これじゃ疲れ目も取れんわな映画れびぅ | weblog -α-

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なんとな~く  思いつきで  好き勝手に  (=゚ρ゚=) ボヘー  っとやってます。


はーい、今回も手抜きして映画レビューでござるよ、ケムマキ氏。
ニンニン。
・・・うん、あのね、眠いんです。
手抜きって言ってもね、画像の調整とか文章の見直しとかは一応やってるんでね、それだけで一晩ぐらいは掛けてるんです。
本来の俺の書く記事と比べたら頭脳面で手抜きってだけなんです、はい。
そんな訳で、徹夜で作業したからデベデベですよ。
悟りを開いたかの様に半眼ですよ、もう。
さて、そんでは例によってネタバレ上等で宜しくどうぞ。


388
388
原題:388 Arletta Avenue
製作国:2012年 カナダ
監督:ランドール・コール
評価: 4点 (10点満点)

ほぼ定点カメラ映像という異色のサスペンス映画。
POVによるモキュメンタリー作品といえばもうお馴染みなんだけど、この作品はいわゆるハンディカメラ映像を主体としたものじゃなく、大半が主人公の行動範囲内に仕掛けられた隠しカメラ映像という変り種。
というのも、物語はとある夫婦を執拗に狙ったストーカーによる隠し撮り映像だけで構成されていて、序盤から結末まで犯人視点。
まぁ、さすがにカメラの隠しすぎ感は否めないんだけども、定点の映像を繋げるだけで作品にしちゃってるのは画期的。

この作品の監督は全然知らないんだけど、製作総指揮には 『CUBE』 の監督として一躍注目を浴びたヴィンチェンゾ・ナタリが携ってる。
CUBEは低予算ながら実に巧く作られてて、シンプルな舞台でも工夫一つで面白く出来る事を証明した傑作。
そんなヴィンチェンゾ・ナタリが携ってるだけに、この定点映像を駆使した構成ってのも工夫として面白いと思う。
但し、物語として、作品としてという部分に関して言えば、余りにもパンチが弱すぎるかなと。
決して方向性は悪くないと思うんだけど、観てるこっち側に緊迫感が伝わって来ないもんで、単純に監視カメラを延々と眺めてるだけみたいになる。
退屈ではないけど、やっぱり登場人物とこっち側にリンクする部分が無いと映画はダメだと思うんだよね。

388

物語は、ジェームズとエイミーの夫婦が何者かの監視対象にされ、ジワジワと追い詰められて行くというもの。
序盤から謎で始まる点はCUBEとも通じるところなんだけど、状況が明らかになって一気に観てる側を引き込む様な描写ってのがこの作品には一切無い。
「ああ、この夫婦は監視されてんだな」 という一点だけを理解させて、あとはとにかく見てるだけってのが失敗だよね、これは。
エイミー失踪後は、ジェームスが自滅してく様を眺めてるだけで面白味が無い。
しかも、被害者であるはずのジェームスがちっとも善人じゃないもんで、尚更観てる側が可哀想に思ったりもしないというダメパターン。

あとは、やっぱり隠しカメラが多すぎだよなぁ。
車と寝室とリビング、キッチンぐらいならまだしも、洗面所やら職場のPCやらと無駄に多いのはね、さすがにご都合主義を感じさせる。
ある種のイカレたフリークがやってる事って設定は解るけども、ホントのフリークは日常の全てを監視したりはしないんだよね、多分。
つまり、悪趣味であってもそれを一つの娯楽として捉えてるのがフリークだから、もっとリアルな視点で 「覗き見という娯楽」 を意識しないとダメだったんだろうなと。
それっぽく作ったり演出してもダメで、やっぱり本物の気味の悪さみたいなもんを感じさせてナンボなんだよね、モキュメンタリーなら尚更。

とりあえず、総体的な評価は低めだけど、可能性が感じられる実験的作品って意味で、少しだけ評価は上がるかなと。
チャレンジ精神と向上心のみの作品ってトコだね。



サイレント・マウンテン
サイレント・マウンテン
原題:BLOOD RUNS COLD
製作国:2011年 スウェーデン
監督:ソニー・ラグーナ
評価: 3点 (10点満点)

雪深い山間のロッジを舞台としたスラッシャーホラー作品。
なんだか、久々にベタなバタ臭いホラーを観た気になった作品w
良くも悪くも、ちょっと懐かしさすら感じる一昔前のホラーといった印象で、総体的には大雑把な仕上がりではあるんだけど、随所随所でホラーとしての良さも感じさせる。
まぁ、基本的にはシンプルなホラーだから解り易いんだけど、今時の映画にしては整合性が取れてないというか、かなり強引な展開が際立ってた。
その辺りがC級感とか古臭さを感じさせる所以なんだろうなと。

物語は、地元である雪深いド田舎へとネタ作りの為に戻って来たミュージシャンのウィノナが、本来借りたのとは違うロッジに足を踏み入れてしまった事から始まる。
元彼とその友達カップルと共にロッジで酒盛りの後、お約束的にハァハァなんぞしましてw、そんなお楽しみの後には惨劇が繰り広げられちゃう訳です。

