日刊スポーツから(11月25日付)

 

 

小松原、コレト組 観客への『尊さ』再確認/連載

<フィギュアと私(2)>

 

フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ最終戦NHK杯が、27日から大阪・東和薬品ラクタブドームで始まる

 

新型コロナウイルスの影響でGP第2戦スケートカナダ、第4戦フランス杯が中止。日本勢初登場となる今大会を前に、男女シングル、アイスダンスの4選手が日刊スポーツのフィギュアスケート総合情報ページ『Figure365』の取材に応じた。テーマは『フィギュアと私』。競技への思いを聞く連載の第2回は、アイスダンスの第一人者、全日本選手権2連覇の小松原美里(28)、ティム・コレト(29=ともに倉敷FSC)組

 

 『お客さんの前で滑ることは自分の中で重要なんだな…』。小松原は3月、世界選手権のために滞在していたカナダで痛感していた。コロナの影響で中止が決まる前、想定外の落胆が襲ったのは無観客の可能性を聞いた時だった。『結構自分の中ではへこんじゃって』観客の前で滑ることが、最大の価値だと再認識させられた。『自分1人とジャッジで大会ができていたわけではない』。その認識が一層高まった

 

NHK杯は、また新たな姿、喜びを観客に見せる機会でもある。17年に結婚したコレトが今月19日に日本国籍を取得した。これで22年北京オリンピック(五輪)の道が開けた。日本人カップルとして初の大会に臨むコレトは『観客の方と一緒に、パワーアップするために演技をしたい』と期している

 

コンビを組んだのは16年。互いにシングル選手から始まり、他国の代表の経験を経て、悲願の五輪へ道を作ってきた。コレトの日本名は『小松原尊(たける)』。コロナを経て感じた観客への『尊さ』を互いの胸に、夫婦で滑りきる