A love in the novell


恋愛小説の中の主人公に恋をしてしまう事てありませんか。とてもよく書けていると、自分もストーリーの中で主人公に恋をしてしまったり、主人公に似た人を現実世界の中に探してみたりしまいます。そんな小説に出会う事は本当に稀なのですが、そうなった時の感動は言葉では言い表せないほどです。

どんどんと物語の中へ引き込まれて行き、やがて主人公と同化します。波の形に並べられた文字の中で、自分の思っているような主人公が存在し、活々と恋をして愛を語ります。物語の中で、恋に身を焦がし、デートをして、キスとしてそして抱かれ、時には傷心します。

そんな文章の中に惹きこまれてしまうと、現実世界でも同じような物を求めてしまう事になり、やがて現実と物語が二枚のガラスを重ねたように同じビューの中のビジョンとして現れるようになる事があります。現実で起こる出来事と物語の接点を見つけ一つ一つを繋ぎ合せて、重ねられたビューの中に自分のビジョンを作ります。

現実の中で小説の主人公の視線を通して、同じ様に恋をするのです。そこには自分の調達したスパイスを、小説の中へ加味しますからより自分の好みに近い世界が出来上がります。そして自分一人の小説が出来上がり自身がその主役となるのです。

そんな素晴らしい小説に出会い、また恋に落ちてしまいました。前の日の晴れ上がった午後、窓際に座り冷たいビールを片手に読み始めた物語は、次の朝を迎えた頃やっと物語の終わりを向かえました。そして短い小説は一晩かけて自身の恋愛に代わり、自身は一つの新しい恋愛を経験した気持ちになりました。

中で時に心が弾み輝く事もあります、また時に心が痛み張り裂けそうな事もあります。主人公やそのパートナーは自分の思いとは別の方向へ歩き出し、違う場所へ行き着く事もあります。でも、そんな展開を受け入れながら、その恋愛を自分の中へ取り込んで一晩かけて自身の恋愛へ変化させていくのです。

一夜明けてその物語が自分の心と重ねれば、新しい恋を経験し手にした気持ちになります。そんな気持ちを抱えて、現実の世界で自分はどうやって過ごせばいいのかもてあまします。楽しい心をどう表現すれば良いのか、焦がした心を何処で癒せば良いのでしょうか。

街へ出てみても現実にそのような物は本当は無いのです。受け入れようとすれば、心は苦しく切なさが身を包みます。
■また一つ月と季節が進みました……いい天気だ……恋してますか?