The running under the dark sky

駐車場の街灯が黒い湿った地面を照らす

路面に膝を着きランニング・シューズに踵を収めてシューレースを固く締める

膝を起こし時計のスタートボタンを押して暗い街へ飛び出す

文字盤は秒を刻み始める

西の空にほんの少しだけ残る太陽の残り香

少しすればそれも重い闇に消されてしまうだろう

黒い道は、左右の街灯に縁取られて真直ぐに伸びている

窓の奥には部屋の明かりがともり、公園の樹木は真っ黒な影の塊に変わる。

雨上がりの道路は街灯の白い光を反射し艶を帯び、水溜りは暗い街の影を映す

遠くに見えるマンション通路に並ぶ蛍光灯は空と地表に不可解な模様を作っている

川縁に近づけば牛蛙の低い鳴き声が聞こえ、蟹の群れが道路を横切る

潮の香がすれば、暗い海が目前に広がる筈だ