Kyoko

著者:村上龍
出版:集英社

幼少の時期をフェンスで隔たった街で育ったKyoko、基地のある街の公園で米兵にラテンのダンスを教えられた。Kyokoは大人になりダンスを教えられた米兵を探しにニューヨークへと旅立つ。アメリカという国でラテン系米兵を探すKyoko、そこで出会う人々との一期一会。村上龍が描くアメリカとそこに住む多様な人種そんな物語だ。

ストーリーや物語がすっと体の中に入ってくる小説かと期待して呼んだが、まるっきり逆だった。物語は読者が読み通す事を拒絶するかのように感じた。幾つかの視点で書かれたストーリーは、どの視点に代わってもその視点を理解するのが難しく感じた(視点が持つ感性に違和感)

まるで目を瞑ってザラザラとした花瓶を素手で撫でるような感じで、手に残される嫌な感じ。実態を感じる事はできるが、本当の花瓶が持つ美しさを感じる事はできない不完全さ、物語全体を通してそんな感じがした。

村上龍の作品にしては、暴力もセックスも無く、淡々とストーリーが展開されるが、読者を引き込む、読者の心に触れてくるような感じが無く、何かが足りない。文字の流れや言葉に美しい感性を求めてしまうのは間違いなのだろうか。

この小説は映画化されているらしい。今度TSUTAYAで探してみよう。