やる事やったら首チョンパ

気味悪い舞台、SEXシーン、惨劇・・・いやぁ、ベタですなぁw
ただこれ、ハリウッド映画じゃないんで、そんなベタな展開でもわりと飽きさせません。
ってのも、主演女優がしっかり脱いでベッドシーンに挑んでるし、その後の惨劇でも小細工無しにスプラッタ描写を映してたりするんですな。
今時、ホラーでも乳とかモロには映さんし(主役は特に)、首チョンパとかも直接的には映さなくなってるんで、そういうトコで変な配慮されてない辺りは気持ち良いです。
まぁ、ベッドシーンが終わるまでの前半とか、全く無駄って言い切れるほど意味無いんだけどねw

ゲームのSIRENがネタ元と見た

この作品に登場する脅威は、ガスマスクみたいなのを付けた得体の知れない怪人。
単に人を殺すだけじゃなく生肉を食ってたりするんで、なかなかキャラの濃い怪人だとは思うんだけど、イマイチ恐怖を感じさせないというか、明らかに知性が低くて攻撃も単調なんで、どうもゲームに登場するモンスターみたいでリアリティーに欠けるんですよ。
直接攻撃がほぼ効かない無敵状態なら、コソコソやらんで堂々と出てって襲えば良いんじゃね?とか思っちゃうしね。
まぁ、それをやると一瞬で皆殺しだから映画として成立しないけどw

なかなか美人なのに出し惜しまないって素敵

なかなか良かったのはウィノナを演じた女優さん、ハンナ・オルデンブリ
若い頃のジョディ・フォスター的な凛々しい顔したおねーちゃんなんだけど、前述した様にしっかり脱いでるし、泣くシーンでは鼻水垂らしまくりでワンピースみたいな事になってる名演技w
とは言え、主演であってもそんなに良い脚本じゃないし、もっとちゃんとした作品でちゃんとした演技をした方が絶対良いと思うけどねw
とりあえず、鼻水垂らして泣いてる女優は近頃見ないんで、それが出来るだけでも演者として素晴らしい。

あとはスプラッタ描写だよね、この作品の良かった点は。
冒頭で怪人に殺られちゃう男の特殊メイクも良い出来だったし、本編での首チョンパやら指食いもなかなかお上手に仕上がってました。
意外とあっさりしてるんでそれほどグロくは感じないけど、モロ映しなんで子供には見せちゃダメなやつだよねw

で、逆に一番悪い点を挙げるとすると、舞台設定。
雪深い山のロッジなのは良いけどもさ、わりと近場に家とかあるみたいだったし、ロッジから車道まで結構近いし、そもそも、そんなに山奥ですらないのはダメでしょ・・・と。
人殺して食らう様な怪人が住んでて怪しまれたりバレたりしないんだからさ、そこはやっぱりそれなりの状況を作り込んでやらなきゃダメよね。
んで、ロッジはロッジでそれほどのお屋敷でもないクセに、家中に隠し通路があったりするのよね。
二階の開かずの間から通じてる隠し通路進むと地下に出るとかさ、一体どういう作りになってんだよ!っていうw
まぁ、そういったツボをしっかり押さえて作れば、良いホラーが出来るとは思う。



5IVE [ファイブ]
5IVE [ファイブ]
原題:5ive!
製作国:2002年 アメリカ
監督:ドミンゴ・ヴァーラ
評価: 1点 (10点満点)

エレベーターに閉じ込められた人々を描いたシチュエーションサスペンス作品。
なんでもDVDのパッケージが 『SAW』 を彷彿とさせるホラーじみた?スリラーじみた?ものだそうで、ちっともそっち系の話じゃないのに騙して釣ってる悪質なパターンとの事。
まぁ、エレベーターの密室劇って時点で俺もスリラー的なもんを期待してたんだけど、どうにもこうにも酷い作品でした、これ。

前回のレビュー記事で取り上げた 『エレベーター』 って作品も、同じく動かないエレベーターを舞台にした密室劇で散々だったけども、どっちがドラマとして酷いかって意味ではこっちの方が酷い。
一応、この作品はホラーでもスリラーでもなく、括りとしてはヒューマンドラマなんですよ・・・一応ね。
なのに、無理にサスペンス要素を入れ込んでるというか、ベクトルがよく解んない感じになっちゃってる。
いや、オープニングの音楽から嫌な予感はしたんだけども、とにかくこんな説教臭い上に下手クソな作りの映画は観る価値なんぞまるで無し
ホントにね、ビックリするぐらい物語の構成が下手です。

