ブログネタ:何してるときが一番幸せ? 参加中腕時計の長針は約束した時間から文字盤の1/6分だけ先にあった。ビルの壁面に取り付けられた大きなフラット・パネルのモニターをぼんやりと眺めながら待っている。大きなモニターには、若い女子プロ・ゴルファーと女優がビタミン・ドリンクを奪い合っている。
コメディ風にアレンジされ、今オンエアーされているコマーシャルだ。家のテレビで初めて見た時はあんなに面白く思えたのに、夜の広場で観るそのコマーシャルにあまり感情移入できない。もう10分も待たされているからか、会う目的が明かされていないから緊張しているからか理由はっきりしない。
電子メールを受け取ったのは10日前の月曜日だった。久しぶりの連絡に喜んで携帯を操作してメールを読んでみると、本文にはとても簡単に場所と時間が示されているだけで、会う目的もメンバーも告げられていなかった。意地になったわけではないが、こちらもシンプルに「OK」とだけ書いて送信した。
長針が文字盤の1/4を過ぎるても相手が来ない。あの時送ったメールが本当に相手へ届いているのか少し不安になる。携帯を開いて送信履歴を参照する。携帯の送信ボックスには確かに送ったメールが残っている。
「OK」としか書かなかったあっさりとしたメールに腹を立てたのかもしれない……そんな考えも整然と浮かんでくる。大きなモニターを眺めても頭へは何も入ってこない。絵が写りそして消えて次の絵が現れるだけだ。
広場をサラリーマンの集団が行き来するのをぼんやりと見送った。文字盤の1/3を過ぎると駅の方向に見慣れた顔を発見した。それは、電子メールの主とは違っていたが、間違いなく仲間の一人だ。何故誘った本人が現れないのか、奴もまた誘われた一人なのか、額に汗を浮かべて近づいてきた。
「よぉ、久しぶりだな、迎えにきたんだ。皆、待ってるぜ」
その広場を象徴をSLが暑そうな図体を広場に横たえている。迎えと駅から線路に沿って暫く歩くと線路に下に煉瓦で作られた小さな半地下の居酒屋に入っていった。小さな座敷に上がると皆はビールを前に痺れを切らせている風だ。
ブリーフケースを置く前にジョッキを渡され、たったまま互いにグラスをあわせた。部屋の隅に鞄を置いて、テーブルの下に空いた堀に足を投げ入れる。前の週にグラスを交わした奴もいたが、一年ぶりに見る顔もある。こんな、週末の夜が楽しいんだ。何の特徴もない週末の夜、いつもの仲間
終電までゆっくりと飲もう、考えるのはそれからだ。
幸せというのは、いつもそこにあって気付かない、そんな事が幸せなのかもしれない。
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