コタロー&チビタ | weblog -α-

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なんとな~く  思いつきで  好き勝手に  (=゚ρ゚=) ボヘー  っとやってます。


前回は『ブライト』と『ミー』について書いたんで、今回はその後でウチに来た二人の子の事をば。


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左:コタロー   右:チビタ

仲良く寝てる二人、コタローとチビタ、両方ともオスです。
この写真の頃は仲良しだったんですが・・・。


前回の続きみたいになりますが、ブライトが家出し、ミーが死んで、タイガーだけが残ったんですが、そのタイガーも引っ越し後に自力で元の家に戻ってしまい、引っ越し後の家には猫が居ない状態になりました。
けど、そんな猫の居ない日々はそう長く続かず、少しして親父が新たな猫を貰って来たんです。
その子がコタロー。

コタローは少し変わった子だったんですが、それは子猫時代の環境のせいだったみたいなんです。
というのも、コタローには兄弟猫が何匹か居て、見た目的にほとんど同じ柄の子が一匹居たらしいんです。
で、元々の飼い主さんってのが、どうやらコタローとその子をよく間違えてたらしいんですね。
つまり、悪さをしたのが似てる子の方でも、勘違いしてコタローを叱ってたり、エサを食べたのが似た子の方なのに、コタローが食べたもんだと思って当のコタローには結果的に食べさせてなかったり・・・と。
勿論そこに悪意はなかったんでしょうし、子猫も似た子は区別がつけ辛いんで仕方無い部分もあるんですが、そういう事も影響してコタローは少しひねくれて育ったみたいなんです。
とは言っても、特に問題があるって事じゃなく、愛情を求める姿勢が地味で不器用だったって感じなんですが。

コタローが来てから少しして、また親父が子猫を貰って来ました。
それがチビタ。
ウチに来た頃のチビタはまだホントに小さい子猫で、コタローも興味津々でチビタの様子を伺いつつ、すぐに兄弟みたく仲良くなったんです。

上の写真の頃、コタローはもうすっかり大人になり、発情期には例の鳴き声を響かせてメス探しの旅に出る様になってました。
チビタの方は身体こそ成長してきたものの、発情にはまだ早く、少し大きな子猫といった感じ。
だから二人は基本的に仲良く遊び、仲良く寝て、仲良くエサを食べてました。
ところが、ある日を境にその兄弟の様な関係は崩れ去りました・・・俺の目の前で。

当時、二人のエサ場はリビングの入り口付近にあり、一人が食べてる間はもう一人がすぐ隣の階段辺りから順番待ちをしてる様な感じでした。
その日も二人にエサをやる為、俺は缶詰を開けてまずはコタローに食わせてやったんです。
コタローは黙々と平らげると、舌なめずりをしながら階段の下辺りまで移動。
当然、次はチビタの番なので、エサ入れに残り半分の缶詰を出してやり、チビタに促しました。
そしてチビタも食べ始め、俺はそのすぐ後ろにしゃがみ込んで様子を見てたんです。
すると、もうエサを済ませたはずのコタローがジーーーっとチビタの様子を見てる。
それも、なんとなく眺めてる様子の目ではなく、なんだか不機嫌そうな表情で。
俺が「あれ・・・?」と思った瞬間、突然コタローが食事中で無防備なチビタに襲い掛かったんです。
俺も驚きましたが、一番驚いてたのはチビタ本人。
そこらの野良猫ならともかく、一番仲良くしてたはずのコタローに手加減無しの攻撃をされた訳ですから、それはもうとんでもない動揺振り。
気が動転して飛び上がったチビタの前で俺は壁になり、コタローを捕まえて叱りつけました・・・が、それはもう「コタローがチビタをオスとして意識した」って事だと解ったんで、とりあえずはコタローを親父の部屋に追い立て、それからチビタを連れて二階の俺の部屋へ避難させました。
で、親父が仕事から帰ると、その事を報告。
その日以来、コタローとチビタは以前の様に遊ぶ事はなくなり、同じ屋根の下に住む敵同士の関係に。

その後、暗黙的にコタローの担当は親父、チビタの担当は俺という形で面倒を見る事になり、ケンカはそれほど頻繁にしなくはなったんですが、やっぱりコタローはチビタが気に入らないらしく、いちいち不意打ちなんかで攻撃はしてました。
どちらもオスで、去勢もしてない以上は避けられない争いではあったんですが、実際のところ、チビタは発情期になってもまだちゃんと発情してなかったんです。
つまり、チビタにしてみれば、なんでコタローに攻撃されるのかが解ってない状況。
それがあったんで、俺はチビタが可哀想に思い、遊びだけはかなり付き合ってやってました。

