「ブルータス」6月1日が面白い。
「一行だけで。」
短歌、詩、俳句、川柳、歌詞そして名言など
一行の言葉が人生を支えることがある。
「明日のための言葉300」を広く集めた1冊。
残念なのはここに広告、コピーの1行が入ってないこと。
広く集めたために、どれも「薄い」こと。
とはいえ、それなりに面白い企画、編集。
ネタバレにならないように、ちょこっと、ほんの一端を。
しょっぱなは短い鼎談、
佐藤文香(俳人、詩人)、木下龍也(歌人)、柴田聡子(シンガーソングライター)
のキャスティングに新しさを感じる。
これからの言葉の先端みたいなものを探ろうとしている。
締めに詩人荒川洋治さんの詩への期待を込めた言葉が引用されている。
「詩のことばは普段から、光の届かないところ、
見えない場所を漂っているので、隠れたもの、消えていくものを
指し示す可能性を秘める」。
鉄棒に片足かけるとき無敵 なかはられいこ
できるようになってできないようになる 佐藤みさ子
こういう川柳を読んでいるとボクの関わっている俳句が
言葉のひとつひとつが生きていないことに気づく。
短歌は相変わらず楽しい。希望がある。
さらに「現代フォーク」と「ラップ」の
感性についての紹介は刺激的である。
言葉は生きている。
それが俯瞰できるこの「ブルータス」。
ひさしぶりに、目が覚めた。
(ボクはずっと眠っていたのだ)