近未来の世界、人々は高度な電子化へ対応で不眠症に苦しんでいた。「NDT Inc.」社は、独自開発した特殊装置で不眠解消のために「夢」を売るサービスを提供していた。装置の悪用を計画する非合法プロバイダ「MAL(マル)」。NDT社の社員である「不眠症の主人公」と恋人「ケィ」が装置をMALから守るために繰り広げる「近未来・冒険・ドリーム・ラブロマンス」BugsLifeをお楽しみください。

これまでのお話 http://www.geocities.jp/konandai_3rd/Data/bugslife.htm

15.ケィと夜と夢 ~ Day Tow #4 ~

フリースを受け取り濡れた上着を脱いで素早く着替え、懐中電灯を受け取った。

「さぁ、ぐずぐずしてはいられません。体が冷え切らないうちに早くキャビンへ戻りましょう」

管理人さんの指示に従い下山道を下った。出発する時に言われていたように下山道は蛙ヒルへの道のり比較すると歩きやすく一時間余りで湖畔へ辿り着いた。そこまでくれば残りの道は湖を回周するトラック・ロードを抜けるだけだった。危険な事は無くキャビンへ程なく到着した。

「無事着きましたね。会えて本当によかった」

「本当にありがとうございます。なんとお礼を言えばいいのか」

「いいですよ、ごり……」

何か言いかけたまま言葉を濁し続けた。

「夕食はどうしますか?簡単な物ならコテージの方へお届けできますが、早くお風呂に入って温まった方がいい」

「ありがとうございます、折角ですが夕食は大丈夫です。それから、借りした上着は後でお持ちします」

「そんな事は気にしないでください、いつでも良いですよ」

「ありがとう」

ケィは小さな声でそう言うと疲れているのであろうか、早々とコテージへ引き上げていった。

「本当にありがとうございます」

改めて礼を述べケィの後を追いかけるようにコテージへ向かった。部屋へ入るとケィはぐったりしてソファーに横になっていた。

「大丈夫?」

「ええ、ごめんなさいちょっと疲れたの」

「謝るのはこっちだよ、本当にごめん、良く待っていてくれたね」

「ばか、置いて一人で帰れる訳ないじゃない」

「ケィ……ごめん。お風呂を入れるから早く体を温めるんだ」

バス・ルームへ行き白くて丸い大きなバスタブの金色のタップを開けた。熱いお湯が勢い良くタブの中へ流れ込む。石造りで出来たバス・ルームの中には一瞬でスチーム・サウナのように曇る。壁に埋め込んであるタイマーをセットし、部屋に戻った。

管理人さんが準備していてくれたんのだろうか、暖炉には薪の残り火があった。新しい薪をくべ、空気を送り込んだ後に服を着替えてキッチンへ行った。イタリアの赤ワインを開けると大きなグラスへ少しだけ注ぎケィに渡す。

「これで体があたたまるだろう」

「うん」

壁のタイマーが鳴り、湯が一杯になった事を知らせる。ケィはワインを空けると着替えとバス・ローブを持ってバス・ルームへ向かう。自分のグラスにワインを注いで味を確かめた。レンジに火を入れ一杯に湯を満たした鍋を載せ、塩を少し入れて沸騰するのを待った。その間に別のレンジでゴルゴンゾーラと生クリームそしてスパイスを混ぜソースを作る。

野菜を洗って水を切りサラダ・ボールへ移し、上にチキン切身と擂ったチーズとハーブ、クルトンをまぶし冷蔵庫へ入れて冷やす。沸いた湯の中へドライ・ペンネを入れタイマーをセットする。空になったグラスにワインを注ぎ一口飲み、前の日に残ったバケットをオーブンで軽く温める。クリームチーズへ潰した粒胡椒とニンニクを入れ簡単にパテを作る。

そうしている間に13分が経過する。あと1分でペンネを上げる時間だ。ザルやトング、オリーブ・オイルを準備して待っていると、バス・ルームでケィの声がする。

「バス・タオルを忘れたの、持ってきてくれない」

「やれやれ、あと20秒だ……」

諦めてバス・タオルをクローゼットから出しバス・ルームのハンガーへ掛けると走ってキッチンへ戻った。タイマーが鳴っていて、予定より30秒過ぎていた。

「やれやれ」

パスタを茹でるといつもこうだ。茹で上げる瞬間にいつも何かが起こる。急いでザルの中へペンネを上げトングでオリーブ・オイルと和える。仕上げをしているとバス・ローブを羽織ったケィが髪の毛をバス・タオルで乾かしながらキッチンへやってくる。

「残りは任せて、シャワーを浴びてきて」

「ありがとう、ペンネはソースに絡めるだけだし、ロースト・ビーフは昨日の物が残っている。ホース・ラディッシュは冷蔵庫に入っているよ」

言い残すと、グラスに残ったワインを飲み干して着替えとバス・ローブを持ってバス・ルームへ行った。熱い湯を頭の上から流すと、冷え切っていた体がじんわりと温まる。雨で濡れた髪の毛の一本一本を丁寧に洗い、コンディショナーで仕上げる。

体をスポンジで隅々まで擦りお湯で流した。大きなバス・タオルを取って丁寧に水気を取り、下着を着けてバス・ローブを羽織る、髪をタオルで乾かしてブラシを入れると急いでキッチンへ戻った。


次回のBugsLifeは性的な表現が使われる予定です。不快に思われる方もいるかも知れないので、事前に予告させていただきます。物語の表現に必要な範疇に留めるよう努力しますが、若年層の方及び性表現を不快に感じられる方は是非スキップをお願いいたします。

Night Running 5キロ走りました。涼しくて走りやすいかと思ったけど、結構辛かったなぁ~
27日は休養日です。