JR京都線総持寺駅の改札を出ると

壁いっぱいにアートが広がる。

この駅ができた2018年3月から

掲示されているのだという。

時々この駅に行くのだが

いつも気になっていて今朝、

ようやく撮影した。

茨木市の運営で、半年に一回くらいで

絵が変わるらしい。

そういえば、子供の書いた絵が

掲げられていたこともあったなあ。

 

 

坪内稔典句集「百年の家」から

私の好きな句、気になる句を選んでみた。

 

 壷菫一鉢畝傍郵便局  坪内稔典

 

 あの木ですアメリカ牡丹雪協会

 

「アメリカ牡丹雪協会」なんて架空?きっと。

「畝傍郵便局」は実在するようだけど

どこかフィクションの匂いがする。

こういう固有名詞の使い方が楽しい。

 

 梅雨続く小錦十人いるような

 

 小錦のだぶだぶと行く残暑かな

 

 ゴルバチョフと名付けて坂の春の犬

 

 風花や中森明菜的埴輪

 

こちらも固有名詞だけれど、

リアリティを感じる、というか

固有名詞のイメージから生まれた作品。

「小錦」の句は愉快、実感?がある。

 

 びわは水人間も水びわ食べる

 

 おだまきや妻のきれいな昼の酒

 

 わいわいもぶらぶらも来る冬の波止

 

坪内稔典氏は句の深掘りを嫌う。

でも、この三句は深掘りしたくなる。

「わいわいもぶらぶらも」は

いろんな人が、雑多に集まっているようで

とてもにぎやか、楽しそう。

「妻のきれいな」ではあれこれ想像が

広がっていく。

「びわ」は理が先行しそう。

「びわ」は「みかん」でも「人参」でもよさそう。

でも、やっぱり「びわ」がいいなと落ち着いてしまう。

そこで理を超えている。

 

坪内稔典氏の俳句は楽しい。

暗かったり、重かったりしない。

人生とか社会とか書きたくなるのだけれど

そこをくぐり抜けているところがいい。

そこが「俗」なのかもしれない。

次の句集が読みたくなった。