キンレンカ(金蓮花)。

葉が蓮のようで、

花が金色(写真のような赤もある)で

この名がついたという。

若い葉、花は食用にできるという。

 

 

 草餅を食ふ猫がうしろに座っていた きむらけんじ

 

 大根洗うその新妻の背後

 

 ひとり隅に座る木の芽和えがでてきた

 

きむらけんじ第1句集「鍵の穴」からひいた。

彼の作品にはこのように「うしろ」や「隅」がよく登場する。

 

1句目なら

草餅を食べる私が主役のはずだが

それを外して、後の猫が映像の真ん中に座っている。

 

2句目は

新妻が映像の真ん中にいて、

主役は新妻の影に立っている。

 

3句目。

何人かの人との食事の席を想う。

隅で人の話を聞きながら

木の芽和えを食べる主人公。

 

主役(あるいは作者)が正面の顔を見せない。

それが大きな特長かもしれない。

ここにきむら氏の作者の位置を知る。

 

彼が被写体の真ん中ではなく

横の方で、端の方で、片隅ですべてを観察している。

そう思いながら彼の作品を読むと

彼の作品の意図が見えるのかもしれない。