「ジャック・イン・ザ・ボックス」

ジャックは箱の中でじっとその時を待っていた。ジャックは33歳になるというのに趣味も定職も何も持ち合わせていなかった。彼には才能もあるし、踊りだって上手に踊ることができた。でもそれが彼の趣味かと問われると彼はいつも


jack1

「ノォ」

と答えた。ジャックは箱の中でじっとその時を待っていた。ジャックには家族も友達もいない。遠い北極の国の方にエスキモーやら白熊の知り合いや、赤道直下にはニシキヘビやらピグミー族の知り合いがいたがそれが彼の友達かと言うと答えは「ノォ」だった。
ジャックは箱の中でじっとその時を待っていた。ジャックには好きな食べ物がなかった、唯一食べられるものはミミズクの尻尾をイタチのへそのゴマで煮込んだスープだ。

彼は冬の前になると必ずこのスープを飲むことにしていた。彼が一冬を越すために必要な儀式なのだ。しかしこれが彼の好物か・・・っと言われると答えは

「ノォ」

だった。ジャックは箱の中でじっとその時を待っていた。ジャックは旅行へ行ったことがなかった、しかし遠い国の夢はいつも見ていた。

針地獄の頂を持つ山脈、氷点下230℃の谷そんな所の夢が彼のゆめだった。しかし彼にその国へ行きたいか……と尋ねると答えは

Jack2

「ノォ」

だった。ジャックは箱の中でじっとその時を待っていた。誰かがジャックを箱の外へ導いてくれる事を、ジャックは箱のの中でじっとその時を待っていた……

彼はその箱からいつ出ることができるのだろう・・
暑い日が続きます。健康に注意してお過ごしください。 エド吉