キックが大変なことになった | 小さなふれあい動物園のひげ園長が送る、日々の動物達との暮らし

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動物とのふれあいを通じて、生き物の素晴らしさを伝えることが仕事です。動物気功師として活動しながら、亀仙人を目指して修行中。

ミーアキャットが大変なことになった。

 

ミーアキャットのキック君

先日尻尾の先を怪我してしまった。

この時、小型の肉食獣にはよくあることで、

怪我の報告を聞いた瞬間に

頭に浮かび、恐れていたことが、今、現実化した…

治りかけの傷口が痒いのか、

カサブタのできた傷口を気にして、

舐めたり、歯で囓ったりし始めたのだ。

 

こうなると、もう手がつけられない。

 

いくら消毒しようとも、美味しいゴハンを与えようとも、

他に楽しく囓れるオモチャを与えようとも、

 

ドンドン尻尾を囓り続け、

しまいには口の届かないところまで尻尾は

短くなってしまうだろう。

 

口で歯で、傷口を囓るので、

細菌感染の可能性も高くなる。

 

かつて30年以上前、

担当していたアカハナグマのオスが、

しもやけをキッカケに自分の尻尾を囓るようになり、

このミーアキャットのような状況になってしまったことがあった。

 

この時、俺は何度も彼を捕獲し、治療したのだが、

どんなに傷口をガードしても、尻尾囓りを繰り返し、

結局、完治させてあげることができず、

一年程で彼の40センチはあったフサフサの尻尾は

5センチになっていました…

 

そうなってしまったら大変だ!!

 

ミーアキャットの尻尾は元々長くないが、

すでに短くなり始めているし、

傷口に近い組織には、感染から組織の変色が見られる。

 

何をやっても上手くいかなかった過去の辛い記憶が頭をよぎり、

身体も当時を思い出し、背中がゾクゾクする。

 

だが、30年以上前と今とでは、

麻酔の技術、器具の進化と獣医診療の技術は進み、

そのレベルは比べようもない。

いつも動物の治療でお世話になっている獣医師に連絡して

麻酔手術をする手筈を整え、昨日手術してきた!!

感染部が思っていたより進行していて、

尻尾はだいぶ短くなったが、手術自体は上手くいった。

 

あとは、このまま傷口を舐めたり囓ったりしないで

一週間乗り切れたら一安心なのだが、

どうだろうか?

 

一夜明け、今のところ傷口は囓られていない。

ゴハンも食べるようになってきた。

 

どうかこのまま完治に向かえるよう、祈る。

 

頑張れ、キック!

お父さんがついてるぞ!