キーワードは仮想化
クラウド・コンピューティングでエンドユーザ・サイドで何が変わるのかは、数日前にレポートした。もう一度、クラウド・コンピューティングとは具体的に何なのか考えてみる。実は業界でも正確な定義が無く、用語を利用する側に、都合よく利用するバズワード(buzzword)として扱われている。
でもそれでは説明するのに話しにならない。ので独自の理解とガートナーの定義の引用を併せて考えてみよう。クラウドという言葉の意味と、多くの書籍や雑誌で定義されている内容から想像してみると、幾つかのキーワードがあるようだ。
一つはSaaS(Souftware as a Service)つまりソフトウェア・サービスであり、HssS(Hardware as a Service)であり、サービスと利用者を繋げるネットワーク技術だ。大きくサービスとネットワークの二つに分かれる。これはガートナーの説明とも一致する。
ガートナーではネットワークとコンピューティング技術と技術という括りで大きく2カテゴリに分類している。
ネットワーク技術とは企業向けにエントリVPNやIP-VPNさらにVLANなどの技術であり個人向けにはInternet VPNを形成するSSLやIPSecと呼ばれる暗号化技術等を指す。現在の所、IP基盤の上に載っているネットワーク技術の事を言う。
一方、コンピューティングの方へ目をやると、SaaSとして提供されるCRM, 人事管理、給与計算、SFAなどが思い浮かぶ。実際にこういったコンポーネントは既に実用化されていて、セールスドットコム等でサービスとして提供され初めていて既に実用化されている物も含む。
また、HaaSは仮想化やグリッド、ブレードといった技術を利用した仮想環境でのコンピューティングの事だ。IDCのような巨大な情報処理設備(CPUやストレージ、それらを収容する設備)を持つ企業では、既にこういったサービスの試験運用を開始している。
Amazon.comは「Amazon EC2(Elastic Compute Cloud)やS3(Simple Strage)」というサービスを既に開始しているし他社も同様のサービス提供を図っている。このようにクラウドコンピューティングは夢の話ではなく実際に音を立てて動き始めているものだ。
このHaaSの基盤となる技術、仮想化技術は、新しい技術ではなくメインフレームの時代から培われきた技術でもある。1990年後半になるとダウンサイジングと乱立したC/S(Client/Server)型アーキテクチャのシステムを纏めるとまに仮想化ソフトウェアが登場した。
実際には、CPUやストレージといった資源を有効活用やディザスター・リカバリのために利用ていされている。仮想化システムでは、仮想イメージファイルと呼ぶファイルで資源を管理し仮想基盤レイヤの上で動くようにする。これが仮想化技術の基盤であり抽象化だ。
これの事によりハードウェア・プラットフォームの違いを超えて様々なシステムを動作させる事ができる。このような技術はクラウドコンピューティングには欠かせない技術だ。Amazon EC2では、AMIと呼ばれる仮想イメージを使ってサーバーを動かす。
実際にユーザは仮想的なサーバへアクセスし資源を使うので、物理的なサーバが世界の何処にあるのかなどはわからない。世界のどこかに配置されたハードウェア資源を使うだけの事だ。
ではこういった技術を使うと何が変わりどんなメリットがあるのか、エンドユーザのメリットは以前の説明で述べた。企業ではコンピュータ(CPU)やストレージといった情報処理に関する物理資源を1箇所に集中させる必要性がなくなり安全なシステムを分散化できる。また小さなシステムを集約して一つの巨大なシステムとして扱う事で資源の効率的な活用ができる。
仮想化技術は既に実用化され利用され始めている。老舗のVMWareやマイクロソフトのVirtual Server(Hyper-V)は仮想化を実現するソフトウェアを製品化したものであるし、Xenはオープンソフトウェアだ。このように見るとクライアント・コンピューティングに陰りの見える状況にあって、クライアントOSの老舗マイクロソフトも仮想化に動き始めている事は明白だ。
新しいコンユーティング環境では、ベンダー主導ではなくユーザ志向のコンピューティングが実現する事を強く望むのだ。
次回はグリーンITについて書きます。
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