ではゲートが見えない部分に来るので綺麗に出来るという事が挙げられます。しかし、金型的にはちょっと複雑な形状になってしまうので、コストアップにつながりますね。
あと、サイドゲートではゲートの部分を切るだけで良いのですが、このジャンプゲートでは
①ゲートを切る
②エッジ部の導入部分も切る
と2度手間になるので、作る側もちょっと面倒になるってのもあるかも知れません。
ゲートには他にフイルムゲートだとかサブマリンゲート等も有る様ですが、プラモデルの世界では殆どが上の二つで製造されているのではないでしょうか?
そして、冒頭にゲートは1つから複数個有ると書きましたが、1つの場合は特に問題にはならないですが、複数個の場合はウエルドラインという問題が発生します。
ウエルドラインとは、例えば複数のゲート(つまり注入口)から樹脂が流し込まれた時にどうしてもパーツ内部でそれぞれの樹脂がぶつかる部分が発生し、そのぶつかった所を指します。
メッキじゃないメタリックパーツや透明パーツで複数のゲートを持つパーツをよく見てみると線の様なものがうっすら見えると思いますが、これがウエルドラインと呼ばれるものです。
但し、見た目には線に見えますが、実際に凸凹している訳では無いのが一般的です。
これは、樹脂が金型に流し込まれた時にどうしても金型の方が温度が低い為樹脂が冷えて固まりかける事が原因で発生するそうです。このウエルドラインをいかに作らないか?というのが金型の設計と注入速度とか温度管理といった射出成型による製造技術みたいですね。
プラモデルを作る際に、このゲートの位置とか太さ、数などを見ながら『金型の設計者が悩んでいるさま』に思いを馳せるのも面白いのではないでしょうか?
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
もし、間違った記述等が有ればご指摘頂ければ幸いです。
それでは、楽しいプラモライフをお送りください。