小説『新くすぐりっこ番外編-凛花ちゃんのくすぐり通信簿vol.2』 | くすぐり駄文ブログ

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凛花ちゃんはお部屋の中で翔太くんと琴美ちゃんを待っていました。




翔太くんと琴美ちゃんは、『こちょこちょごっこ』の準備をしてくると言って部屋を出たまま、しばらく戻ってきませんでした。

1階からは二人の楽しそうな声が聞こえてきます。

どんな準備をしているのかは分かりませんでしたが、とにかく楽しそうに何かをやっているのは良く分かりました。



凛花
(…それにしても、仲の良い兄弟だなぁ。)



凛花ちゃんはそう思いながら、ふと、自分のお姉ちゃんの事を思い出しました。






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凛花ちゃんには『智花(トモカ)』という二歳年上のお姉ちゃんがいました。



凛花ちゃんと智花ちゃんは姉妹なのに顔も性格も似ていませんでした。

身長だって、凛花ちゃんは昔からクラスで一番小さいのに、智花ちゃんはクラスの中でも大きめでした。

普通、兄弟と言えば下の方が将来的には背が高くなると聞いたことがあります。

なのに凛花ちゃんが高校三年生になった今でも、凛花ちゃんはちっさいままで、一方の智花ちゃんは高身長、しかもスタイルまで抜群。

…なんでウチだけ逆なんだろうと凛花ちゃんは不満に思っていました。



そして、他にも似てないところがありました。

それは、くすぐりの弱さです。



凛花ちゃんは、同じ高校に通っているくすぐり好きの同級生からくすぐられたことがきっかけでくすぐりに弱くなりました。

つまり、それまではくすぐりに強かったのですが、実はもっともっと昔の小さい頃は、普通にくすぐりに弱かったのです。


しかし、お姉ちゃんの智花ちゃんは、昔からくすぐりには強い方でした。


二人がまだ小さい頃、姉妹で『くすぐり我慢対決』なる遊びをしていたのですが、いつも凛花ちゃんは智花ちゃんに勝つことができず、悔しがっていましたのでした。

同じ姉妹なのに、どうしてくすぐりの弱さが違うのだろうと、凛花ちゃんは不思議に思っていました。





…ある日の事。

凛花ちゃんがまだ小学3年生の頃の事です。

おウチで凛花ちゃんがお母さんと話している時に、何かのきっかけで、お母さんから智花ちゃんにもくすぐりの弱点がある事を聞きました。

その弱点というのが、『おムネの上の、骨が出っ張っているトコロ』、つまり鎖骨だというのです。

凛花ちゃんは試してみようと、おうちの中で智花ちゃんをくすぐることにしました。

肩を揉んであげるとか、そんなことを言って、智花ちゃんの鎖骨を執拗にくすぐったのです。



智花ちゃんは大笑いして、もがきながら部屋の床の上に寝っ転がりました。

それでも凛花ちゃんは止めず、横たわる智花ちゃんのカラダの上に馬乗りになって、智花ちゃんの鎖骨をくすぐり続けました。

いつも『くすぐり我慢対決』で負けているのがよっぽど悔しかったのでしょう。

最後は智花ちゃんが泣き出してしまい、そこでようやく凛花ちゃんはくすぐりを止めたのでした。






そして次の日、二人が通う小学校である出来事が起こりました。


それは給食を食べ終わった後の休み時間のこと。

凛花ちゃんが教室で本を読みながらのんびり過ごしている時、5年生の智花ちゃんが友達2人を連れて凛花ちゃんのクラスに訪れたのです。





智花
「ねぇねぇ凛花、ちょっと廊下まで来てくれない?」


凛花ちゃんは何の用だろうと思いながら素直に廊下で出てきました。

すると、智花ちゃんの友達の2人の内の一人が、凛花ちゃんを羽交い締めしました。


凛花
「きゃっ!ちょ、ちょっと、なにすんの?」


慌てる凛花ちゃんに向かって、智花ちゃんは意地悪そうな笑みを浮かべて言いました。



智花
「凛花さぁ、お姉ちゃんに謝るコトがあるんじゃない?」


凛花
「…あやまること??」


智花
「そうよ、昨日、私に何をしたか覚えてる??」



智花ちゃんはそう言って凛花ちゃんの目の前で両手の指をモゾモゾと動かしました。



凛花
「…もしかして、こちょこちょのこと??」


智花
「そう、昨日私の事を散々くすぐったでしょ?今日はその仕返しにきたのよ♪」


凛花
「し、しかえしぃ??!」



凛花ちゃんは羽交い絞めを振りほどこうと動きましたが、小学3年生が5年生の力にかなうわけもなく、ビクとも動きません。
そして、智花ちゃんの羽交い絞めをしていない方の友達が凛花ちゃんの脇腹をくすぐりはじめました。



