クマも診療して欲しかったのかな…?! | 小さなふれあい動物園のひげ園長が送る、日々の動物達との暮らし

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動物とのふれあいを通じて、生き物の素晴らしさを伝えることが仕事です。動物気功師として活動しながら、亀仙人を目指して修行中。

新潟県南魚沼市の診療所に
入り込んでいたクマが
捕獲されたとのニュース。

昨日、診療所に入り込んで
動かないとの報道があった。
母グマと二頭の子供のクマだ。

何でそんなところに
入り込んでしまったのか?

山の食べ物が少ないとは
聞いているが、


山の雪が根雪になる前、
ちょうど今頃冬眠に入る。

わざわざ、人のいる診療所なんかで
冬眠しようとするかな?

推測だけど、お母さんクマ
具合悪くなっていたんじゃないかな?

今年はクマの事件が多い、
各地でクマの個体数も増えている
ことも要因のひとつだろう。

この手の事件は増えていくと 
考えた方がいいだろうね。

これからの季節
クマたちは冬眠の季節を迎える。

雨の入り込まない
木のウロや岩の隙間に入って

3月から4月までの間、眠りにつく。

この間は、ゴハンも食べないし 
ウンチもオシッコもしない、

心臓の心拍数も少なくして
身体の代謝を下げて
春までの
長い断食生活だ。

この長期間に及ぶ
“断食”を耐えぬくために、
冬眠中のクマは代謝、
すなわち食物をエネルギーに変える
化学作用を低下させるんだ。

この様子を測定した結果、
1分間の心拍数が
通常の55回から9回にまで低下。

拍動の間隔は
20秒に広がることもあった。

代謝を落とすと、
酸素を全身に送る
心臓の働きも下げられるためだ。 

この冬眠中の穴の中で、
妊娠しているメスのクマは、
子供を産み、
オッパイを与えながら春を待つんだ。

だからクマは
冬眠までにたくさん食べて
身体に脂肪を蓄えておかないと
いけない。

まだ冬眠できないクマたちは、
食べることに必死なんだ。

今日出てきたクマも
こういう子達かもしれない。

俺も昔、ヒマラヤグマという
日本のツキノワグマに近い
種類のクマと
アメリカのハイイログマを
飼っていた。

上手く説明できないけれど
彼らは可愛らしい顔の奥に
激しい野生を秘めていたよ。

特に身体の大きな
ハイイログマよりも、
小型のヒマラヤグマの方が
性格は暗くてキツかったな。

動物園では、
毎日ゴハンが食べられるので
冬でも冬眠しないんだ。

この時期のクマたちは
眠くて動きは鈍く
寝部屋からお客様のいる
放飼場まで
なかなか行ってくれなかった。
ゴハンもあまり食べなかったな。

あの頃、日本でクマなんて
滅多に見られなかったから
こんなにクマが
出て騒ぎになるとは
想像もしていなかったよ。

時代は変わっていくんだね。