5月2日大阪市美術館の朝です。

ヒト、ヒト、ヒト。

開館を待つ人の行列が美術館を取り囲んでいます。

日本人はこんなに民度が高い?

日本人は豊か?こんなに豊かさを求めている?

日本人は円安で行くところがない?

みんな正解なのでしょう?
ボクは事務所からこの光景を眺めながら

仕事です(笑)。皮肉的です。

 

 

象の森書房は電子書籍も取り扱っています。

今回はその中から坪内稔典俳句評論集三部作

3つの評論はいずれも30歳代に書かれたもの。

 

その①は「過渡の詩」(1978年刊)。

冒頭、西東三鬼あるいは高柳重信を挙げながら

国家意思との対峙という点から俳句を語っている。

俳句が技術あるいは季語へと傾斜しがちな現況に

警告というか危機感を抱く著者の俳句への熱情が

読み取れる1冊。2年前、「俳句」(角川書店)で

必読の俳論の一冊として取り上げられた。1500円。

 

その②「俳句の根拠」(1982年刊)

これはボクが愛読した本。

愛読というか俳句を理解するために

繰り返し読んだ。

「過渡の詩」同様、俳句が技術論オンリーになるのに

警鐘を鳴らしている。

さらに俳句を「読む」ことに注目している点が

いまの俳句論集の中では珍しい。1500円。

 

その③「世紀末の地球儀」(1984年刊)

子規から百年が近いというところ

タイトルに「世紀末」が使われている。

俳人、歌人についての評が盛りだくさん。

その評の中から新しい俳句を産み出そうとする

姿勢がうかがえる。1300円。

 

以上三作は各電子書籍ストアで購入できる。

 

*各書の刊行年は紙の本の刊行年です。

*各書の価格は税別。