「Ironic rearities and refrection of the mirror」


もう既に目覚めているのだろうか?明け方のようでもあり夕方のようでもあった。時計がないので時間がわからない。場所も定かではない、いままで見たことの無い場所だ。何処にいるのだろう?


何をするわけでもなく鏡の前で顔を眺めている。映る影が、自分の顔か確信が持てない。知らない顔を眺めているだけだ。鏡は洗面台でもドレッサーのような物でもなくなんお変哲もない一枚の板だ。


その部屋には窓もなく、光源は天井の蛍光灯だけ。確かに明るさは十分あった。鏡に顔がはきりと映っていう。顔を上から順に確認する。額、眉毛、睫毛、瞼、瞳、鼻、自分の物となんとなく違うようだ。

mirror1


もう少し鼻が大きかったかもしれないし、目や唇の形も少し違うような気がする。もしかしたら鏡の中にいるのは他人なのかもしれない。鏡の中の人物も自分動きに合わせて同じような動作をする。
「そこにいるのは誰?」

問い掛けても返事は無い。頭を掻けば相手も頭を掻く、鼻に触れば相手も触る。それでも鏡の中の人物は自分で無いような気がする。何故、真似をするのだろう。何の目的でそんな事をするのだろう。そんな事をしても何の意味も結果ももたらさないのだ。
目の前にあるのは本当に鏡なのだろうか?中に写るのは本当に自分なのだろうか?鏡以外に無い部屋の中で確認する手段は無い。気付くと手にハンマーを握っていた。勿論鏡の向こう側の人物も同じようにハンマーを握っている。
衝動に駆られハンマーを振り上げる。鏡の中の人物も同じ動作をした。ハンマーを振り下ろす・・ガラスが割れる音が部屋の中に響き渡り、鏡には大きなヒビが入った。

ヒビの入った鏡の中に見える人物の額から真っ赤な血が流れ落ちた。暫くすると、赤い液体が頬と顎を伝って床にポタポタと落ちた。そして床一面に赤い液体が広がっていくのがわかった。

ガラスの向こうの人物の顔がぼんやりと見える。鏡がガラガラと崩れ落ちる。

実際に今の世界が本当の現実かなんて誰にもわからない、それが皮肉な現実だ。
これは何かを象徴しているわけではないんです、単なる夢なですから。