益子編【4】 | ゾルボンヌ通信

ゾルボンヌ通信

つくって、おくって、スイッチON!

つづき

 

家具でも100年生きてきたものは、

この後100年も同じ姿で普通に使えるものだと思う

 

城田:このトグルスイッチも永久に使えるようにと思って作っていて、幸いほとんど故障がないんですよ。

 

 

 

スイッチの中の機械は工業用で設計されていて、80年ぐらい設計が変わってないらしいんですよね。

多少は素材が変わっているかもしれないですが、メーカーさんも別に保証とかつけてないですけど、壊れないですよって言っています。

今もかなりの数を出させてもらっているんですが、一度も壊れましたっていうのないんですよね。

 

数件だけレバーが折れちゃいましたっていうのはあったんですけど、おそらくなにか大きな家具などをぶつけてしまったのが原因だったようです。

長くいつまでも使ってもらえるものを作るって意味があることだと思っていて、使ってなくなっていくものって勿体ないなと思います。

 

仁平さん:こういったスイッチを作る場合、こういうデザインがいいなと思いついたら、それを作ってくれる工場を探すわけですよね?

例えばこのプレートつくってくれる工場どこかにあるかなとか。

 

城田:そうですね。今は工場にお願いしていますが、一番最初は全部自分で切っていました。

アルミの板を自分で切って磨いて、刻印も一文字ずつ手で打っていました。

 

仁平さん:全て手作りだったんですね。

 

城田:初期のやつとかは本当に形も刻印もよぼよぼで、それを持っている知り合いがこれ初期のものですよね?と言って喜んでます。

 

 

 

 

城田:さすがに自分で作るだけじゃ追いつかなくなってきて、今は知り合いのお父様が北海道の工場で一人で作ってくれています。

 

普通のアルミ板だとつるつるじゃないですか。それが嫌で何とかあの風合いにできないかと思って、こすったり磨いたりしていくうちにこの表情になって、それを北海道の職人の方が受け継いでというか、それ以上のものに仕上げてくれています。

ただ、その方がご高齢で引退も考えられているということで作ってくれる工場を探し始めたんです。

 

いろんな工場を当たってみたんですけど、量産しやすい加工方法では同じ表情が出せませんでした。

策を練るうちに、既製品のアルミダイカスト製ボックスで作ったプロトタイプの質感がよかったということに立ち返りました。

 

溶けたアルミが型に流れ込む時にできる粒子の質感が、ザラザラしていてかっこよかったんですよ。

 

その方に引退をほのめかされたことを機に、もう一回原点に立ち返ろう、ダイカストで作ってみようということで始めたのが、今回の新製品なんです。

 

 

今回ですが、セラミックの新製品も持ってきたので見ていただけますか?

 

僕の高校時代の同級生が、愛知県の瀬戸市でセラミック工場を継いでやっているのですが、たまたま会った時に何か一緒にできないかね、スイッチをセラミックで作ってみるか。という話が数年前に出てそこから始まりました。

 

もともと電線とかに使われているガイシという絶縁体を100年近く作り続けている会社で、おじいさまの代からやっているんです。

 

 

仁平さん:ネットショップでみたのですが、もっとつるっとした質感なのかと思ったんですが、マットな感じなんですね。かっこいいですね。

 

城田:釉薬(ゆうやく)はガイシに使われているものとは違うものを使っていて、つやを抑えて色も青みを抜いたものにしてもらっているので、マットな質感になっています。

真鍮製のスイッチは本来その上にクロームメッキをするんですが、あえてその工程を省いています。

 

仁平さん:いいですね、メッキをしないと味がでてきますよね。

 

 

城田:はい、会社でつかっているものもすごく味がでてきましたね。

例えばこのスイッチを益子焼で作ったりしたらどうなるでしょうか?

 

仁平さん:型に流し込むんですよね。できると思いますけどセラミックのものと似たような感じになるんじゃないかな。

作家さんが一つ一つ作って、釉薬が違うから「OOさんモデル」とかにしてやったら面白いかもしれないですね。

 

城田:いいですね。益子焼なら黒っぽい雰囲気にしてもかっこよさそうですよね。

つづく

 

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