ブログネタ:私の風邪の治し方 参加中白い天井はゆっくりと収縮し壁が僅かに流れだす。目を閉じると発光する蟲達に囲まれ意識は粘性のある液体の中をゆっくりと浮遊する。頭の奥のもやもやが、やがてゆっくりと胃の方へ降りて酷い不快が胃を突き上げる。
胃の奥から吐き出される食物は上手く消化されず形を残したまま口の外へ押し出される。胃の開放感がやってくるのと同時に苦い胃液が喉を伝って口に溢れ黄色い液が便器の中を満たす。涙を拭い、口の周囲を拭き、うがいをして倒れこむようにベッドへ潜り込むが、目が回るように周囲は動き回り不快感は収まらない。
浮き上がる汗を拭いてシャツを換え、止まらない咳と胸の痛さに絶えながら長い夜を呪ってやっと訪れた朝。一向に回復に向かわない体を疎ましく思い、八時の受付開始の時間を首を長くして待つ。冷蔵庫からミネラル・ウォーターのボトルを取り出してグラスに注ぎ胃の中へ流し込むが、不快感は変わらない。
引き出しからデジタル体温計を出し脇へ挟んでソファに横なる。テレビのスイッチを入れると見慣れた政治家と解説者の不快な顔がアップで交互に映し出される。解説者はもっともらしい事を述べ、政治家は不快な笑いを浮かべ、画面にはテロップが大きく言葉を繰り返す。
「ピッピッ」とアラーム音が聞こえ脇から取り出した体温計はくっきりと8度2分を示している。重い体を引きずりPCの前へ行って定まらない焦点の目で上司へ病欠の電子メールを打ち送信ボタンを押すと上司の顔が浮かぶ。でも、休暇をとった安心感からか、病気のせいなのか再び眠気と疲労感が訪れる。
ソファの上で目を目覚め時計を見ると既に八時を回っていた。受付の時間は過ぎていた。重い体を奮い起こし、下着を換え外出着に着替え保険証と財布を持って、ふらつく体を支えながら家を出た。たちまち冷たい空気が体を包む。熱のある頭が冷えて気持ちがいい。
病院までの長い道のり、滲み出す汗はもう下着のTシャツを濡らし始めていた。病院へ入ると生ぬるく病気に満ちた空気が室内に満たされていた。待合室には既に大勢の患者が座っていた。時折大きく咳き込む音が聞こえる。
保険証と診察券を受付に渡すと、代わりに問診表のクリップボードを渡される。きまりきった症状に○で囲み妊婦でない事を明言する。クリップボードを事務員に渡し待合室へ向かう。診察は既に始まっているが、大勢の患者が待っている。
気の遠くなるような時間を過ごさねばいけない事を覚悟してテレビのニュースに目を送ると、先程家で見た政治家の不快な笑い顔が再び映し出されていた。違うキャスターは何でもわかっているように先程の解説者と同じ言葉を繰り返していた。
ソファーにうな垂れ、とても具合の悪そうな患者を横目に見ながらなかなか回って来ない順番を待つ。長い待ち時間やっと呼び出しのアナウンスがある。中待合で待てとの指示、何故「中待合」があるのか、再び待たなければいけない苛立ちと熱の辛さが重なり怒りに変わる。
数分の時間が過ぎる。自分の名前を聞き逃さないなように耳を凝らす。「ここで聞き逃したら最初からやり直しだ」そんな声が何処からともなく聞こえた気がした。診察室の中からやっと自分の名前を呼ぶ声がした。席を立つと他の患者の視線が羨ましそうに此方に向けられる。
席を立ち上がり扉を引いて診察室に入る。医師は必ず同じ言葉を言う「どうしました?」あらかじめ準備していた症状の説明を医師へ伝える。と医師は先ず、「口を開けて」と言い懐中電灯で喉の奥を見る。
それから「シャツを上げて」と言い聴診器を当てる、そして「背中を出して」という。彼は「喉が赤いですね」と言う。カルテに何かを記入する。そして「風邪でしょう、薬をだしておきます」そう言う。
ジーンズからひっぱりだしたシャツを元の様に直していると、もう彼は次のカルテを手に取っている。診察室を出るとその足で会計へ行き長い時間待たされる。そして受け取った処方箋を持って薬局へ行き、待ち行列に加わる。こうやって辛い一日が過ぎていくがなかなか症状は改善されない。
こんな経験をしないためにも風邪は絶対に引きたくない。風邪を引いた後の対策も確かに重要だが風邪を引かないための対策が一番だ。辛い思いをしなくていいし、無駄な時間を費やさなくてもいい。
どんなに体を鍛えても、どんなタフなスポーツ選手も風邪のウィルスが体の中に入ってしまえば風邪を引いて症状が現れる。普段の生活の中で人と接触する事は避けられない。だから基本的にウィルスを取り込まない事は難しい。電車の中や公共施設の中そんな場所にはウィルスがいる。
どんなに気を払ってもウィルスが体内へ入る事を避ける事は難しい。レストランの食器に付着しているかもしれない。どうする事もできないのだ。では、どうするか、手洗い、うがいは基本だろう。口に物を入れる前には必ず心がける。どんな時でもウェット・ティッシュを持ち歩いて手を拭く事を忘れない。
次にカテキンの濃いお茶を飲み胃の中を殺菌する、これは効果絶大だ。外出から帰ったらうがいをした後にお茶を飲む……難しくない。ポリフェノールのある飲み物を中心に飲むココアやワインだ…難しくない。
そんな予防法を実践し、有酸素運動(体力が低下しない運動を心がける)をする。そしてゆっくりと睡眠をとればほとんど風邪を引く事はないだろう。仕事の関係で遅くなってしまった時でもどれかを実践すればある程度効果があると思う。
それでも、もし風邪を引いてしまったら、諦めて医師の言う薬を真面目に飲み(全て飲みきりましょう。途中でやめない)。体力が付いてきたら、薄っすらと汗をかけるようにシャワーを浴びて暖かくし、お茶やココアをしっかり飲んで寝る。
これが健康法です。体の弱かった頃と比較すると格段の違いがあります。気が向いたら実践してみてください。もちろん……個人差はありますよ。
■風邪引きたくないですね。