はじめに(この解説は20Kmレース経験に基づいたものですからフルの事を含んでいません……ごめんなさい、「フル」は別の解説ブログを探してくださるようお願いします。)

フルはスタート地点から一湖を離れ市街地をグルリと20Km程度走り湖畔に戻るというルートを辿るレース。駅から湖へ向かう道が湖にぶつかった所がフルの22Km地点となり、O型的に言えば20Kmの出発点となる。つまりフルの22Km地点と20kmの出発点はほぼ同じ(2.195kmだから22Km地点より195M先がスタート地点)

20Kmの出発点は、駅からの道が湖に当たり、湖畔に沿って半時計方向に200M程度先へ行った所。湖畔にある感じの良いホテルと、何処かの団体の新しい建築物の間の道路の上にスタートの横断幕がかけられていた。当日は早朝から雷鳴が轟く雨、部屋の仲間も雨が恨めしそうに何度も空を見上げ文句を言っていた。

仲間の文句をよそに、前日の暑さに比べれば雨の方がよっぽどいいそう心では思っていた。濡れるのだって汗をかいてしまえば同じ事。水溜りだって一度飛び込んでしまえば気にならない。ランニングは自然を相手にするスポーツと思えば、槍や弾丸が降りださない限り怖くない。

スタート前30分を切った所で夜を共にした皆で完走を誓って宿を出た。ストレッチは部屋で充分やっていたから直ぐに湖畔の細い道路でウォームアップ開始。雨を嫌ってか出場者はそれ程大勢集まっていなかった。雨は小康状態で空を見上げると少しだけ明るくなり、対岸がはっきりと見えるようになってきた。天候は確実に回復に向かっていた。……富士吉田よりは良いコンディション、山中湖よりは寒くない。

スタート時間10分前、出場者も次第に集まりだしていた。無造作に列へ並ぶ。スタートラインに計測器が置いてなかったから、ネットタイムが取れないのは明白だ。公式タイムはグロスでしか計上されない。後方に並べばそれだけタイムは悪くなる。分かっていた、それでも仕方が無い、前へ並ぶ必要はないのだ。

前方についてスタート時のペースを上げたくなかった。最近、スタートが早く入りすぎて後半息切れしてまうそんなレースが多かった。だから前半は抑えて後半へ余力を残すそんな風に考える(年齢もあるし若者のペースでは走れない)。だから後方のスタートで十分だ。

花火の合図と共に、フル、ハーフ、10Km、ペア一斉にスタート。雨は止んでいなかったけど気持ちの良いスタートだった。スタートしてから地ビールのブリューワリーを越える。湖岸と道路の間は田んぼが続く稲穂が頭をもたげているそんな秋田らしい風景が少しだけ続く。道路に起伏は殆ど無くフラットで走りやすい。

道路の両脇は芝生だったり田んぼだったり、時折、深い青色をした田沢湖も見える。起伏の変化も無く順調に発電所を越える。おおまかに行程の1/3だ。ここまでは誰でも楽しく走られる道のりだった。1/3地点を過ぎると高い樹木に囲まれる。この高さの杉林なら多少晴れていてもきっと涼しい木陰を作ってくれるに違い無い。樹木の葉にたまった大粒の水滴が時々バラバラと顔を打つ。

相打潟が最初の坂だ。とても小さな坂登ると直ぐ下る。登ると言っても十数メートル。登りきると給水所があったがここで水は取らなかった。雨が降っているので汗もかいていない。混んでいる給水所を無視して先を急いだ。杉林の単調で小さなアップダウンが続いていた。

湖畔を回るレースでいい所は湖の周囲をぐるりと見渡せて、自分の所在をはっきっりと認識できる事だ。遠くに白いホテルも見える。そんな目印を目指して走れば気持ちも楽だ。先が見える事尾は悪くない。単調な森を抜けてしまうと直ぐに10Km地点(中間地点)のたつこ像が見える。

金色の愚劣なたつこ像を左手(右と左のわからない人のために解説すると右利きの人は右手で箸を持ちます)見ながら大きく右へカーブする。10Kmスタートの横断幕をくぐりカーブが終わった所にエイドがあった。そこには水やスポーツドリンク、バナナ、スポンジなど必要な物が揃っていた。

ドリンクを飲み、スポンジを取り頭から水をかぶる。気が付くと雨が止んでいて空は明るくなっている。水を飲んで少し元気が出た。途中から痛かった膝も少し改善された。10Kmを越えて後半戦に入り気が楽になってペースを少しあげる。

最後の坂のために余力を残したいという気持ちと、記録を上げたいという気持ちが入り混じる。そんな気持ちと葛藤しながら湖には不釣合いな白いホテルへ近づく。左周りの大きなコーナーを抜けると、再びエイド、そこではスポンジだけ受け取りスポンジから少しだけ水を口に含み先を急ぐ。

ホテルを越えるとゆるい登りと下り、その先に「たつこ茶屋」の駐車場が見えてくる(予習どおりだ)。たつこ茶屋を越えると50M程度の急な登りと下り、これもイメージトレーニング済み。前月の富士吉田の登りに比べれば可愛いものだ。そんな余裕持ちながら坂を昇った。歩かずに順調な山登りだった。失敗は下り道のテクニック。前傾を意識しすぎ衝撃を膝に与えてしまった。下りきった所で再び膝が痛に悩まされる。

スピードがぐぐっと落ちた。その場所からまだ幾つかのアップダウンがあるのを知っていた。膝を労わりながらなんとか坂を下りきる。道がフラットになった場所にエイドがありスポンジを配っていた。2個スポンジを受け取り水を絞って膝へ当てる。冷たい水を含んだスポンジは、気持ちよく膝の痛みも和らいだ気がした(実際は気のせいです)。

最大の難所を越えたという安心感、膝痛を我慢して幾つかの坂をやり過ごすと県民の森が見えた。私設エイドを探してキョロキョロと見回す、でも姿は見当たらない。仕方がなく公共のエイドでスポーツドリンクで給水する。山中湖ではこの地点で給水を怠ったので脱水症状が出た。落ち着いてしっかりと給水する。

県民の森を越えると残り2Km, 1Kmと大きな看板が設置されペース配分など気にする必要は無い。しかし、どこまで行っても私設エイドがない(苦笑)。そうしているうちにゴールの会場のスピーカから大きな声が聞こえゴールが間近だという事が分かる。

前日にみそたんぽで腹を満たしたドライブインを越え、幅の広いフィニッシュロードとゴールのアーチが見える、周りの声援を受けてゴールを全力で駆け抜ける。チップが反応する音がゴールに響き完走を称える。アミノバリューを受け取り記録証(記録証を受け取ってください。案内は特にありませんので)やご飯を受け取り湖畔へ向かう。

湖は太陽の光を反射し、晴れた空を見上げると駒ケ岳が青空の向こうに輪郭を見せていた。遠くから聞こえる声援、目を送るとそこには湖畔の道を走り去るフルのランナー達の後ろ姿があった。彼らはこれからあの20Kmを走るのだ。

ランナー達の直ぐ横には、青く澄んだ田沢湖とその奥には晴れ渡った青い空が広がっていた。
フルと併設の20Kmはエイドがフル用に手厚くていいと思います。森の中を駆け抜ける田沢湖マラソン、大変気に入りました。出場するとしたら湖畔を回る20Kmが一番エンジョイできお奨めです。
楽しく気持ちのいいレースでした。県民の森周辺で応援してくれた力強い女性(声)、只者じゃないですね~力をいただきました(一体、誰!?)