ブログネタ:ふとした時間にする妄想は? 参加中

夢については既に多くを語ってきた、夢の世界は確かにそこい実在し影響を与えている。うんざりするぐらい沢山の夢があり、ワインのコルクのように夢のゴミ箱の中へ容赦なく捨て去られた。そんな風に捨てられて行き場の無くなった夢は、いつの間にか形を変え別の夢として登場する事もある。

そんな夢はリフォーマーと呼ばれ、多くの場合心の奥に傷を残し、時には精神にダメージを与える事もあった。だから夢を捨てる時には、まるで核廃棄物を捨てる時のように細心の注意と特別な場所が必要だ。先日、海へ流した夢は遠い国の海岸に漂着してその国の動物の夢と融合した。

何でそんな事が解ったかと言うと、偶然にその動物を発見した良子さんが電話で教えてくれたからだ。良子さんの声は電話の中で興奮気味だった。

「ねぇ君、何が見つかったと思う、驚かないで……ワラビーと君の夢の融合が確認されたのよ」
「ふ~ぅん」

興味なさそうな声で答えると。良子さんは喚起を促すように続けた。

「こんな偉大な発見に良く落ち着いていられるわね。全く、あきれたもんね」

何が偉大なのか良くわからなかったが、兎に角、博士号(P.h.D.)を持つ良子さんのいう事だから凄い事なのだろう。

「それでどんな夢なんだい?」
「知りたい?」

良子さんはもったいぶった。何でもったいぶる必要があるのか良くわからなかったが、良子さんがそうしたいのならそうすれば良いと考えた。良子さんとは大学からの古い友達なのだ。実は良子さんとは一度だけ寝た事もある。感情的というよりは、どちらかというと実験的(!?)だった、良子さんが二人で寝た時にどういう夢を見るのか実験したいと言ったからだ。

研究のために寝る事が売春行為に当たるのか、買春行為に当たるのか良く理解はできなかったが、良子さんの事は嫌いで無かったので寝る事にした(まぁ、いいや)。大学の博士と寝る事がどういった意味を持つのか、寝るときには白衣でも着てコスプレをしてくれるのか変な想像もしたが、現実はとても普通だった。

学校の良子さんの研究室に合宿用の折りたたみ式ベッドを持ち込み、ぶ厚いカーテンを引いて研究室の蛍光灯を消した。遮光性のカーテンとはいえ隙間からまだ空の高い位置にある太陽の光が差し込んで、研究室の床に光の筋を作っていた。大学は夏休みに入っていたので研究生達はやってくる事は無い。

隣の部屋から入ってきた良子さんは、研究室の大きなロックを回す。静かな部屋に鍵が落ちる鈍い音が響いた。カーテンの隙間から入る光で、小さめのブルーなパステルのキャミソールに薄手のスカートを履いている事がわかった。写真で見たような白衣も着ていなかったし眼鏡もかけていなく、博士号を持ったインテリの女性というよりは、都会のカフェにたむろするような普通の女子大生のように見えた。

研究室の窓の向こうからは蝉の鳴き声がガラスを通して聞こえてくる。良子さんは近づくと、二組のコンドームを差し出し、それを渡すと振り返って、こちらを一度も見る事はなくキャミソールを脱いだ。良子さんの細い肩がぼんやりと見える。そしてスカートのジッパーに手をかけスカートを下ろし。組み立て式のベッドにかけられたシーツの中へ身を滑り込ませ、背を向けた。

慌ててTシャツを脱ぎ捨て、ジーンズのジッパーを下ろし下着一枚になると良子さんのいるシーツの中へ潜り込んだ。研究室という異質の場所でベッドへ潜りこむ行為は異状に異状に興奮を覚えた。シーツから顔を出すと壁の書棚には良子さんの研究する本がびっしりと並べられていた。

良子さんの肩にそっと触れるとピクリと体が震えるた。背中から首筋にキスをすると体を回し、応じるように反応した。静かな部屋に良子さんの心臓の音が響き渡る位心拍数が上がっているように思えた。我々が全てを終えた後、白いシーツの中でとても深い眠りに落ちた。

夢の中では、現実と同じようにセミの泣き声が小さく響き、古い本の臭いがした。そこでじっと体を堅くしていると、どこか遠くで学生の話し声が聞こえるような気がした。目覚めると良子さんは写真のように白衣を着て眼鏡をかけ、自分のデスクに座って書き物をしていた。

3ヵ月後、良子さんは「セックスおける夢の位相変異」というタイトルの論文を発表した事を、大学に勤める友達から聞いた。良子さんがその時どんな実験をしてどのように論文を書き上げたのかは知らない。論文の内容も読んでいないし、その実験が成功だったのか、失敗だったのかも謎だ。

そして良子さんがどうやって被験者を選んだのかも聞いてはいない。ただ、実験が終わった後、良子さんの頬に唇を這わせると冷たい液体を感じた。そして研究室を出るときに背中の方で「ありがとう」と小さく囁いたのを覚えている。

「もちろん……」

と答えた。数ヶ月前に壜につめて海へ流した自分の夢が、ワラビーの夢と融合してどんな風になっているかとても興味があった。そしてその夢がとても素敵だと思わない訳にはいかなかった。だってそれは良子さんの夢も混ざっているんだもの。

電話の向こうで良子さんはその夢の事をゆっくりとそして楽しそうに話し出した。
■ちょっとした時間にはそんな妄想をします……なんとなく素敵ですね。
■Run 5Km Swim 2Km 水を滑るって感じいいですね。