舞台が舞台だけに事件は幾つか起きる訳ですよ、当然。
但し、そのどれもがかなり無理矢理。
閉じ込められる主要人物はたった4人で、主役はゲイでエイズ保菌者でメッセンジャー(バイク便の自転車版)を生業とするエリック。
その次に主要となるのは、妊婦で看護師経験があるんだか無いんだか微妙だけど、とにかく色々とスキルは持ってそうなジェニファー。
んで、もう一人、エリックと敵対する関係になるのが、仕事が風前の灯火状態で詰みかけてる証券マンだかなんかの黒人マイケル。
最後に、トラブルの原因として登場するだけの老女な清掃員、サンドラ。
まずは大地震が起きてエレベーターが止まる訳なんだけど、マイケルは取り引き先との大事な電話中だからってんで外部に緊急連絡しようとしない。
と、サンドラ婆さんが心臓発作でぶっ倒れる・・・というご都合主義展開
焦るエリックとジェニファーを前に、マイケルは相変わらず仕事の電話で必死こいてる最中。
婆さん死にかけてんだから救急に電話させろや!って事で、エリックがブチギレーのの、マイケルは何故か拳銃出しーのの、とにかく険悪ムードを宥めながら婆さんを心配するジェニファー。
まぁ、細かく説明しなくても後は大体想像がつく展開。
サンドラ婆さんは死に、おっさん二人はどつき合いをし、ジェニファーは呆れつつも産気づく・・・という。
結果的にマイケルは拳銃で自殺を図り、エリックはジェニファーの子を取り出して感動なんぞして、無事に救出されるってだけの話。

エリックがゲイのエイズ保菌者ってのは勿論、敵対するマイケルにしても幼少期からの差別に苦しみながら頑張って起業したであるとか、それぞれの抱えたドラマが一応あって、それらが回想的に挿し込まれる事で今現在の言動とリンクさせてるんだけど、どうにも薄っぺら過ぎて説得力が無いんですよ、ちっとも。
ゲイでエイズ持ちだからって、そこまで人の死に過剰反応する訳が無いし、差別の中を頑張った奴が倒産に追い込まれたって、それで即死のうとはなかなか思わないよね、特に閉じ込められたエレベーター内なんかじゃ絶対。
まぁ、そういう無理矢理な展開でアピってるのって、結局 「命は大事」 みたいなベタなもんで、「良い事言うでしょ?」 的な押し付けがましいチープなメッセージ性がね、とにかくクソウザいんですわ。
その程度の解釈と演出で命を語るんじゃねぇよ的なね、そういうイライラがとてもストレス。

さて、この作品がクソなのは大体ご理解頂けると思うんだけども、そもそもタイトルのファイブってなんなのさ?と。
閉じ込められるの4人だし、しかもすぐに婆さんは死んじゃってほぼ3人の話だし。
なんとですね、婆さんが発作で倒れた時に、ジェニファーに指導を受けてエリックが心臓マッサージをするんですよね・・・物凄くウソ丸出しで絶対それじゃ意味ねーよ的な。
その時、バカみたいに1から5まで声出しでカウントしてるんですね・・・ただそれだけなんですよねーw
婆さん死ぬのとか正直どうでもいい事だし・・・ってか、エリックとマイケルが対立する為の事件でしかない訳でさ、そこでの心臓マッサージのカウントをタイトルにするとか、まっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっったく!!意味が解らない!w
適当にも程があるよ、まったくw
あー・・・一応あれだ、マイケルが拳銃撃つとか撃てないとか小競り合いの時にも5カウント数えてたわ。
でも、それはそれでどうでもいいw
そうか、産まれて来る赤ん坊を5人目としてるってのもあるな。

いやはや、単純にクソな映画は五万とあるけど、こういうメッセージ性を薄っぺらく押し付けてくるクソ映画はある意味レアですわ。
人種差別? ゲイ? エイズ? 社会問題を取り上げてメッセージを伝えたいのは解るんだけどもさ、そんなテーマは普通のドラマ仕立てでやれっつー話。
なんでそういうテーマをさ、わざわざエレベーターの狭い空間舞台にしてね、サスペンス風にやる必要があるんだバカヤローと。
メッセージを伝えたいヒューマンドラマにエレベーターは要らねぇもの、ホントに。
そういう風に作ってる事がまず社会問題を軽視してるがな。
って事で、こんな作品は観ないに限りますよ。



カルト
カルト
製作国:2012年 日本
監督:白石晃士
評価: 2点 (10点満点)

和製POVホラー作品の作り手として有名な白石晃士監督によるモキュメンタリーホラー作品。
白石晃士と言えば、『ノロイ』 が評判になった事で有名な監督だけど、いわゆるリアリズムと言うよりは、モキュメンタリーをエンターテイメントとして見せようとしてる人って解釈の方が的確だと思う。
ある種のヘタウマホラー作品を意欲的に作ってる日本人監督はこの人ぐらいじゃないのかなと。

当初は普通にリアリズムを押し出したホラーを作ってたみたいだけど、近年この監督の作品は遊び要素がほぼメインみたいになって来てる。
『戦慄怪奇ファイル コワすぎ!』 のシリーズなんかは、ほん呪ブームで定番になった投稿映像&検証系ホラーを飛躍させて、完全にエンタメ方向に振り切らせた作品として非常に面白い。
んで、この作品もその延長線上にある作風なんだけど、これはもう一つ突き抜けたホラーエンターテイメントに仕上がってる。

