ブログネタ:ブランドは好き? 参加中少し前の話になるが、セミナーで講演するために台湾へ行った。さる米国の小さなIT企業とタイアップしたセミナーだ。開催2日間という短かったが、打ち合わせと称して1週間のスケジュールを取って豪華な出張にしてまった。(内緒の話です)
開催日の2日前から期間中はきちんと仕事をした。現地のスタッフと綿密な打ち合わせ、英語通訳(何故英語だぁ、わたす日本人ですT.T)との公演内容のチェック。現地企業の訪問などかなり精力的に働いた。
昼間はオフィスで、夜は現地企業の人のために接待に出席。何度乾杯の音頭をとったのかわからない。訪問先のお客様は皆セミナーへ足と運んでくれ、おかげで集客数は会場に設けた席以上、立ち見さえも出るほど盛況だった。
当時にしては奇抜な内容のセミナーだったのと、突然の事だったのであまり期待をしていなかったのだけれどその成功はとても嬉しかった。初めて訪れた台湾での一番の思い出は、何と言ってもその企画の成功だった。
残った2日間は仕事から開放され、台北近郊の観光地を訪れた。台北近郊の観光地と言ってもそれ程多くの観光名所があるわけではなく、台北自体はIT企業のビジネス拠点となりつつあう時期で風光明媚な場所など近くには無い、仕方がないので士林官邸、中正紀念堂、故宮博物院など3~4箇所、有名な所を訪れた。
しかし名前を見てもわかるように、あまり興味を引けそうな場所には思えなかった。実際に行ってみると「ふ~ぅ~ん、そうですね。立派ですね」といったような気持ちしかならない。比較するのも少しおかしいがフィレンツェやザルツブルグを訪問した時のような大きな感動は無かった。
台北の街中は東京のオフィス街に良く似ている。ファミマんおようなコンビニもあればシネコンだってちゃんとある。東京で生活する人であれば困る事は何もない程似ている。都会での観光と言えば六本木ヒルズやミッドタウンを思い浮かべるが、当時の台湾にはそんな場所は無かった。では、台北観光と言ったら何なのだろうか。
台北の市内に散在する小さな市場はとてもエキゾチックで素敵な場所だ。近代的な都会の中にエキゾチックな昔の雰囲気を留めるスポットは、今でも活気と熱気を帯びたアジアの雰囲気と味わいそして臭いがあるのだ。
そしてお茶のお店、お茶の販売店には煎れ立てのおちゃの味は格別に旨い。一度は訪れて美味しいお茶を買っても悪い買い物では無い。最後はイミテーション・ショップだ。市街を散策中怪しい風体の人が近寄ってきて、比較的分かりやすい日本語で「安いブランド物は欲しくないか」と話しかけてくる。
「安いブランド物」それが何を指すのか意味を聞かずとも分かる。それがイミテーションを意味するなら当然台湾でも非合法な品物だ。相手も相当慎重にアプローチしてくる。例えばホテルや観光案内所のような所へリベート払い紹介を受けて、紹介者とは無関係の場所を選んでアプローチをかけてくる。
自分がブランドに興味が無くても、お土産にしようと考える。そして「いいよ」と応ずる。車で喧騒な商店街を抜け倉庫が立ち並ぶ場所へ運ばれる。車から降りて通りを見渡すと、オープンしている店など一軒もない。まるでゴーストタウンの様な雰囲気だ。
「しまった、厄介な事になったな」と思いドキドキいると、ドライバーはシャッターの降りた店の鉄で出来た扉を暗号のようにノックをする。覗き窓がら白い目がギョロギョロとこちらを見る、まるでギャング映画を見ているようだ。
そして鉄の扉が重い音を立てて開く。ドライバーはやや緊張した面持ちで中へ導く。細い通路を抜けていくと巨大な倉庫に、数え切れない程のブランド商品が並んでいた。ビトン、グッチ、プラダ、カルティエ、アルマーニ。
英語のイデオムに「You name it, They have it」という表現があるが将にその表現通りだ。きっとそこに無いブランドは無い。無論、全てイミテーションなのだ。そこにあったイミテーションは、本物の1/4程度の価格で売られていて交渉次第で安くする事もできる。
専門家ではないので良くはわからないが、素人目には本物のように見える程精巧に作ってある。成田の税関で見つからなければ友達にプレゼントしても分からない。本物に似せてあるだけあって作りはしっかりできている。説明員の女性達もその事を強調していた。
つまり、ちょっとした見た目使い心地は本物と変わらないという事だ。質屋のようなプロの目はごまかせなくても、普通の人がちょっと見ただけではわからない。ちゃんとブランド・タッグも付いている。結局、諸事情と成田のリスクを考えてそこで買い物はしなかった。
そう、台湾の一番の思い出は、あの巨大な倉庫にズラリと並べられた。圧巻のブランド・イミテーションが並んだ姿だった。並べられた商品が何処で作られ、そしてどういうルートでそこに並べられたのかと思うと、シンジケートやギャング映画のような空想が膨らむ。
帰国して改めて考えた事だが、本物の1/4の値段であれだけきちんとした品物が出来るのであれば、自分達でデザインをして合法的に1/4の値段で売り出せば、何も非合法な商売をしなくても良いのではないかという事だ。
有名デザイナーにデザインされたブランド商品は、他にはない美しさがあるのかもしれない。でも、しっかりと丁寧に心を込めて作られた製品にも深い味わいという事もあるのではないかと思う。ブランドも良いが、ノーブランドでも確りと丁寧に作られた商品を選びたいと思う。
■いよいよ今日でGWも終わりだ。ふ~ぅ