A long message from my friend


テレビをぼんやりと眺めていると、着信音がして携帯にメールが届いた。仲の良い友人の女性からだ……メッセージはこんな感じだった。

その日の午後、彼女の携帯へボーイフレンドからメールが届いた。夜彼女の家へ遊びに行ってもいいかと簡単に書かれていた。断る理由も無かったので了承した。夕方、最寄の駅でボーイフレンドと待ち合わせをして、二人で近所にあるちょっと大きめのスーパーへ夕食の材料を買うために足を運ぶ。材料はボーイフレンドが選ぶのに任せた。

彼女は冷蔵庫の中にある物と重複する材料をボーイフレンドが選んだ時だけ注意して、材料選びには出しゃばない程度に口を挟んだ。ボーイフレンドは、パスタ、アンチョビ、オリーブ・オイル、バジル……大葉、赤ワイン、ロメイン・レタス、ズッキーニ、、チェリーパイそんな物を買い物籠へ放り込み、長い行列のレジへ並んだ。

5分程待って会計をクレジットカードで済ませ、買い物籠がらレジ袋に材料を移す。ボーイフレンドが手際よく材料を詰めていくのを彼女はただ眺めていた。詰め終えた大きなレジ袋、ボーイフレンドが両手に下げ街の小路を歩き彼女はその横を寄り添う。

家路の途中にあった角の花屋で小さなブーケを買って家へ行った。玄関を入ると彼女は早速ブーケを花瓶に活ける。そして材料袋を開けてボーイフレンドが夕食の支度を始める。夕食を作る手際はなかなかだった。
彼女は仕事が忙しくて、ほとんど生活に気力がなく家事も自炊も滞りがち、だから、ボーイフレンドが料理するという申し出はあえて断らなかった。

久しぶりに二人で囲んだ食卓は暖かく楽しかった。ボーイフレンドの作った料理も申し分ない。栓を開けたばかりのワインも美味しかった。だけど、彼女自身なんとなく満たされない。特に理由がある訳ではない。ただ仕事が忙しく疲れていただけだったかもしれない。来ても良いはずの生理がまだ来ていなかったかもしれない。

食事が終わるとボーイフレンドは食器を洗い片付けをする。ワインボトルが空くとさっさと話を切り上げ、ボーイフレンドを家に帰す。ボーイフレンドは大人しく彼女に従い家へ帰って行った。それだけ書いたメールが携帯の受信箱へ、未契約の夕刊のように投げ込まれていた。

読み終えた後、30分間メールの事を考え、それから削除メニューを選んだ。きっと返信など不要なのだろうな。
■Run 0Km, Bike 14Km, Swim 0Km
■I am just a man, nothing else....