凛花
「あはははははははは!!くすぐったーーい!!」



凛花ちゃんは身を捩りながら笑いました。
廊下に凛花ちゃんの笑い声が響きました。



友達
「ほんとだー!智花の妹ってめっちゃくすぐりに弱いんだねー!」


智花
「でしょー?しかも反応が面白いんだよねー!」


友達
「智花もほら、一緒にくすぐってよー!」


智花
「おっけーー♪こちょこちょこちょこちょー!」



智花ちゃんは友達と一緒に凛花ちゃんの脇腹をくすぐり始めました。



凛花
「あはははははっはははははははーー!!!やめてよぉおおーーー!!!」



凛花ちゃんは腰の力が完全に抜けてしまい、その場にしゃがみ込み、廊下の床に尻餅をついてしまいました。


すると凛花ちゃんを羽交い締めにしていた智花ちゃんの友達が、凛花ちゃんを押し倒して仰向けの状態で寝かせ、両腕を掴んで万歳の状態にして固定しました。
さらに智花ちゃんが凛花ちゃんのお腹の上あたりに跨って、馬乗りになりました。
まるで作戦でも練っていたかのような連携プレーです。


腕を万歳の状態で固定され、さらに智花ちゃんにマウントをとられた凛花ちゃんは絶望しかありません。
これから、きっと、腕を下せずにがら空きになった脇の下をたっぷりくすぐられるのだろうと思いました。
そして、その予想はその通りになりました。


智花ちゃんは凛花ちゃんの脇の下の窪みに指を入れて、もしょもしょとくすぐりはじめたのです。



凛花
「あはははっははははーーーー!!!お姉ちゃん、やめてぇ!!お願いッ!!あ、はははっははははっはっははーー!!!」



智花ちゃんはそれを聞いても、ちっとも止める気配がありません。
さらにもう一人の友達が凛花ちゃんの足を掴み、膝小僧をサワサワとくすぐり続けます。



凛花
「あははははっはははっははははははーーー!!」


智花
「ほら、止めて欲しかったらちゃんと謝んなさい!」


凛花
「ご、ごめんなさいッ!!ごめ、は、ハハッハハハハハッハハハハ!!」


智花
「えー?なんか笑っててちゃんと聞こえないなー。真剣に謝ってくれるまで止めてあげないんだからねー!!」


凛花
「そ、そんな、は、ハハハハッハハハハハハハッハハーー!!!」



そうこうしているうちに、凛花ちゃんの笑い声を聞いて、同じクラスの子供たちが集まってきました。
くすぐられている凛花ちゃんを皆が見ています。


凛花ちゃんは皆にくすぐられているところを見られて恥ずかしくて堪りませんでした。
くすぐったさと恥ずかしさで凛花ちゃんは頬を真っ赤に染めて笑ってしましたが、本当に辛い思いをしたのはこれからです。


なんと見ていた同じクラスの友達の数名が、面白がって凛花ちゃんをくすぐり始めたのです。
智花ちゃんと一緒に。



凛花
「キャハハッハハハハハッハハハッハハッハハハーーー!!!み、みんなまで、な、なんで、は、ハ、ハハッハハハハハッハハハーーーーー!!!!」


智花
「ありがとう!みんなも手伝ってくれるんだね!いいよ、一緒に凛花をどんどんくすぐっちゃおー!!」



智花ちゃんも皆にくすぐりを手伝うように促しました。
凛花ちゃんはもう、くすぐったくて、くすぐったくて、笑いが止まりませんでした。


『凛花ちゃんってくすぐったがり屋さんなんだねーー!』
『どこが一番弱いのかなー?』
『全身弱いんじゃないかなー??どこ触っても笑ってるもんねー!』
『面白いねー!ほら、○○ちゃんも一緒にやろー!』
『こちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょーー!』


同じクラスの友達の皆は色んなことを言いながら、次々とくすぐりに参戦していきます。


誰かが、凛花ちゃんの左のあばらの辺りをコリコリとくすぐり始めました。
また誰かが、凛花ちゃんの右耳の辺りをサワサワとくすぐり始めました。
またまた誰かが、凛花ちゃんの右足の上履きを脱がして、右足の裏をソックス越しにくすぐり始めました。
そして、またまた誰かが、凛花ちゃんと上履きとソックスまで脱がして、素足になった左足の裏をくすぐりはじめました。


凛花ちゃんをくすぐる手が、一本、また一本と増えるたびに、凛花ちゃんのくすぐったさが増していきました。
そして、凛花ちゃんの笑い声も大きくなっていきました。



凛花
「キャハハッハハハハハッハハハーーー!!!お、おなかがよじれちゃうよぉおおーー!!!アハハハッハハハ!!!や、やめてぇえぇぇぇえええーーーー!!!、ハ、ハハッハハハハハッハハハーーーーー!!!!」



