「言葉の疲弊」

そんな事を書くために続けているのか、「美しい言葉を綴りたい」そんな思いに心が馳せるが、いくら筆を動かしても言葉はそれ以上、語ってはくれない。

冬も始まったばかりなのに春を思い、思いを綴ろうと無駄な言葉を重ねる。時間は無駄に過ぎ、残された思いだけが古い時間の帯に楔を打ち込まれ残っていく。

何を書くために筆を動かし、何を求めて筆を動かしているのか。楔を打ち込まれた思いが目的を象徴するが、残された思いから真実を読み取る事はできない。

深い冬はどっしりと腰を下ろし、春は遠くに霞んで見える。とり残された言葉は行く先を見失い、寒い冬の空気の中を彷徨いそして凍りつく。

凍りついた言葉は花が咲く季節にまで硬く冷たい氷の中へ閉じ込められ、冷たい深海の海底のような記憶の底へ厚く堆積していく。

凍りついた言葉は、誰の目や耳に留まる事無く、暗い記憶の底で次の季節を身動きもせずに待っているのか。確かめようと声をかけるが届かず、取り出そうと手を伸ばすが届く筈も無い。

どんなに春を思っても、凍りついた言葉は融けてはくれない。欲しい言葉は厚い氷の下で全ての繋がりを拒否しているかのようだ。忘れ去られた言葉はどうなっていくのか誰も知らない。

言葉達が融けだすのはいつになるのだろうか。そして溶け出した言葉が何処へ行くのか、誰にもわからない。意思無く彷徨う言葉をどう扱えば良いのか想像もつかない。

ただ、季節が過ぎ去り次の季節の訪れを待つだけだ。ただ、過ぎ去る季節を見守るだけだ。言葉には力も無く光も発しない。冷たく黒い塊となって沈んでいる。

言葉が泣いている、言葉が泣いている、硬い凍りの中で、冷たい氷の奥で……
■昨日は完全休み。テレビ(県民バトル)を観ながらワインを空けました。新橋にあるいつものワインの専門店で新春くじを引いたらワインが当ったので一気飲みしました。