開放的なロビー。
異国の地に立った瞬間に感じた香りは、すでにしみついたはずだ。
その証拠に、通された部屋で開いたスーツケースからは、何かを意識させられる。
まずはバスタブ。
洗礼されたつくりの清潔感あふれるバスタブに、今夜の楽しみを思う。
浴びたいシャワーを耐えて、まずはホテルをぐるりと回る。
レストラン、バー、ライブラリー。
プールサイドバーに座り、ドリンクを注文する。
すぐには飲まず、グラスを眺め、ゆっくりひとくち。
グラスには水滴が滴る。
そこへ、程良い風が肌を撫でていく。
フライトの疲れは一気に吹き飛ぶ。
大きな息を吸い、ゆっくり吐き出す。
さて、リゾートの始まりだ。
ビーチに出る、或いは街へ繰り出す。
体がウソのように軽く、刺激をすべて吸収していく。
レストランを眺め、地元の人と会話を交わす。
日本に無いものを探し、日本にあるものを微笑む。
オーナメント、カトラリー、服や鞄、アクセサリーかもしれない。
少しの楽しみを残しつつ、ホテルへ戻る。
17時
ホテル内の動きはゆっくりし、部屋に戻り、先ほど我慢したシャワーを浴びる。
アメニティの香りを身に纏い、少しオシャレをして到着時に予約したレストランへ向かう。
海が見えるレストランかもしれない。
開放的なビュッフェかもしれない。
カジュアルなビストロかもしれない。
日本にはない雰囲気。
景色。
味。
盛りつけ。
音楽。
そのどれもに酔いしれていい。
充分に吸いこんでいい。
ここでは誰も遠慮はしないのだから。
沈みかけた夕陽が景色を照りつけ、真っ赤になる。
オイスターにレモンを絞る。
喉を通る瞬間、そのさわやかな果汁が体を包む。
いつまでもいたい。
そう思う。
何もしたくない。
そう思う。
きっとそれこそがリゾートなのだと思う。