真面目に観ちゃダメなやーつ

主要キャストにあびる優、岩佐真悠子、入来茉里という実際の女性タレントを本人役で使ってるもんで、序盤はいわゆるありがちな和製モキュメンタリーのテイスト。
いかにも芝居掛かってて、霊能者含む他の登場人物も無名俳優丸出しのベタな演技で、一言で言えばあからさまにインチキ臭い。
ただ、この作品の場合はそこが狙いでもあり、後半への振りでもあるというのがミソ。

ちょうど半分ほど観たところで登場するのが、三浦涼介演じる超エリート霊能力者・NEO
このNEOの登場によって、物語は一気にホラーアニメよろしくな世界観に突入。
つまり、そこまでのドキュメンタリータッチを踏み台にしつつ、完全にフィクションとして展開するんで、観てる側も割り切れて一切のリアルさを求めなくなる
態度がデカくて横暴で金髪イケメンで超パワフルな若手霊能力者とか、それはもう漫画かアニメか特撮ヒーローにでも出て来る主人公のフォーマットですよ。
そんな絶対的ヒーローが出て来れば、当然ながら敵と対決する展開にもなりまして、善vs悪っていう構図こそがメイン。
もはや怖さだの何だのって細かい事とか関係なくなって、単純にヒーローの活躍を観るビデオになってしまうんですな。
それをホラーという括りにして良いのかどうかって部分はあるにせよ、『スーパー霊媒師・NEO』 ってタイトルじゃ絶対観る気にならないところを、上手い事心霊POVの流れからそっちに持ってったんだからお見事。
ちゃんとバカバカしくもカッコ良く演出してるしね、ドラマとしては充分にアリだと思いますよ、普通にホラーを期待してた人に対しての裏切りではあるけど。

さて、問題はやっぱり、これをホラーと言って良いのかどうかってトコ。
確かにホラー要素は存分にあるし、ベースにあるのはホラーなんだけど、総体的にはどっちかっていうとコメディーとかパロディー寄りになってるし、純粋なヒーロー物でもないから微妙っちゃ微妙。
ストーリーも別に面白い訳じゃないし、あくまで展開と演出の部分でエンターテイメント作品に仕上がってるんだと思う。
まぁ、そんな訳なんで、ホラー作品としての評価点としては低いけど、これはこれで面白いと思った。



7500
7500
原題:Flug 7500 -Sie sind nicht allein-
製作国:2014年 アメリカ
監督:清水崇
評価: 4点 (10点満点)

『呪怨』 でお馴染み、清水崇監督によるハリウッド製ホラー作品。
二年前に公開予定だったところが、紆余曲折してつい最近ようやく全米公開された・・・という曰くつき (単に大人の事情ってやつだろうけど) なこの映画、日本人監督による正統派ホラーをハリウッドで作って貰えたという事にまず拍手。
別にハリウッドが偉い訳じゃないけど (特に近年のハリウッド作品のクソ振りは酷いし)、日本人の入り込む余地すら無かったハリウッドに捻じ込んでっただけでも大したもんです。
もっとも、ハリウッド映画の落ち込み振りが酷すぎて、向こうの関係者も背に腹は代えられずで門戸を開いただけなんだろうけど。

こないだ公開の海外作品を何故海外に居る訳でもない俺がフツーに観られちゃうのか不思議なところではありますが・・・とにかく、清水崇のハリウッドホラー作品、しかも邦画リメイクじゃないオリジナル作品って事で、それなりに期待値は上がっちゃいました。
まぁ、過度に期待しなかったのはやっぱり大正解ではありましたがw

物語の舞台は、LA発東京行きのV-パシフィック7500便という旅客機内。
いわゆる航空パニックミステリーという括りになるんだけど、そこにホラー要素が入って清水崇らしさを主張してる。
中盤まではほぼ主要な搭乗者達の紹介的なもんなんだけど、その途中で乗客の一人、ランスという怪しい男が喘息の発作的な事で唐突に死ぬ事件が起きます。
が、それ自体は現実にも有り得る様な事なんで、それほど大騒ぎにはならず物語は進み、いよいよ中盤になって物語の核となる事件発生。
とは言え、それも酷い乱気流による不安定飛行として片付いちゃうんですが、その後から乗客達がそれぞれに違和感を覚え始め、そしてついに、乗客の一人が行方不明になっちゃう訳です。
外に逃げ様がない飛行機内での失踪はさすがに大事件なんで、乗務員達はその捜索でバタバタ。
そんな折、「なんかおかしくね?」 と感じ始めた乗客数名が同調し、「さっきのあの男が死んだせいなんじゃねぇの?」 という無茶な結論になってしまう訳です。
という事で、死んだランスの手荷物を勝手に調べ始めると、髪の毛のサンプルとか妙な薬とかが出て来ていよいよ怪しい展開。
んで結局、荷物調査は意外とあっさり止められちゃうんだけど、ランスが持ってたもう一つの荷物、アンティーク風の鍵付き木箱をこじ開けてみると、そこにはなんと・・・シニガミと書かれた少女人形が。
シニガミ・・・片仮名にしちゃうとちっとも怖くないね、うん。

