見事なエンタシスの柱。

天井の彫りも素晴らしい。

もっとちゃんと撮影して掲載したいのだけど

なにしろ銀行なので、

遠慮してほんの一部分を。

味わいだけでも感じたい、ということですよ。

それにしても凄い!

 

 

 棒持って家を廻れば蔦紅葉

 

 朝涼のゴムの乳首を五分煮る

 

 校庭をひとりが歩く西日かな

 

池田澄子さんの第一句集「空の庭」(1988年刊)は

いまでは手にすることはほとんど不可能。

私もまとめては読んだことがない。

で、国会図書館にコピーを依頼した。

 

ただ、ふらんす堂の現代俳句文庫「池田澄子」に

「空の庭抄」として144句が収められ

それを読むことは可能。

 

この句集には池田さんの有名な句の数々が

収められているが

今回はそれらとは異なる作品を選んでみた。

 

一句目の「棒持って」とはなにやら不穏である。

その不穏さを吹き飛ばす「蔦若葉」の華やぎ。

なんとニクい取り合わせか。

 

次の句の「ゴムの乳首」もどこか可笑しい。

作者もきっと可笑しくて

この句は出来たのだと思う。

 

上の二句に比べ三句目は

少し寂しい。

こんな寂しさは池田俳句には

あまりないのではないか。

 

第一句集「空の庭」、もっと読んでいきたい。