当時の家は、すぐ隣から向こうが一面の畑で、その中を細い農道が通ってたんです。
俺はチビタを連れ出すと、その農道をゆっくりと歩きながらチビタを誘導し、少し先にある原っぱで行って、猫じゃらしなんかを使って存分に遊んでやってました。
チビタが満足する程度まで遊んでやると、再び農道を歩いてチビタと帰路へ。
そこらはチビタも賢かったのか、俺の傍を離れずにしっかりと歩いてたんで犬の散歩みたいになってましたね。

ところが、帰り道になると、必ずってほどコタローが畑に潜んでチビタを待ち伏せしてるんですw
ネギ畑だったんで盛り土の間が絶好の隠れ場所になってたんですね。
俺と遊んでゴキゲンのチビタが小走りで農道を家に向かってると、盛り土の間から猛ダッシュで飛び出してきたコタローがチビタを急襲w
チビタにしてみればいい迷惑だったんだろうけど、俺はその光景がちょっと面白かったのと、コタローの嫉妬心が可愛くて地味にウケてましたw

その後もチビタと原っぱまで行くと、帰りには必ずコタローが待ち伏せしてたもんで、俺はチビタを連れ出しつつもコタローがどの辺りから様子を見てるのかを気にして見てたんです。
そうすると、畑の向こう側の細いスペースを先回りして走るコタローが見えたりw、少し先の盛り土の所からチラ見してタイミングを窺ってる姿が見えたりw、なんとも憎めないコタローの様子が可笑しくて可愛くて、原っぱの帰りにはコタロー用の猫じゃらしを持って帰って来る様にして、家に戻ってからコタローともある程度は遊んでやる様にしてました。

コタローとチビタの関係はその後も相変わらずのままでしたが、面白い事に寒い日なんかには二人して同じ布団の上で寝てたりはするんです。
親父の布団の股の部分で、コタローもチビタも少しだけ距離を置いて熟睡とかw
結局、本能的な部分ではオス同士の敵対心があるものの、その傍らには兄弟の様に仲良く育った愛情みたいなものもあるのかな~・・・と、そんな風に思いながら二人の寝姿を見てました。


それから数年後、親父がガンになり、手術する事になりました。
その時はまだ地元に住んでたんですが、親父は自衛隊を退職してから入った会社で、隣の市にある営業所に通ってたんです。
通勤時間としてはそれほど極端に長くは掛からなかったし、距離的にもそうやたらと遠くはなかったものの、術後の事を考えると不安があるという事で、ウチは隣の市へ引っ越す事に。
当然、コタローとチビタも連れてく事になってたんですが、引っ越し当日は親父がもう入院中だったもんで、二人を同時に連れてくと俺だけでは面倒見切れない部分もあったんです。
そこで、まずは引っ越しを済ませ、二日ぐらいで荷物を少し整理した後、チビタとコタローを一人ずつ連れて来ようって事になりました。

引っ越しが済み、俺一人で最低限の荷物を出した後、いよいよ二人を連れて来る事に。
姉貴の車で前の家まで行くと、コタローは不在でチビタだけが出て来たんですね。
そこでチビタを先にする事にして、新居までダンボール搬送。
新居に着き、チビタを出してやると警戒心全開で探索開始。
とりあえずは気が済むまで放っとく事にして、俺は再び荷物整理。
真夏の暑い時で、エアコンもまだ設置してなかったから汗だくになりながらの作業。
夜には毎日フラフラだったけども、俺しか居ないんで俺がやる以外になく、その上、チビタの事とかも考えなきゃいけなかったんで一杯一杯だったんですよね、多分。
夜も結構な時間になり、その日の片付けもやめたところで、チビタの事が気になった俺。
相変わらずチビタは落ち着かない様子でウロウロし、不安な鳴き声を上げまくり、俺が誰かもよく解ってないほど動転してたんだと思うんですが・・・。

チビタもコタローも外猫として育ったもんで、新居に猫用トイレとかは無かったんです。
とは言え、チビタがいくら落ち着かなくてもトイレと食事だけは最低限済ませる訳で、下手に新居内で大だの小だのされても困るな~と考えたんですよ。
そもそも、掃除道具だって雑巾とホウキぐらいしか出てないし。
それで、何をとち狂ったか、俺はチビタを外に出しちゃったんですね。
当然、その場に俺はずっと居るし、チビタだって見知らぬ場所は怖いから闇雲に遠くまで行く事はないだろうと・・・浅はかな考えで。
チビタは外へ出ると、こっちを伺いながらも暗闇に走り出したんです。
当然ながら慌てて追いかけたものの、それ以後チビタは戻らず。
物凄い後悔と心配をしつつも、チビタを探し回れるだけの土地勘は無いし、現実的に荷物整理は当分続けなければならなかったし、結局のところはチビタが戻らなければ諦める以外に無い状況。
死に別れほど悲しさはないものの、後悔と心配と自己嫌悪はそれ以上のものがあって辛かった。