想定外のパニックが起きなきゃダメよね

さて、結果的にこの作品は夢オチ的な結末で (夢オチではないけど)、物語としてはしょーもないんだけど、見せ方という点においては清水崇らしい和のホラー要素を結構活かしてると思う。
もっとも、それがどれだけ外人に通じるか解んないし、それを活かしたところで話自体が面白くなってる訳ではないんだけどもね。
ただ、日本人が観る上では、非常に日本っぽい怖さの演出をしてるなーってのは解るはず。

総体的にはホントに大した話じゃなくて、出来損ないのスティーヴン・キング作品みたいな感じ。
やりたい事は解るけど、今時その程度のネタはジャブぐらいのパンチ力ですよ?・・・みたいな。
恐らく、清水崇はもっと人形の存在に重きを置きたかったんじゃないのかなぁと。
つまり、全ての元凶は呪われたシニガミ人形で、「ランスの死も、飛行機の件も、全部ひっくるめて呪いなんだよ」 という話にまとめたかったんじゃないかって気がする。
じゃないと、人形をわざわざ出した意味とか無くなっちゃうし、そもそも単なる運の悪い航空機事故の話になっちゃうんで。
あくまでホラーとして作ろうとしたけど、色んな断れない注文を引き受けた結果が中途半端になったんだよね、多分。
まぁ、飛んでる飛行機内って狭すぎる舞台設定がそもそもハードル高すぎだし、そこで試行錯誤してここまで和ホラー要素を入れ込んだのは、むしろ褒めるべきなのかも。
いずれにしても物語として中途半端でしょぼいんで、総体的な評価もおのずと低め。
健闘は認めるけど、やっぱりハリウッドは余所者に自由な映画作りなんかさせてくれないんだなと・・・そんな感じ。



THE 4TH KIND フォース・カインド
THE 4TH KIND フォース・カインド
原題:THE FOURTH KIND
製作国:2009年 アメリカ
監督:オラトゥンデ・オスンサンミ
評価: 4点 (10点満点)

オカルトをテーマに、実際の素材と再現ドラマの組み合わせという構成で仕上げたモキュメンタリーホラー作品。
一言で解説するの難しい作品なんだけど、要するに海外の再現ドラマ風ドキュメンタリー・・・に仕上げたフェイクドキュメンタリーですな。
映画だから当然と言えば当然なんだけど、この作品の全部が作り物です。
いや、何故そんな当たり前の事にわざわざ触れるのかと言えば、実にね、リアルに作られてるんですよ、これ。
表立って取り上げてるのがUFOとか宇宙人なんで、テーマ的に端からバカにしたがる人も多いだろうけど、作品としての仕上がり自体はとても良く出来てるんですよね、ホントに実話なんじゃないかって思わせるぐらい。
まぁ、アメリカのドキュメンタリー番組なんかは昔から (構成的に) ちゃんと作ってるし、手法としてはお手の物って感じなのかも。
ってか、単純に日本人がド下手なだけって言い方もあるけどw

カメラ割りが特殊

さて、この作品は通常の映画と少しばかり違う構成になってて、オープニングには主演であるミラ・ジョボヴィッチが本人として登場します。
んで、ストーリーテラー風にどういった作品なのかを説明してから本編がスタート。
前述の通り、これはドキュメンタリーとして仕上げてる作風で、実際の映像や音声とされるものとか、主役となるタイラー博士本人もインタビューに受け答えする形で登場します。
そのタイラー博士役を再現ドラマの方で演じるのがミラジョボって事なんだけど・・・文章だと解り辛いよねぇ、こういうのw
とにかく、作品としては基本的にドキュメンタリー映画という体で作られてるので、実際の映像やら実際の音声がやたらと出て来る訳なんだけども、この作品においての 「実際」 は、二重底フィクションの一段目に過ぎないって事。
「作り話を元に再現ドラマを作ったらこうなります」 って事なんですよ、要は。

んで、物語的にどういう話なのかと言うと、舞台はアラスカ州のノームという自然豊かな町。
そこに住む心理学者のタイラー博士は、二年前に隣で眠る夫が刺殺されたという過去のある女性。
2000年10月、ノームの住民のカウンセリングを行っていた博士は、複数の住民が不眠症と謎のフクロウを目撃しているという共通項に気付き、退行催眠による独自調査を開始。
しかし、患者の一人が退行催眠中に錯乱し、翌日には自宅で拳銃による一家心中を強行する事態に立ち会ってしまう。
警察からは催眠自体が心中事件の引き金になったのではと疑われるも、その後も同様の症状を訴える患者のカウンセリングを行い、ノームで起きている一連の不眠症やフクロウ目撃例は、地球外生命体による仕業なのではないかと博士は疑いを強める。
そして、患者達と同様、博士自身も何者かに拉致されていた事が録音テープによって証明され、いよいよ地球外生命体による犯行説は濃厚となる。
・・・という訳で、タイトルのフォース・カインドが 「第四種接近遭遇」 という宇宙人とのコンタクトの度合いを表すものである様に、この作品は宇宙人は昔から人類に接触し、多大な影響を与えているんだという意図を示す作風になってる。
しかしながら、それは恐らく表向きのテーマであって、本当のところはもう一歩踏み込んだオカルト作品なんだろうと解釈が出来る。

