ネイルサロンの時間を待つあいだにと小説を買いました。今やイキツケとなったクレープリーで買ったばかりの本を開く。
・・・今の私は、自分自身の中に埋葬され、来る日も来る日もほんとうに死んでしまいたいと願っている。
僅か数ページでノックアウト。実際は一行目から。「雨が降っている。」・・ただそれだけなんですけれど、いいなぁ。センテンスは短く、緊密で、そして自然。話し言葉のように、スッと目から脳に流れ込む。訳もすばらしい。過不足なくきっちり、なんていい仕事なんでしょう。
筋はと申しますと:
全身麻痺の状態にある女性が、少女から奇妙な話を聞かされる。「森の死神」が次々に男の子を殺している、と。
ブリジット・オベール作
1996年
(フランス推理小説大賞受賞)
2003年の時点で5冊の邦訳あり、作者は1956年生。言うことありません。
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読後感想。謎解き辺りから多少弛みをきたしたかな。レイモンジャン風のテイストもあったので、アッサリバッサリ行って欲しかった、かも。