先日、久しぶりに河原町を歩いた。

三条から四条までの短い距離だが

私の知っている河原町は見あたらない、

と思いながら、丸善に入った。

学生時代にのぞいていた丸善ではないけれど
(私は本は「京都書院」で買っていた。)

なんとなく懐かしい気分に包まれた。

地下2階?に梶井基次郎の写真と本、

そして「檸檬」のレモンが置いてあるのにはびっくりした。

私の時代もそうやってレモンが置いてあったようだが。

そのレモンを買った果物屋さんが確か寺町通りにあって

その前を通ると嬉しい気分になったものだ。

 

 

 魚Bの1/2を買う立春 坪内稔典

 

 春嵐金魚のAはAのまま

 

句集「猫の木」にいきなり登場のアルファベットの句。

坪内稔典氏の作品に登場するアルファベットは

知る限りこの二句のみ(3Bの鉛筆のBなどは別)。

このAとB、単純にイニシャルとして読んでもいいし、

読者の想像の中で勝手につくってもよい。

それより、なぜ突然のアルファベットなのか

私には謎である。

 

 がんばるわなんて言うなよ草の花  坪内稔典

 

多くの人に支持されている名句。

私たちはすぐに「頑張って!」と言う。

仕事で、スポーツで・・・人生のあらゆる場面で。

きやすい「がんばって」などは無用。

この句のお陰で?私は気楽に

「がんばってください」が言えなくなった。

「頑張る」は励ましに便利な言葉だけに

とても気を遣って使わないといけなくなった・・・のだ。