あらすじでは触れなかった事だけど、タイラー博士には男女二人の子供が居て、夫が死亡した事件の直後から、娘のアシュリーが突然失明し、最終的には失踪までしちゃうんですな。
そのクセ、息子の方には何一つ影響が無く、他の大人達同様、原因は母親であるタイラー博士にあると信じ込んでたりする訳ですよ、これ。
さぁ、ここで違和感を覚えない人はちょっと注意力が足りない。
だって、娘にだけ生活困難になる様な影響が出て、息子には何も無いって変でしょ?
そんでもって、夫が死んだ事と娘の失明とは何の因果関係も見出せない上、宇宙人との関連性も劇中では全然触れられてないんですよ。
いや、タイラー博士が宇宙人に拉致されて色々されてた線は濃厚になるんだけど、それを理由として夫や娘の件まで直結してるって考えるのは、人間心理で言うところの 『思い込み』 でしかない訳ですよ。
しかも、終盤では夫の死亡原因が拳銃自殺と判明してる訳で、そうなるといよいよ娘の失明には繋がらなくなる。
そして、やはり終盤の方のタイラー博士本人のインタビューにおいて、博士は実に意味深で気になる発言をわりとサラッとしてるんですねぇ。

「私の体験がいくら辛いものでも、実際に起きた事を信じるしかないんだって事。 (中略) あれは・・・あれは絶対に神なんかじゃない。 けど、神だと名乗る事は出来るでしょう。」

これです、この作品で恐らく一番重要であろうセリフは。
「神なとでは絶対にあり得ないが、神だと名乗る事は出来る」 というのは、実は近年のオカルト・・・特に悪魔にまつわる話でよく耳にする話でもあるんですよ。
エクソシズムに代表される、いわゆる 『悪魔憑き』 に関して俺は極めて否定的なんだけども、近年の異常犯罪の犯行理由で 「頭の中で殺せと言われた」 みたいな話が出て来ると、少しばかりギョッとしてしまう部分があって・・・と言うのも、それを単純に 『異常者の妄想』 と片付けてしまうのは非常に簡単で合理的だけど、果たして本当にそれだけで片付けてしまって良いものなのかどうか・・・という点でいつも引っ掛かるんですな。
いや、確かに異常犯罪を犯す人物は少なからず異常性が認められるだろうし、妄想や幻聴の症例が多い心疾患や脳機能障害もあるけども、「異常だから異常者」 っていう極めて安直な方程式に全てを当て嵌めるっていうのは、むしろ非科学的で合理性のみを追求した結果に思えてしまう訳ですよ、ちょっと小難しい話になっちゃうけども。
例えば、もしも本当に悪魔みたいな見えない何者かが存在していて、それが時に人を操ってるとしたら、その結果が異常犯罪の一つになっているとしたら、これは極めて恐ろしい事ですよね。
で、その悪魔的な何者かが、操っている人物に対して 「私は神だ」 と名乗っているとしたら、神だと信じさせる事でコントロールし易くしているんだとしたら・・・と考えてみて下さいよ。
そうなるとですね、「果たして宗教とはなんぞや」 とか、「神とはなんぞや」 っていう話になって来ちゃう訳なんですよ。
実に信心深く、素直に熱心に神を信じて祈りを捧げたり手を合わせたりしていても、その神というのが 『自称・神』 でしかない可能性を誰一人として否定出来ない事実がある訳です。
つまり、神が偶像でしかない以上、それぞれが信じる対象は全て神であると言えるし、それが悪魔である可能性だって大いにあるって事。
だからこそ俺は宗教なんぞ一つ残らずクソだと言い切っちゃってたりするんだけど、別に信じたい人は勝手に信じれば良いとも思ってますよ、食べ物の好き嫌いと大差無い事だと思うし。
但し、やっぱり前述した 「(悪魔であっても) 神だと名乗る事は出来る」 という事は非常に重要な注意点だと思うし、その証明が誰にも不可能である以上、神も悪魔も同類だと捉えるのが正解だろうなと見てます・・・ってか、これはもはや作品のレビューから脱線してるけどw

