久々に猫記事。
今回はウチで飼ってた子じゃなく、会社で飼ってた子。
去年まで働いてた会社は造園とか設備関係を主にしてた会社だったんですが、某団地の内装関係とか清掃業務も下請けとしてやってまして、俺は親父が現場監督をしてるその団地の方で働いてました。
元々はゴミ集積場の管理室だった部屋を営業所として使ってまして、それはもう小汚い場所だったんですが、それだけに神経質に使わずに済むって利点もありました。
団地は当然ながらペット禁止だったんですが、古いせいもあって実情は犬猫を飼ってる家も多く、元請けの方も「ペット禁止」の看板こそ立てつつも、実際は黙認してる様な形だったんですね。
で、そんな状況なんで野良猫なんかも結構多く、ウチの事務所周辺にも野良猫が何匹か居た訳です。
そんな中に初代のミーコが居ました。
ブチ猫で、なかなかふてぶてしい面持ちのオスだったんですが、ウチはみんなして猫好きなもんで、親父が餌付けしてる内に半飼い猫みたいになって事務所に居ついたんですね。
名前は親父が勝手に名付けたもんで、物凄くベタなのは適当に呼んでたせいですw
その初代ミーコは何年かした後、具合悪くなったまま失踪。
恐らく、どっか人目の無い場所に行って死んだんだと思います。
あるいは、他に餌をくれる人の家の辺りで死んだか・・・。
いずれにしても、失踪する頃の様子からしてお迎えは近かっただろうなと。
それからしばらく後、その初代ミーコと少しだけ一緒に行動してた子猫が居付く様になりました。
例の如く、その子も親父が餌付けして懐かせたパターン。
その子はメスの三毛猫で、名前はやっぱり親父によってミーコと名付けられ、最初こそ野良らしく警戒心バリバリだったものの、一年ほどですっかり人慣れし、メスだけに初代以上に事務所に居座ってました。

二代目ミーコ
この二代目ミーコ、元野良だけに狩りは得意で、鳩やらネズミやらとよくお土産に持って来てくれたもんです。
まぁ、その度に事務員は無駄に大騒ぎするし、後始末もする事になったんで大変だったんですがね。

ミーコは物凄く頭の良い子でした。
ウチは俺がガキの頃からずっと猫が居て、かなりの数の猫を飼ってきたんだけども、このミーコほど賢い子は他に思い当たらない、それぐらいズバ抜けて頭の良い子だったんです。
賢く美人・・・いわゆる、才色兼備な子でした。

ミーコを見てて俺的に一番面白かったのは、物凄く女を感じさせる部分。
いや、別に見てて欲情したとかじゃないですよw
そうじゃなく、いわゆる「女」な様子が顕著に見られて、それが猫だけに本能的なものなんだと思って、妙に面白かったんです。
いや、「興味深かった」って言い方の方が正解ですかね。
ミーコは俺にも懐いてたけど、親父には特にべったりで、それこそ愛人みたいな風格すら漂ってましたw
親父は役職的に現場監督で、営業所では一応トップの立場だったんですが、ウチの会社は色々とおかしなトコがありまして、管理職なのに現場での実務が必至だったんです。
だから、親父も事務所のデスクに張り付いてる事ってほとんど無く、現場から戻るとまた現場みたいな感じでした。
ミーコはそれが気に食わないんですよ。
ずっと座って自分の傍に居ろって言いたげなオーラを出しまくりなんです。
親父が現場に出ると、ミーコは明らかに文句を言ってる声でしばらく鳴き続け、不満げに事務所の外へ。
どこに行ったのかと思うと、親父が戻ったらすぐ解る場所に移動して張り込みしてるんですw
で、親父が戻ると「待ってたわよ~」って感じに鳴きつつ、親父のすぐ後をくっ付いて再び事務所内へ。
親父のデスクの上に飛び乗って、これでもかってぐらい擦り付いたり撫でろって鳴いたりするんですね。
まぁ、メス猫らしい可愛さなんですが。
で、終業時間になると親父も基本的に現場には出ない訳で、今度は事務仕事をある程度こなすんです。
その間、ミーコは親父のすぐ傍で居眠り。
ミーコにしたら、やっと落ち着いて寝てられるって感じだったんでしょうな。
でも、さすがに事務所にずっと居る訳にもいかないんで、しばらくすると帰宅時間になる訳です。
俺が休みの日は親父もミーコに気を遣って遅くまで帰宅しない事が多かったんですが、俺が一緒だとそうはいかない。
俺は現場も事務もやらされてクタクタのフラフラでしたから、いくらミーコが可愛くても、出来るだけ早く帰って休みたかったんです。
本来は他の連中と同様に17時で帰っても構わなかったんですが、会社から家まで電車で帰ると変な大回りになって結構な時間が掛かるんですね。
だから、親父が仕事を片付けるのを待って、車で一緒に帰った方がよっぽど効率は良かったんです。
まぁ、実際は事務員がほとんど嫌がらせ的に帰らせてくれなかったりして効率悪かったんですが、俺は俺で17時過ぎるとスイッチが切れたみたいに脱力感で動けなかったもんで、ある程度遅くなっても車で寝てたりした方が楽ではあったんです。
さて帰宅となって、荷物やらを車に運ぶ頃になると、そこからミーコの不機嫌タイムが始まります。
大体は親父のデスクで寝てたりしてるんですが、帰る頃になるとあからさまに不満な顔のミーコ。
怖い目になって、耳だけで親父の行動を窺ってるんです。
そうなると、普段は呼べばちゃんと返事するのに、もう返事どころか視線もくれないw
「なによ・・・どうせ私置いて帰るんでしょ!」と言いたげなオーラw
あれだけべったりな親父に対してもそんな感じになって、かな~り冷やかな態度に。
当初は野良だけに帰宅時は事務所からミーコを出してたんだけども、怪我とか病気を貰ったりしてからは親父も過保護になって、安全な事務所内にミーコを残して帰る様にしてたんですね。
勿論、一応は猫用の出入り口を確保してはあったけど、ミーコも寝る時なんかは事務所に戻って寝てたりしたんで、確かに安心出来る場所ではあったんでしょうな。
だから、いつも帰りはミーコを一度出して、トイレを済ませて戻った段階で帰宅ってパターンだったんです。
ところが、ミーコはその事をいつの頃からか理解したんですね。
帰り支度が終わると、当然の様にミーコは外に出てトイレを済ませに行くんですが、それからなかなか戻らなくなったんです。
最初は長くても10分程度で戻ってたのに、最終的には小一時間ほど戻らない事もしばしば。
猫だから気まぐれにどっか遊びに行ったのかと思うとそうじゃなく、しっかり事務所の近くまで戻っては来てるんです。
ただ、事務所内に戻ると俺らが帰っちゃうのを解ってて、あえて戻らずに近場から観察してるんですw
実際、すぐ隣の駐車場だとか駐輪場の辺りに居たりしたんだけど、その時ばかりは俺が呼ぼうと親父が呼ぼうと絶対に戻ってくれない。
「戻ったら帰る気でしょ、フンッ!」ってなもんですw
なんか、まさしく女性心理な感じで面白くはあったんだけど、疲れまくってたんで勘弁して欲しいところでもありました。
結局、ミーコが諦めて戻るまで待って、それから帰宅。
だから、大体は19時過ぎにならないと帰れなかったんです。
まぁ、そのパターンが増えた頃からは、短気な親父もミーコを待ってられずに俺を連れて一旦帰宅し、それから改めて事務所まで戻ってたりしましたがね。
まぁとにかく、ミーコは頭が良くて、物凄く女らしさのある子でした。