そしてその翌日だか翌々日、今度はコタローを連れに再び前の家へ。
コタローもチビタ同様にダンボール搬送で新居へ。
やっぱりコタローも当たり前に新居のチェックに時間を掛けてたものの、チビタの様な動揺はほとんど無い様子。
性格もあるんだろうけど、チビタに関しては俺が甘やかし過ぎたせいもあったんじゃないかと更に後悔。
まぁ、コタローはチビタが居なくなった事もあったのか、その後すぐに新居にも慣れ、また外猫としてウロウロもし出したから安心はしたけども。


それから2年か3年ほどして、コタローは急に体調を崩し、しばらくして息を引き取った。
その新居の隣家が猫嫌いだった様で、ウチが引っ越してから庭先にペットボトルをやたらと並べる様になっていた。
なのに、時々エサの入った皿の様な物が置かれていた事があり、親父は絶対にあれは毒を盛ってるんだと言い始めた。
実際はどうだったか知る術もないが、親父はコタローの死の原因はその隣家にあると今でも思ってる。
勿論、俺もそれが事実だとすれば一家もろとも拷問の末に始末するぐらいの事は平気でするが、明確な証拠が無い以上はどうしようも無かったし、何をしても死んだ者は戻って来ないんだから、ただただ、コタローの死を悲しんだ。
コタローの亡骸は、親父の意向で前の家の畑の脇にある林の中に埋葬した。
親父にしてみれば、毒を盛られた様な場所に埋めてやるのは可哀想に思ったんだろう。

コタローの死の原因が隣家による毒殺だったのかどうかは解らないが、明らかに疑わしいのは事実だった。
それを考えると、初日にチビタが逃げ出したのはある意味で良かった事だったのかも知れないとも思う。
勿論、それは迂闊に外に出してしまった俺の逃げでもあるけど、あのままコタローとチビタがあの家に居たとしたら、恐らくはもっと極端に隣家は猫を撃退しようとしてただろう。
それがもしチビタの命を奪っていたとしたら、そんな証拠を俺が掴んでしまったとしたら・・・俺は迷う事なく犯罪者の道を選択していたと思う。
これは自分自身でも恐ろしく感じている部分でもあるけど、俺は最低だと思う人間の命と動物の命を天秤にかけたなら、何の躊躇も無く動物の命を優先する奴だ。
もっと極端に言うなら、人類は地球上から一人残らず死滅するのが一番望ましいとすら思ってる。
だからってテロリストになるつもりもないし、無差別に犯罪をしたいとも思わない。
でもきっと、人類だけが消滅するスイッチでもあったとしたら、俺は今すぐにでもそれを押すと思う。


単純に嫌いなのと殺意を持つのは全く次元の違う話だ。
動物嫌いで殺意を持つ様なタイプは、動物を人類以下の存在だと思っているのがほとんど。
社会的にはペットを殺しても器物破損扱いぐらいにしかならず、そこに命を全く踏まえてない事実がある。
つまり、この現代日本の法ですら、動物を人類以下だと定義している訳だ。
けど、冷静に考えればそういった考え方ほど恐ろしいものはないと誰でも気付くはず。
同種同士で殺し合うのはまだ筋が通るものの、下等だと認識している存在に対して殺意を抱くというのは、単純に殺戮者の発想でしかない。

通り魔や自爆テロ、無差別殺人などをニュースで観るのも珍しくなくなって、世間的には嫌な時代、怖い時代だと言うけど、俺は人が人を攻撃するという事自体はある意味で当然だと思える。
同種間での争いや殺し合いは生物としての道理で、同じ種であるからこその結果だと言えるから。
ところが、食物連鎖的な理由も無く、自分が下等だと認識する存在を攻撃するというのは、道理を外れた行為そのもの。
本来、下等であると認識しているのであれば、危機を感じる事も無いんだからわざわざ攻撃する必然性も無い。
それをあえて攻撃しようとする奴は、相手が動物だろうと人間だろうと関係無く、自分が下等だと認識した存在全てに対して殺意を抱く奴だ。
つまり、動物嫌いで殺意を持つタイプというのは、その時点で非常に危険な殺戮者であるという事。
そんな恐ろしい連中が世の中にはびこり、普通の顔をして町を歩き、子供を育てたり教育をしてたりする。
そんな連中にも人権があるだとか言う法は、動物に命があるという前提すら踏まえていない。
本当に危険な奴らは、日常の中に目立つ事もなく存在し続けているそいつらじゃないか?・・・と俺には思えて仕方無い。