三体三部作のラストです。
”生存の障害となるのは弱さや無知ではない。傲慢こそが生存の障害となる。”
来た。愛した。彼女に星をひとつ贈った。去った。
あらすじ(上)
面壁計画の裏で行われた階梯計画。それは地球侵略を目論む三体世界へ人類のスパイを送り込むことだった。スパイに選ばれたのは程心の旧友”雲天明”。計画は順調に進んで天明が三体世界に向けて飛び立ったものの、ルオジーの面壁計画が成功。階梯計画は過去のものとなり、天明の生死も不明となっていた。ルオジーの機転により三体世界と地球人類の間にとりあえずの平和が訪れて智子を通しての文化交流が行われていたが、それはお互の頭に撃鉄を上げた拳銃を突き付け合っているような危うい状態での平和だった、、、。
あらすじ(下)
黒暗森林攻撃をどうすれば回避できるのか。天明が程心に託したメッセージの解読が急がれる中、攻撃は思わぬ形で行われた。果たして、人類に生き延びる術はあるのか!?壮大なスケールで描かれる人類の存亡をかけた物語ここに完結!!
楽しい読書体験でした。
SFでやりたいことをすべて詰め込みました!って感じです。
時間がキングクリムゾンをくらったかと思うくらいばんばん飛ぶのでテンポがいいです。
例えば、すごい装置が出来ていても、200年経過したんだから、それくらいできていても当然かと半ば強引に納得させられます。その辺の嘘が大変に巧いと思います。SF小説を何作か読んできて、思ったのが書きすぎないことが大切だということ。特にサイエンスフィクションについての説明は詳しく描けば書くほど、嘘くさくなってしまうから。
この死神永生では、人類は愚かな選択しかしません。
それでも、人間はやるべきことをしなくてはいけないし、宇宙は膨張し続けるし、なるようにしかならない。
相変わらず、締め方は美しいですし、随所に感じる詩的表現はさすが漢詩の国といった感じです。
面白いのは圧倒的に二部の黒暗森林ですが、味わい深いのはこの三部です。
三体シリーズには、三体Xという、ファンが書いた二次創作(のちに公式から公認)されたものがあります。
なんでも、死神永生で描かれなかった部分を補完しているのだとか。読むべきか読まざるべきか、、、。ルオジーも「どこなのか知ったら、世界が一枚の地図みたいに小さくなってしまう。どこなのか知らないほうが、世界を広く感じられる」と言っていますし。悩みどころです。