いつもと同じように目覚まし時計の電子音で目覚め、ハッキリしない頭で、熱のある患者のようにフラフラとトイレへ行き、鰯へ餌を与えてバスルームへ行きシャワーのノブを回すと、熱いお湯がシャワーから噴き出し水蒸気でガラスが曇る。
体を伝って落ちる水の流れは、清掃の終わった排水溝へ向かい暗い穴の置くに消えていく。体から落ちる水滴の音とシャワーの水が壁を打つ音が入り混じってバスルームに響く、毎朝何も変わらない時間、時は義務的にやって来て、前の日と同じ光景をコピーする。
水滴で濡れた体をバスタオルで乾かすと、熱い湯を洗面台に張って剃刀を顎や頬へあてて慎重に堅い髭を剃り落とす。鏡で自分の顔を眺め、昨日と同じように落胆したらドライヤーと整髪剤で髪の毛を整えてキッチンへ向かう。
スライスしたバケットをトースターの中へ放り込み、冷蔵庫からヨーグルトを出して、スプーンを使ってボール中でシリアルやドライフルーツと混ぜ合わせる。天気予報を見ながら、焼きあがったバケットとヨーグルト、季節のフルーツを口の中へ放り込んで、皿をシンクへ入れる。
クローゼットの中からスーツとクリーニングから仕上がったばかりのワイシャツを出し着替える。最後にネクタイを締めて鏡を見れば一日の準備は仕上がる。リビングのガラス窓の向こうは朝日を受けた街が輝いている……さぁ、また新しい一週間が始まる。混雑した通勤電車を考え、昨日からそこを動かない重い玄関の扉を押した。