少女の父親は、少年へ顔の方を向き直り少女がテーブルに並べた料理を小さく切りながら話した。まるで青い電球が消され代わりに、赤い電球が点けられたように窓の外は既に赤く照らされ、風景は一面が赤く変わっていた。

「草原で見つけた時は驚いたよ、よく蟻や蜘蛛に襲われなったものだ。逸れたジークを探しにいったらジークのそばにお前が倒れていたんだが、本当はジークがいても傍に危険なんだ、それにあのジークはまだ子供だまだそんなに力をもっていなのだ。アムレットを持っているのかね」

「いいえ、持っていません。それに襲われなった理由もわかりません。不思議ですね……壁の下へ落ちてしまい、気を失う直前にはもうだめだって思ったのですが、気がついたらここに居ました」

「それは不思議だ、でも無事でよかった。そういえばお前、木箱を持っていたな」

「ええ、さっきも話したように届け物を頼まれたのです。その届け物を終えれば妹の病気を治すお金が手に入ります。だからこの仕事を引き受けたんです。荷物の中身が何か聞いていませんが、あまり重くないし、中でカラカラと音がするだけです」

少女の父親とが話している間少女はテーブルを挟んで少年の前に座り、二人の話を静かに聞いていた。

「箱はアムレットがかもしれないな、それでなければ草原で倒れて無事で居られるわけがない。箱は青の旅人から預かったんだね」

「ええ、預かったもので、届けなければいけないのです」

そう言い、箱を預けた青の旅人の特徴を告げると、少女の父親は一瞬驚いたような表情が浮かべたが、直ぐにそれまでと同じような穏やかな表情に戻った。

「ところで、お前は村で何をして働いているんだい」

「骨屋で働き、アムレットを作るための頭蓋骨を磨いています。青の旅人とは店で会いました。初めて自分が作ったアムレットを見て気に入ってくれ、この仕事を与えてくれました」

「自分でアムレットを作ったのか、アムレットを作るのには、ここ(奥地)の力が必要なのだが不思議な事だ。ここから運ばれたジークの頭蓋骨は、街で磨かれもう一度ここへ戻されてアムレットになる。力はここで頭蓋骨に込められ、出来上がったアムレットは旅人の物となる。旅人はアムレットの力を借りてこの地を自由に行き来できるようになる。街でアムレットができるとは不思議な事だ」

そう言って少女の父が目を瞑ると沈黙が部屋に広がった。少女は静かに木製の椅子を押して立ち上がり空になった皿をキッチンへ運ぶために立ち上がり部屋から消えた。少女の父親の話を考えたがやはり解らなかった。窓の向こうには、赤い太陽は地上を隈なく照らすのには十分な高さまで昇っていた。緑の草原と樹木が作る黒い影が窓の外に広がり、ジークが丘を目指してゆっくりと登っている。

「さあ、赤い昼も十分に深まった我々は床へ入るとしよう。お前は赤の民だったな。これから眠るのも自由だし起きていてもよい。好きにするといい。ただ外へ出る時は部屋に置いてあるアムレットを持っていったほうがいい。この村にいる間は心配ないが、壁の外へ出ると危険だからな、それと丘の向こうにある工場へは行かない方がいい、色々と危険な事もあるからな」

父親はそう言って席を立ち上がり、キッチンから横に伸びる回廊へ向かった。回廊の奥には少年の目覚めた部屋があり、父親はキッチンと少年の部屋の間にある一つの扉を開けて中へ消えた。少年は窓の外を通るジークを眺めてぼんやりしていると食器を片付けた少女がキッチンから戻り、大きく伸びをし

「おやすみなさい、また明日ね。青の昼に起きているのかしら」

そう言って小さく頭を下げ父親と同じように回廊の奥に消えた。赤の民である少年は、赤い太陽をの下では眠気は消えてしまう。青い昼でも起きていられたのは奥地の力によるのかも知れない。ダイニングに残った少年も、木製の椅子を引き二人と同じように部屋へ戻った。ベッドに腰掛けると、足元に青の旅人から預かった木製の箱が眼に入った。箱の中身に興味を覚え持ちベッドの上に置いた。
This should be revised.