凛花ちゃんは目尻に涙を浮かべながら笑い続けました。
智花ちゃんもそれを見て、流石に可哀そうになり、止めてあげることにしました。


でも、最後にとっておきの場所をくすぐって終わりにしようと思いました。



智花
「ねぇ凛花?流石に可哀そうだからそろそろ止めてあげるね。でもまだ、凛花の一番弱いトコロをくすぐってないから、そこを最後にくすぐるね。」



智花ちゃんはそう言って、凛花ちゃんの体の上で跨っているお尻の場所を太ももの方へ少しずらしました。
そして、凛花ちゃんのシャツを捲って、凛花ちゃんのおへそを露わにしたのです。


何をされるのか察した凛花ちゃんは今まで以上に智花ちゃんに止めて欲しいと哀願しました。
一番弱いお腹をくすぐられると思ったからです。



智花
「だーめ、一番弱いトコロを最後までとっておいたんだから。でもこれで本当に終わりにしてあげる。もう二度とくすぐらないから…。」



智花ちゃんはそう言って、凛花ちゃんのお腹に手を近づけて、おへその周りを指の先っちょでくすぐり始めました。



凛花
「アハハハハッハハハハッハハハハハハハハハハハハハハハハーーーーーーーーー!!!!!!」



凛花ちゃんは今までで一番大きな笑い声をあげました。
身を捩って、必死になって両腕を振りほどこうとしましたが、拘束されている腕は自由になりませんでした。



『わー、凛花ちゃんってお腹が弱いんだーー!』

『私もくすぐっちゃおー!!』



さらに同じクラスの友達が、今度は凛花ちゃんのお腹を集中攻撃するかのようにくすぐりはじめました。
くすぐったさでヒクヒクと動く凛花ちゃんのお腹を智花ちゃんと同じクラスの友達数名が寄ってたかってくすぐり続けます。



凛花
「キャハハッハハハハハッハハハッハハハハハッハハハーーーーーー!!!!!!助けてぇええーーー!!!だれかたすけてぇぇえええぇええーーー!!!!アハハハハッハハハハハッハハッハハハーーーーー!!!くすぐったいぃぃぃいいぃいいいいいーーーー!!!」



凛花ちゃんは悲鳴交じりの笑い声を学校の廊下に響かせました。



…その後、たまたま近くを通りかかった先生が現場を見て、くすぐっている皆を注意してくれたので、凛花ちゃんはくすぐり地獄から解放されました。


ところが、この一件で同じクラスの友達にくすぐりが弱いことがバレてしまい、以降クラスメイトの友達からくすぐられることは頻繁にありました。
しかし、友達から毎日のようにくすぐられているうちに、今度は凛花ちゃんの方がくすぐられることに慣れてしまい、くすぐりが効かなくなってしまって、それからは本当に、一切くすぐられることはなくなったのでした。





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凛花
(そういえばあの時、めちゃめちゃくすぐられたなぁ……。)



凛花ちゃんはぼんやりと、昔のくすぐり体験を思い出していました。
部屋の窓を見ると、真夏の暑そうな日差しが入ってきていました。



凛花
(お姉ちゃん、元気にしてるかなぁ…。)



お姉ちゃんの智花ちゃんは、今はもう大学二年生。
地方で一人暮らしをしているので離れ離れに暮らしています。


ちなみに智花ちゃんは、あの一件以降は一切凛花ちゃんの事をくすぐりませんでした。
『もう二度とくすぐらないから。』という約束は一応守ってくれたようです。


勿論、凛花ちゃんも仕返しが怖いので智花ちゃんをくすぐることはありませんでした。
姉妹でやっていた『くすぐり我慢対決』も、あの一件でピッタリとなくなったのでした。


…そんなことを思い出しているうちに、凛花ちゃんはふと、ある事を思いつきます。



凛花
(翔太くんと琴美ちゃんのくすぐりを耐えてたら、またくすぐりに強くなれるかも……。)



根拠はありませんでしたが、凛花ちゃんはそんなことを思いました。


高校生になり、くすぐり好きの『未来』『メグミ』という二人の友達からくすぐられることで、凛花ちゃんはくすぐりに弱くなってしまいました。


くすぐられ続けると、次第に慣れて、くすぐりに強くなるのが普通です。

でも、自分は逆に弱くなってしまった。

それは何故か?


…それは多分、二人のくすぐり方がとても上手だから、触られている内にカラダが敏感になったのだろうと凛花ちゃんは分析しました。
それ以外に考えられないからです。


では逆に、くすぐりがそこまで上手じゃない人からくすぐられ続けるとどうなるかというと、慣れて強くなるのではと思ったのです。
実際、凛花ちゃんが小学3年生の時は、それでくすぐりが効かなくなったので、今回もまたくすぐりに強くなれるかも知れないと…。






そんなことを思っていると、翔太くんと琴美ちゃんが階段を登ってくる足音が聞こえます。


これは、くすぐりに強くなれるチャンスかも知れないと凛花ちゃんは思いました。


そうなれば、もう高校生活でくすぐられることもなくなるかも知れません。


最初は嫌だと思っていた『こちょこちょごっこ』も、凛花ちゃんにとっても望むところ、というスタンスに変わってきていたのでした。