さてさて、とにかくこの作品における表のテーマは 『宇宙人』 だけど、実は単純に宇宙人どうのを扱ったものじゃなく、『悪魔と宇宙人の関連性』 を取り上げた作品なんだと俺は解釈してます。
まぁ、ほぼ全部のレビューが 「ただのでっち上げ宇宙人話」 って解釈してるみたいだけど、あえてそっちだけに目を向けさせる作りになってるんで無理もないのかなと。
でもホントはそれだけじゃないよって事に気付くと、この作品はもう少し深みが出て面白いと思われます。

めっさ怖い顔

ちなみに、俺はとにかくタイラー博士本人役の女優さん (シャーロット・ミルチャードという方だそうな) がビジュアル的に怖くて怖くてw
多分CGやら照明効果で過剰に気味悪く演出してるんだろうけど、インパクトでは劇中のどのシーンよりもあの顔がずっと怖かったw
あれで白目でも剥かれてたら、マジで最恐のホラー映画として挙げてたと思うw



スクリーム
スクリーム
原題:Scream
製作国:1996年 アメリカ
監督:ウェス・クレイヴン
評価: 8点 (10点満点)

ホラー映画そのものをテーマに取り上げる事によって、セオリーを打ち破った画期的ホラー作品。
このシリーズ作品も何度観た事か。
比較的気軽に観られるスプラッタ系ホラーで、コメディー要素やパロディー要素も豊富なんで、ホラーながらも存分に笑いどころがある。

ウェス・クレイヴン監督作品と言えば、『エルム街の悪夢』 『ゾンビ伝説』 が有名。
今やホラーヒーローとなったフレディ・クルーガーを生み出した張本人が、いかにホラー愛のある人物かってのがこの作品でよく解る。

物語の舞台は、アメリカの田舎町ウッズボロー。
とある女子高生とその彼氏が、自宅で留守番中に惨殺される事件が起きる。
ちょうど一年前に母親を惨殺された過去を持つ女子高生・シドニーは、同級生の殺害事件に動揺していた。
すると、シドニーの元に不審な電話が掛かり、ハロウィングッズで仮装した殺人鬼に襲われてしまう。
間一髪で難を逃れたシドニーだったが、その後も執拗に殺人鬼の脅迫は続き、次々と犠牲者は増えて行く・・・というお話。

さて、この作品はとにかくホラー映画がテーマという事で、ホラー映画のセオリーが詰まってます。
ホラー映画自体をテーマに選ぶってのはかなり巧みな手法で、手の内を明かしながらトリックにハメる的な手品師の様な見せ方は秀逸。
又、「ホラー映画だったらこうなる」 というネタ振りが、笑いにも怖さにも上手く活かされてるのも実に素晴らしい。

清掃員のフレディさんは素晴らしい出オチネタ

物語としては基本的にベタで、展開が読めるだけにホラーとしての怖さはそれほど無いんだけど、その見せ方や演出の上手さはホラー映画ファンなら拍手モノ。
それから、クレイヴン作品だけに、フレディというホラーアイコンを上手く使った笑いどころもしっかりあって、その辺りのユーモアも非常に気持ち良い。
ホラーに必須な 『緊張と緩和』 というのは、実は笑いにも共通している事で、その共通点を有効に、やや極端に演出する事で、総体的に怖楽しい作品になっている。

ホラー演出に関しても、怖い部分は充分にハラハラやドキドキを生み出してるし、露骨ではないにしても、スプラッタ描写も最低限のツボはしっかり押さえてると思う。
なんというか、ホラー映画全体へのオマージュ的な意味合いが強い作品なんで、あえてB級感を出させている部分が結構あって、それを単純にチープさと捉えられてしまうと台無しではある。

個人的にこのシリーズ作品で一番好きなのは、殺人鬼がモンスターではなく人間だという点と、人間だけにヒロインからの反撃をまともに食らうと痛い思いをするっていう点。
その辺りのドタバタコメディー感がたまらない。



スクリーム2
スクリーム2
原題:Scream 2
製作国:1997年 アメリカ
監督:ウェス・クレイヴン
評価: 6点 (10点満点)

前作から二年後、大学生になった主人公シドニーを、再びハロウィングッズの仮装殺人鬼が襲うホラー作品。
前作同様、ホラー映画全体へのオーマジュ作品として仕上がってるものの、前作よりは大人しめというか、笑いどころが少なく、純粋にホラー作品としての印象が強い。

続編という事で前作の生き残り組がほぼ全員登場していて、シリーズ作品としては解り易い。
前作の物語が生き残りであるゲイルの手により小説化され、ついに映画化もされたという設定がまず面白い。
その辺りの設定がさほどメインストーリーには活かされてないものの、映画の楽しみ方や大学サークル等、アメリカの若者文化は解り易く描かれてると思う。
ただ、やっぱり前作で秀逸だった緊張と緩和の要素が少なく、ストーリーやキャラクター重視になってしまったが故、奔放な魅力は激減してる。

