国立国際美術館はいま「古代メキシコ」

隣の大阪市美術館は「モネ展」

事務所の周りは連日大賑わい。

いつも大阪市美術館に押されたいる

大阪国立国際美術館がマヤ、アステカなどの

古代文明が覗ける「古代メキシコ」展で大健闘。

と言いながら、レストランのメキシコ風特別ランチは

二度も食しながら、中をまだ観ていない。

五月までなので、そろそろ動かなくてはと思っている。

 

 

 水餅のねばねばを絶つ力道山  坪内稔典

 

 いも食べていも掘る浅沼稲次郎

 

 麦を踏むラジオの栃若がっぷりと

 

句集「人麻呂の手紙」には

懐かしいというか、懐かしいと思うのは

ほぼ七十代後半に違いない固有名詞が並んでいる。

 

 落葉また落葉赤胴鈴之助

 

 露散乱怪人二十面相も

 

往時の漫画の主人公も登場する。

これらは同じように固有名詞、人名を使った

次のような作品とは意味が違うように思う。

 

 貝寄風や与謝野晶子の古葉書

 

 十月の薔薇ランボーの腐乱体

 

「与謝野晶子」を俳句にする人はいるだろうが

「浅沼稲次郎」を俳句を書こうとは普通思わない。

ここに坪内稔典氏の俳句への考え方が見える。

つまり「俳句は俗」ということ。

俳句は庶民、大衆のものという考えを

具現化させたのではないか。

 

 殺人があったぱかぱかチューリップ

 

前に取り上げたこの句の大衆性もうなずけるのではないか。

「人麻呂の手紙」は当初、私はとっつきにくかった。

でも、こうやって読むと意味ある句集なのだ。