ブログネタ:最近見た夢は? 参加中本
前回のお話
静かな部屋には食事への期待も残されていない、話を完結せずに電話を切った後の中途半端な気分がその場を支配していた。与えられた30分をどう使えば良いのだろう。PCを起動して猫探しを始めれば良いのか、作りかけのロースト・ビーフをどうするのか考えはガールフレンドが料理のメニューを選ぶように決まらない。
電話の向こうの知らない女のために二日がかりで作った食事を先延ばししても良いのだろうか。高級とは言えないが脂肪分の少ない肉に、厳選し樽から出したばかりのワインを選んで食卓へ載せた。安物の肉とは言っても、納得のいった夕飯の準備はできている。そんな苦労を無駄にしていいのか。
残された工程は、肉を切りコルクを引き抜くだけだ。あと少しでゴールがある。それを知らない女性からの一本の電話で失ってしまうのには納得がいかない。ロースト・ビーフやヨークシャー・プディングは焼きあがって食べられるのを待っているのだ。
目を瞑って胃の様子を感じると、上半身と下半身の間の空間がすっぽりと失われているような気がした。考えてみれば料理の準備のためにブランチから何も口にしていなかった。猫を探すより胃へ何かを入れる事が今は重要なのだ。それは脳も肉体も分かっている事だった。
しかし、彼女の言った「理由はちゃんとあるわ、とても大事な事よ」という言葉が頭の中から離れない、いったい彼女と自分の間に何があるのだろう。何故こんなに気になるのだろう。初めて電話で話した女性と重大な話ができる程幸運な人生は送ってきていない。どちらかと言えばロースト・ビーフの焼き上がりを邪魔される不幸な運命の中に居る。
残された時間は24分、諦めてオーブンの扉を開けて肉の載った鉄板をレンジ台に載せる。肉の焼ける香りとスパイスの香りが部屋を満たす。可愛そうな上半身と下半身の間の空間は、必要以上に薄くなっているような気がする。気持ちを上手く切り替えて、鉄板の上の肉を大きな皿へ移して、PCの電源ボタンを押した。「すぐに食べられるさ」そんな声が背後でしたような気がした。
良く考えれば、その女性の声も聞いた事は無いし名前も知らない。猫に関する事も分からない。「やれやれ」そんなため息に似た声も背中から聞こえる。でも気になってしまった事は既に刻印のように頭の中にしっかりと焼きつき消し去る事はできない。
出来立ての肉とヨークシャー・プディングを口にする事は諦めて、猫の失踪について検索エンジンへキーワードを入れた。検索をする前に思っているよりも沢山の結果が得られる。日本の国内でもこれだけ沢山の人が猫を失い、捜し求めているのだろう。でも何故猫を失うのか、猫が主人を裏切り旅立つのか理由は分からない。
「死期の近くなった猫はその死に場所を求めていなくなるのか」そんな質問と回答が検索結果に溢れていた。ブログによれば、死期の近くなった猫が居なくなると言うのは全くの「迷信」という事だ。彼女の猫も家路を探すのに苦労しているだけで、何処か生きているのだ。死ぬ為に旅立った訳ではない。
「探している猫もきっと何処かに生きている」確信はなかったけどそんな気がした。残された時間は数分あった。調べた事を素直に彼女に伝えよう、それで彼女ときっちりとハイタッチができるのだ。そんな風に考えると心は落ち着き、食事の続きは適えられるという気持ちになった。
そう、「調べた結果を彼女が安心するように伝えればいい」そう考えて、物音が消えた部屋の中で女性の指定した時間が来るのを待った。
■雨の中のRun 11.4Kmでした。風が強かったけど気持ちいいRunでした。プールへ行く気力はあったのですが、時間が足りませんでした。Wine 2本半気持ちいいっす。
前回のお話
静かな部屋には食事への期待も残されていない、話を完結せずに電話を切った後の中途半端な気分がその場を支配していた。与えられた30分をどう使えば良いのだろう。PCを起動して猫探しを始めれば良いのか、作りかけのロースト・ビーフをどうするのか考えはガールフレンドが料理のメニューを選ぶように決まらない。
電話の向こうの知らない女のために二日がかりで作った食事を先延ばししても良いのだろうか。高級とは言えないが脂肪分の少ない肉に、厳選し樽から出したばかりのワインを選んで食卓へ載せた。安物の肉とは言っても、納得のいった夕飯の準備はできている。そんな苦労を無駄にしていいのか。
残された工程は、肉を切りコルクを引き抜くだけだ。あと少しでゴールがある。それを知らない女性からの一本の電話で失ってしまうのには納得がいかない。ロースト・ビーフやヨークシャー・プディングは焼きあがって食べられるのを待っているのだ。
目を瞑って胃の様子を感じると、上半身と下半身の間の空間がすっぽりと失われているような気がした。考えてみれば料理の準備のためにブランチから何も口にしていなかった。猫を探すより胃へ何かを入れる事が今は重要なのだ。それは脳も肉体も分かっている事だった。
しかし、彼女の言った「理由はちゃんとあるわ、とても大事な事よ」という言葉が頭の中から離れない、いったい彼女と自分の間に何があるのだろう。何故こんなに気になるのだろう。初めて電話で話した女性と重大な話ができる程幸運な人生は送ってきていない。どちらかと言えばロースト・ビーフの焼き上がりを邪魔される不幸な運命の中に居る。
残された時間は24分、諦めてオーブンの扉を開けて肉の載った鉄板をレンジ台に載せる。肉の焼ける香りとスパイスの香りが部屋を満たす。可愛そうな上半身と下半身の間の空間は、必要以上に薄くなっているような気がする。気持ちを上手く切り替えて、鉄板の上の肉を大きな皿へ移して、PCの電源ボタンを押した。「すぐに食べられるさ」そんな声が背後でしたような気がした。
良く考えれば、その女性の声も聞いた事は無いし名前も知らない。猫に関する事も分からない。「やれやれ」そんなため息に似た声も背中から聞こえる。でも気になってしまった事は既に刻印のように頭の中にしっかりと焼きつき消し去る事はできない。
出来立ての肉とヨークシャー・プディングを口にする事は諦めて、猫の失踪について検索エンジンへキーワードを入れた。検索をする前に思っているよりも沢山の結果が得られる。日本の国内でもこれだけ沢山の人が猫を失い、捜し求めているのだろう。でも何故猫を失うのか、猫が主人を裏切り旅立つのか理由は分からない。
「死期の近くなった猫はその死に場所を求めていなくなるのか」そんな質問と回答が検索結果に溢れていた。ブログによれば、死期の近くなった猫が居なくなると言うのは全くの「迷信」という事だ。彼女の猫も家路を探すのに苦労しているだけで、何処か生きているのだ。死ぬ為に旅立った訳ではない。
「探している猫もきっと何処かに生きている」確信はなかったけどそんな気がした。残された時間は数分あった。調べた事を素直に彼女に伝えよう、それで彼女ときっちりとハイタッチができるのだ。そんな風に考えると心は落ち着き、食事の続きは適えられるという気持ちになった。
そう、「調べた結果を彼女が安心するように伝えればいい」そう考えて、物音が消えた部屋の中で女性の指定した時間が来るのを待った。
■雨の中のRun 11.4Kmでした。風が強かったけど気持ちいいRunでした。プールへ行く気力はあったのですが、時間が足りませんでした。Wine 2本半気持ちいいっす。