まともに観る気無い奴らばっかの試写会ってどうよ

物語としてはオチがなかなか上手にまとまっている印象だったけど、犯人の目星が配役の顔つきで大体解ってしまうというのは良いのか悪いのか。
個人的に好きなドタバタコメディー要素は今回もちゃんとあって、なんだかんだ犯人も多少の怪我をしてる辺りは地味に面白い。
まぁ、続編が尻つぼみという点で言えば、劇中でホラー映画マニアのランディが指摘していた通り、この作品も例外じゃないという皮肉なお話。



ザ・ホード -死霊の大群-
ザ・ホード -死霊の大群-
原題:La Horde
製作国:2010年 フランス
監督:ヤニック・ダアン/バンジャマン・ロシェ
評価: 2点 (10点満点)

クライムサスペンスのムード漂うフレンチゾンビ作品。
言わずもがな、ゾンビモノだけに評価は厳しめな訳ですが、この作品の場合はフレンチホラーとしてゾンビが珍しいという付加価値があるだけで、ゾンビモノとして全然ダメです。

物語の舞台は、フランスのパリ。
同僚をギャングに殺された警官達は、私的な復讐を果たそうとギャングのアジトとなる郊外の廃墟じみたアパートへ侵入するものの、寸でのところで返り討ちに遭い、全員が捕まってしまう。
絶体絶命の危機となった時、隣室で射殺されたばかりの男が突然蘇り、ギャングを次々と襲い始める。
そして、廊下で射殺されたはずの管理人も同様に蘇り、ギャングを襲う。
事態が飲み込めずにその場を逃げ出す警官&ギャング達。
なんとか屋上へと逃げ延びた一行だったが、パリの街はあちこちで火の手が上がり、どうやら国家レベルの何かが起きていると知るのだった・・・というお話。

さて、フランスのゾンビモノが一体どんな感じになってるのかと多少期待してたんだけど、総体的には中途半端でした。
ってか、序盤はゾンビ映画のムードすら皆無で、フランス独特の陰気なバイオレンスドラマな感じ。
ギャングとか警官の私的制裁とか、日本人のイメージするフランスとは印象が違うと思うんだけど、わりとフランスってジメジメした感じのバイオレンス作品って好きなんだよね。
んで、個人的には嫌いなんですよ、フランスのその手のドラマとかって、陰気過ぎて。
そもそも、フランスって銃犯罪とか銃器保有率がかなり少ない国なのに、この作品だと簡単に手に入っちゃうんで、恐らく本国の人が観てもリアリティは低いんだろうなと。

フレンチゾンビは無駄ばかり

そう、この作品の一番ダメな点は、多分そのリアリティの低さだと思うんだな。
警官が私的にギャングを殺しに行くってのはまだ許せるとしても、そんな事をしようってわりに計画性は低すぎるし、段取りもお手並みも悪すぎる。
だからこそ、前半の刑事ドラマな部分が全く無駄な尺になっちゃってる。
どうせ唐突なゾンビパニックになるんだったら、警官達がアジトに潜入してからじゃなく、潜入しようとしたらゾンビが湧いて来て、仕方無くギャングと結託したって展開の方が物語として無理なかったんじゃないのかなと。

まぁ、これはB級C級のゾンビ作品にありがちな事だけど、まずゾンビってもんをちっとも理解してないってか、設定を全然作り込んでないんだよね。
この作品のゾンビもいわゆる全力疾走系の走るゾンビだけど、どういう理屈でゾンビ化するのかって設定は最初から考えてないのが見え見え。
撃ち殺された奴がすぐゾンビ化してるのに、噛まれただけだとへっちゃらで動けてるのはおかしな話だし、郊外のボロアパートが建ってる様な場所に物凄い数のゾンビが集まってるのも道理が通らない。
劇中で一番イライラするのは、頭を攻撃しないと無意味だってとっくに理解してるはずなのに、登場人物がどいつもこいつもゾンビの頭を真っ先に狙わない事。
脱出すら難しい状況で、武器の数が知れてるのにも関わらず、とにかく無駄弾を使いまくってるのは映画とはいえバカ過ぎ
大体、警官とかギャングだったら、そういう危機回避能力に一番長けてないとダメな訳ですよ。
急所狙わないわ大声出しまくるわ、全く以って現実味ってもんが無い。
結局、監督が撮りたかったのはホラーでもゾンビモノでもなく、バイオレンスアクションなんですよ、これ。
だから全部が中途半端にしかなってない訳。

公開当時は 「史上最多のゾンビ数」 みたいな触れ込みがあったけど、頭数だけ揃えりゃ良いと思ってる時点でアウトですな、案の定。
まぁ、この作品だけで結論付けてしまうのもどうかとは思うけど、フランスはゾンビ映画に向いてないよね、日本以上に。
きっと、リュック・ベッソンが命懸けで作ったって駄作にしかならないと思うw
そんな訳で、とにかくフランスのゾンビ映画を観てみたいって人ぐらいにしかこれはオススメしない。
んで、これが面白いって本気で言える人は、スプラッタしか観てない様な偏った人だとか、逆にホラーとかゾンビ映画を全然解ってないで暴力的なのが好みなタイプの人だったりすると思うんで、そういう人には気をつけましょう。