ブログネタ:男女の友情、成立する? 参加中

夕食をの誘いに乗った事に後悔を覚え初めていた、気持ちを何処まで押し込められるのか、「亜矢はチームのメンバーなんだ」そんな言葉が何処かで囁いた。ジムで知り合ったジョギングの仲間と走り初めて半年程たった頃、亜矢がチームに加わった。あの日、集合場所に集まった時、仲間の一人が亜矢を紹介した事を今でもはっきりと思い出だせる。

その時の亜矢は、通っているジムで仲間の一人が誘い走り始めたばかりだった。走り始めたばかりのランナーの多くがそうであるように、あの日の亜矢も気温の割りに厚着をしていた。ランニング・コースを走っていると、直ぐに大粒の汗を流し始めた。見るからに暑そうだった。

「ウィンドブレーカー、脱げば」

それが亜矢へ初めて話しかけた言葉だ。ウィンド・ブレーカーを脱ぎ、腰にまくと軽快に走り出しニッコリと笑った。亜矢はチームの初心者メンバーの距離をゆっくり走り折り返し地点で引き返した。そんな具合にチームに加わりメンバーの一員となった。

連れてきた仲間の一人が付き合っているのかと思ったが、良く聞いてみるとそれは間違いだった。仲間にはちゃんとステディなガールフレンドが居て、亜矢は一緒に走る友達が欲しくて、チームの仲間に声をかけたのだそうだ。歓迎会の席で仲間の一人が酔った勢いを利用して質問した事があった。

「亜矢ちゃん、こんな飲み会なんか参加してないで週末なんだからデートした方がいいんじゃない」
「そんな人、いませんよ。走る事楽しいし。もちろんチームの人達も良い人ばかりだから……」

酔った仲間の質問をそんな風にサラッと受答えた。同世代で独身同士という事もあり亜矢の事を少し意識していたので、答えを聞いて、鏡に「もやっ」着いた付着物が拭い取られるようにクリアな気持ちになった。でも、そうだからと言って亜矢へ告白し関係を進めようとする気持ちは起きていなかった。

仕事も丁度忙しくなってきた頃だった。走る事も面白くなってきた、記録を追って走る事に日々充実感を感じ始めていた。恋愛的な複雑な感情を生活の中へ取り込んで感情の整理や制御にエネルギーを使うのが嫌だった。ランニングを通じチームとかグループの中で気持ちの交流ができれば良いと思っていた。

亜矢は、チームの中で抜き出ていた。元々才能があったのだ。スピードはグングンと上がり、タイムはみるみるうちに短縮された。幾つかの大会で入賞出来るほどの実力も付けて来た。デビューがもっと早ければ素晴らしい記録を残せるランナーになったかもしれない。

残念だけど時間は投影された映画のように巻き戻してやり直す事は出来ない。若返る事はできないし、現在の力を伸ばしていくしかない。亜矢もその事は十分わかっているのか、賞を取る事にはそれ程貪欲にはならずむしろ仲間と一緒に走る事を楽しんでいる様子だった。チームの仲間の中へ上手く溶け込んでいた。

ある週末の練習後、チームのメンバーは、河原からジムへ戻り汗を流し着替えをして、練習の後の定例で親睦を兼ね居酒屋へ行き、表面が凍りついたビール・グラスを傾けた。宴はいつものように盛り上がり、帰宅する時間を迎えた。

その夜、亜矢は終わったばかりのレース結果が良かったからだろうか、普段の夜より少し昂揚していたようだった。レギュラーな会が終わた後も、めずらしく飲みに行こうという誘いに乗った。明日の練習のために早く帰宅するともりっだったが、一緒に引き摺られるように二次会に参加した。

心の何処かに亜矢が参加するという意識が知らないうちに働いていたのだろうか。二次会は盛り上がり深夜を過ぎても終わらなかった。そして場所をスポーツ・バーに移し三次会に入った。メンバーもポツポツと消え最後に残ったのは、亜矢を紹介した仲間と亜矢の三人となった。

皆、トイレへいくにも時間がかかっる位の大量のお酒をのんでいた。最後のお一人は血の気の引いた顔色で朦朧としている。午前三時を回りカウンターの灯りが消えた。仲間の一人のマンションは店から直ぐの所にあり、千鳥足でマンションのエントランスへ吸い込まれていった。残された亜矢を送って、彼女のマンションがあるショッピング・センターの裏手へ回る。

たわいも無い話をしてショッピング・センター壁に沿った道を並んで歩いた。幾つかの質問を投げかねたがその半分は空気の中に消えていいた。ジーンズのポケットに入れた手に亜矢の腕が絡みつき柔らかい胸が上腕を刺激する。振り返って亜矢の顔を覗いたが半分は眠りに落ちているようだった。

人影のないエントランスを抜けエレベータを昇って、玄関の扉を開けた亜矢を見届け帰ろうとすると腕を捕まれた。振り向いて向き合うと夜風で冷たくなった唇が重ねあわされるのがわかった。どの位の時間だったのだろう。亜矢は振り向くと、

「お休みなさい」

そう言って扉の中に消えていった。それから、数日後亜矢から都心にあるワインで有名なレストランへ食事に行かないかと電話があった。会社帰りには便利な場所だし、誘いを断る理由はなかった。少し早かったがレストランに着き、ティオペペのドライ・シェリーを注文して亜矢を待つ。

暫くすると髪を綺麗に纏めワンピースにヒールの靴といった、普段のトレーニングウェアからは想像もつかない姿で現れ、いつもと変わらない笑顔を作った。そして夕食の誘いに乗った事を少し後悔し始めていた。

「いつもで友人でいられるのだろう」

輝く亜矢を前にして、自信は一欠けらも残っていなかった。

■ストーリーは創作であり、登場する人物は全て架空です。
■「男女の友情成立する」という設問の回答としては不十分でしょうか、読み取っていただけるとありがたい。お互いに異性的な魅力を感じ始めたら友情の危機は始まっているという事かもしれませんね。とっちがいいのだろうと疑問は深まるばかりです。
■30Km走をしようと走り出し11Km地点で膝が痛くなって引き返しました。Run 22Km