A sequel of the dream

西の空を明るく染めていた光は舞台のカーテンを降ろす様に消えてなくなった。灯りの無い夜の河原は闇に包まれる。夜の色に染められた芝の上に敷かれた灰色のカーペットの様にランニング・ロードは暗い海まで続いていた。

大きな河には幾つかの小さな船が行き来し、水面に落ちた灯りは漣と交じり合い夜光虫の様に見える。両岸の街灯りが大きな河を縁取り、天からの訪問者へ向けた滑走路のように見える。河にかかる大きな橋の上を行き来する車のヘッドライト、操車場のまばゆい光の塊、幾度となく走り過ぎた場所であっても、明るい時に見て感じる世界とは全く違う。

小さな子供や家族の姿は消えて忘れられ、完全な闇と孤独と走る目的だけがその場所に留まる事ができる。カーペットの先だけをじっと見据えて、二本の脚をピストンのように交互に動かす。河を下る乾いた北風が乾いた草と擦れる音、踏み出す度に響く足音、「どこまで走るの」そんな声が聞こえた気がして振り返った。
■春の雨粒の中には命が包まれているような気がしませんか。そんな雨降りの朝、コーヒーをいれ本(Raymond ChandlerのThe Long Goodbye)を読んで過ごしています。皆さんは何をしてますか?