上薗恋奈(13歳)は羽生結弦ら憧れの大先輩の演技に『オーラが違うと思いました』『ファンタジー・オン・アイス』に初出演
『ファンタジー・オン・アイス』上薗恋奈インタビュー
昨シーズン、ジュニアデビューした上薗恋奈(13歳/LYSフィギュアスケートクラブ)
ジュニアグランプリ(GP)シリーズ初戦のイスタンブール大会で、中井亜美に次ぐ2位になり、2戦目のポーランド大会は韓国勢ふたりを抑えて192.31点の自己最高得点で優勝を果たす
初挑戦で進出したジュニアGPファイナルは、得点を196.46点に伸ばして3位に。全日本選手権4位で出場を決めた世界ジュニア選手権でも、ジュニアGPファイナル1位の島田麻央と2位のシン・ジア(韓国)に次ぐ3位に入り、世界ジュニアのトップへ一気に上り詰めた
【まさか自分が呼ばれるなんて!】
そして、5月には、憧れる羽生結弦が出演する『ファンタジー・オン・アイス2024』に初出演を果たした
『すごく出たかったアイスショーでもあるのですが、まさか自分が呼ばれるとは思っておらず、驚きでしかなかったです。でも、だんだん(本番の)日が近づくにつれてすごく楽しみになっていきました。このアイスショーに出ても大丈夫なくらいの練習をして、会場に来たいなと思って練習していました』
こう話す上薗が5月24日開幕の幕張公演で演じたのは、新シーズンのショートプログラム『Voila』だった
フランス出身のバルバラ・プラヴィが歌う『ヴォワラ(これが私)』は、プロスケーターになった宮原知子が2022年の『スターズ・オン・アイス』で披露し、今年3月の『羽生結弦notte stellata2024』の第1部でも演じていた曲だ
『強い女性を、美しく踊れるようにしたいなと思っています』と話す上薗は、第1部2番目の演技者として登場
氷上に彼女が好きだというピンク色の花の照明が映し出されるなか、柔らかな動きで滑り出すと、最初にダブルアクセルを決め、続いて3回転フリップを跳んだ。フライングキャメルスピンの後の3回転ルッツは転倒したものの、レイバックスピンから立て直すとステップシークエンスは途中で止まるところもある振り付けで、緩急を意識した演技だった。最後はチェンジフットコンビネーションスピンで締めた
2日目は『The King'sAffirmation』と『Scream&Shout』を使った、新エキシビションを披露。最初の3回転ルッツは転倒したが、スピードのある滑りで3回転フリップを着氷すると、レイバックスピンのあとにはダブルアクセル+ダブルアクセル+2回転トーループも跳ぶはつらつとした演技を見せ、最終日には再び新SPを披露した
【羽生結弦ら先輩のスケーティングに感動】
羽生だけではなく、アイスダンスのガブリエラ・パパダキス&ギョーム・シゼロン(北京五輪金、世界選手権5回優勝など)や、ステファン・ランビエールらが圧巻の演技を見せたアイスショーだった
『実際に間近で演技や練習を見ると、みんなすごく上手ですし、本当にオーラが違うと思いました。見習うところが多く、すごく学びました。練習のやり方だったりスケーティングだったり……。アイスダンスは、とくにスケーティングも美しいので、自分もできるようにしていきたいなと思いました』
憧れている羽生の練習について『練習のやり方だけでなく、自分に集中するという部分がとくにすごいなと思いました』と上薗は話す
『演技を見てもやっぱり全然違いますし、一歩のスケーティングも一度押しただけですごく伸びますし、緩急をつけたスケーティングがすごく心に残りました
(羽生の)ふたつのプログラムとも心を惹かれた演技だったと思うので、自分もそういうところをお客さまに感じてもらえるように、上手な選手の演技を見てもっともっと学んでいきたいなと思いました』
他にもパパダキス&シゼロンや、2024年世界選手権2位のパイパー・ギレス&ポール・ポワリエの演技にも圧倒されたという上薗
『羽生選手と一緒で緩急のつけ方といいますか、演技の強弱がすごくあって、ふたりの息もすごく合っていると思いましたし、フリーレッグのきれいさもあらためてすごいなと感じ、自分もできるようになりたいと思いました
(樋口)美穂子先生とも、羽生選手やパパダキスさんたちの練習を見て話したりしました。今すぐ、こういうことをやってみようというのはまだありませんが、もっと滑りに強弱をつけること、体全体を動かしてフリーレッグをきれいにすること、そういう細かいところからやり直していきたいです』
今回の出演は、前半2公演のAツアーのみだが、5月31日から地元・愛知で開催される公演が待っている。そこでもまた、上薗は新シーズンに活かせる大きな収穫を手にするだろう