『表現力』に強い拘りを表明した宇野昌磨。中国メディアに語った今季SP世界最高得点の“秘訣”とは?

  世界王者の貫禄を見せつける堂々の滑り出しを披露した

 

  フィギュアスケートのフランプリシリーズ第4戦が中国・重慶で開催されている。現地11月10日には男子ショートが行われ、今シーズン初戦を迎えた宇野昌磨が105.25点を叩き出し、今季世界最高得点で首位スタートを切った

 

  昨シーズン、日本男子初の世界選手権連覇を飾った宇野。今季は『表現力を頑張りたい』と語り、競技会には出場せず、国内のアイスショーなどでジャンプのためではない『表現力』に、より磨きをかけることを表明している

 

  一段と進化した姿を求めて臨んだ25歳は最終滑走者として登場すると、コンビネーションを含めた2本の4回転ジャンプを完璧に着氷スピンはすべて最高評価のレベル4を獲得し、2位のアダム・シャオ・イム・ファ(フランス)に14.04点差をつける異次元な得点で突き放した

 

  世界王者の圧巻(な)演技にISUも反応。公式X(旧ツイッター)やインスタグラムには宇野の冒頭の振り付けを共有。『これが世界チャンピオンのシーズンの始まり』と綴ると、『ショウマ・ウノがショートプログラムを完璧に決め、余裕を持ってリードした』と喝采を送り、11日(現地)のフリーに期待を寄せた

 

  無論、海外メディアも宇野の今季初戦に注目した。特に今大会のホスト国である中国メディアは宇野の姿を追いかけ続けた

 

  中国唯一の英語スポーツテレビ『CGTN Sports Scene』は出番を控える宇野と、彼のコーチを務めるステファン・ランビエール氏の姿をウォームアップルームでキャッチする。演技直前で振り付けを確認する宇野とランビエール氏とのやり取りを部屋のわずかな隙間からカメラをズームインしたほど、熱心だった

 

  ランビエール氏の手の動きを見ると、冒頭の振り付けのようで同氏の言葉や表情に宇野はしっかりと耳を傾け、決戦のリンクに向かったようだ

 

  演技後、宇野は同局からランビエール氏と出番直前に話し込んでいた場面を問われると、『表現に注ぎ過ぎずにジャンプと表現。そして、スピードも出し過ぎずにいいタイミング、いいテンポでいけるように』と、その内容を明かしている

 

  今シーズン初披露のショートで圧巻の出来を見せた宇野。フリーでも会場を支配するようなプログラムに期待は膨らむばかりだ