Driving in the storm


高速道路から海岸へ広がる高層ビルの上部は灰色の雲が被っている。白く乾いた路面が目的地へ向かって続いていたが、いつ降り出してくるかわからない気まぐれな空模様に他の車も慎重な運転をしていようだ。早朝の高速道路はコマ送りされる録画のように時間がゆっくりと流れていた。

そのうちフロントガラスに一粒の水滴が付き表面を伝って後方へスッと長く流れる。暫くすると二つ目の水滴が同様に飛ばされていく。前へ進む毎に水滴の数は増しフロントガラスは水滴で埋められ路面は深い灰色へ変化する。

視界は水滴で閉ざされて、ガラスの先にある風景がゆがんで見えた。痺れを切らせワイパーをONにすと、乾いたガラス面についた水滴は、ワイパー動きに合わせ扇形にガラス面に細く伸びる。空から落ちる水滴が増えると目の前は瞬く間に水の膜に覆われ天井からの水滴が筋となって流れる。

水筋は機械的に拭き取られ、雨粒とワイパー、自然と機械、鬩ぎ合いが目の前で繰り返される。路面は薄い灰色から濃さを深め濃い灰色に変わり、水溜りが出来ると、厚い雲を越えてきた光を反射し、ぼんやりと周りの車とその先の風景を映し出した。

雨粒は成長して、フロントガラスを強く叩き、リズミカルなドラムのように大きな音を上げる。隣のレーンを走る大きな貨物車が作った水しぶきは、視界を白く遮って水中を漂うよう風に錯覚する。水飛沫を押しのけ水の回廊を先へ走る。隣のレーンを走る大きな貨物車が作った水飛沫は、視界を白く遮って水中と錯覚し、そんな水飛沫を押しのけて水の回廊のドライブする。

遠い空に低く垂れた雲がスピードを上げ西から東へと流れ去っていくのが見えた。
■そんな気まぐれな豪雨の中、富里から帰ってきました。