昨日から、中華製の SORAN Dual Stomp というギター機材にかなり苦戦していました。
結論から言うと、
SORAN Dual StompでNAMファイルが入らない場合、A2形式のNAMが原因である可能性があります。
私の場合は、TONE3000で A2版ではなくLegacy版のNAM をダウンロードしたところ、無事にSORAN Dual Stompへ取り込むことができました。
同じことで困っている人がいるかもしれないので、今回のトラブルと解決までの流れを残しておきます。
最近の安価なギター機材は本当にすごい
最近は、中華製の安価なギター機材でも、かなり良い音が出せるものが増えています。
昔であれば、良いアンプサウンドを出すには、高額なアンプ、キャビネット、マイク、録音環境、あるいはKemperやQuad Cortexのような高額な機材が必要でした。
もちろん、今でも本物のアンプや高額機材には価値があります。
ただ、最近の安価な機材は本当に侮れません。
その大きな理由のひとつが、NAM という技術に対応していることです。
NAMとは何か
NAMとは、Neural Amp Modeler のことです。
ざっくり言うと、実際のアンプやエフェクターにテスト信号を流し、その入力と出力の関係をニューラルネットワークに機械学習させることで、アンプやエフェクターの反応を再現する技術です。
もう少しギタリスト向けに言うと、
「このアンプにこういう信号を入れたら、こういう音になって返ってくる」
という関係を学習させて、そのアンプらしい歪み方、反応、ニュアンスを再現する技術です。
Kemperなどの高額機材にある「実機の音をプロファイリングする」という考え方に近く、安価な機材でもNAMファイルを取り込むことで、かなりリアルなアンプサウンドを出せる可能性があります。
私が最近、Pocket Master という機材をよく使っていたのも、このNAMが使えるからです。
小さくて軽いのに、良いNAMを入れるとかなり使える音になります。
今回試したSORAN Dual Stomp
今回試したのは、SORAN Dual Stomp という機材です。
中国メーカーの機材で、価格帯を考えるとかなり魅力的です。
いわゆる安価なNAM対応機材のひとつで、うまく使えれば、かなりコストパフォーマンスの良いギターシステムが組める可能性があります。
ただし、SORANさんはまだ新しいメーカーのようで、ネット上の情報がかなり少ないです。
日本語の情報も少ないですし、説明書やトラブルシューティングも十分に出回っているとは言いにくい状態です。
だからこそ、今回のようなトラブルに当たると、かなり迷子になります。
SORAN Stomp ManagerでNAMを入れようとしたらソフトが落ちる
実際に使ってみると、パソコンにドライバーと音作り用のソフトウェアを入れ、そこからNAMファイルを実機に転送する必要がありました。
いわゆる Soran Stomp Manager を使って、NAMファイルを本体に入れる流れです。
ところが、ここで問題が起きました。
NAMファイルを読み込もうとすると、ソフトが落ちてしまうのです。
何度やってもダメでした。
最初は、こちらの環境の問題かと思いました。
そこで、いろいろ試しました。
・ファイル名を英数字だけにする
・日本語の入っていない短いフォルダに置く
・ファイルの作成日時や更新日時を古くしてみる
・複数のNAMファイルで試す
・昔手に入れたNAMファイルと最近のNAMファイルを比較する
しかし、入るNAMと入らないNAMがありました。
しかも、入らないものは何をしても入らない。
これはかなり困りました。
「NAM対応」と書いてある機材なのに、NAMが入らない。
これはユーザーとしてはかなりストレスがあります。
公式に問い合わせたところ、原因が分かった
そこで、SORANの公式に問い合わせました。
すると、原因が分かりました。
公式からの回答では、
現在、SORAN Dual StompはA2形式のNAMに未対応
とのことでした。
つまり、NAMファイルなら何でも入るわけではなく、A2形式のNAMは現時点では対応していないということです。
公式の回答では、技術チームが互換性テストにもう少し時間が必要で、対応できるようになったらSNSで告知する、という内容でした。
ここでようやく、こちらの作業ミスではなかったことが分かりました。
NAMにはA2形式とLegacy形式がある
調べてみると、最近のNAMには新しい A2 という形式が出てきているようです。
そして、従来の形式、いわゆる Legacy形式のNAM と、A2形式のNAMが混在している状態のようです。
ここが非常に分かりにくいところです。
ユーザーからすると、どちらも拡張子は .nam です。
つまり、見た目は同じNAMファイルなのです。
でも、機材側からすると、中身の形式が違う。
そのため、PC上ではNAMファイルに見えても、SORAN Dual StompのStomp Managerでは読めないものがある、ということになります。
TONE3000ではA2とLegacyを見分ける必要がある
その後、TONE3000というNAM配布サイトを見ていると、A2版とLegacy版の両方がダウンロードできるモデルがあることが分かりました。
TONE3000では、ページ上に A2 と表示されているものがあります。
このA2表記があるNAMは、現時点のSORAN Dual Stompでは入らない可能性が高いです。
私の場合、A2版ではなく Legacy版 をダウンロードして取り込んだところ、無事にSORAN Dual Stompへ入れることができました。
これでようやく解決しました。
SORAN Dual StompでNAMが入らない時のチェックポイント
同じことで困っている方は、まず以下を確認してみてください。
1. そのNAMがA2形式ではないか
TONE3000などでダウンロードする際に、A2 と表示されているものは避けた方が良いです。
現時点では、SORAN Dual StompはA2形式に未対応とのことです。
2. Legacy版があるか確認する
同じモデルでも、A2版とLegacy版の両方が用意されている場合があります。
SORAN Dual Stompで使いたい場合は、Legacy版 を選んでください。
3. ファイル名や保存場所もシンプルにする
A2問題とは別に、海外製ソフトでは日本語パスや記号で不具合が出ることがあります。
念のため、ファイル名は英数字だけにして、保存場所も短くするのがおすすめです。
例:
C:\NAM\test.nam
のような形です。
4. Stomp Managerやファームウェアの更新も確認する
今後、SORAN側がA2対応する可能性があります。
公式SNSやアップデート情報は確認しておいた方が良いと思います。
「NAM対応」と書いてあっても、全NAM対応とは限らない
今回の件で、改めて思ったことがあります。
NAM対応機材はとても便利です。
ただし、ただ「NAMが使える」というだけでは不十分です。
ユーザー側は、以下のようなことを理解しておく必要があります。
・そのNAMがアンプヘッド単体をキャプチャしたものなのか
・キャビネット込みでキャプチャしたものなのか
・歪みペダルやオーバードライブを含めてキャプチャしたものなのか
・IRやキャビシミュを別で使う前提なのか
・ライブで使うのか
・レコーディングで使うのか
・アンプのRETURNに入れるのか
・PAやオーディオインターフェースに直接送るのか
ここを整理しておかないと、良い音が出るはずの機材でも、かなり迷子になります。
アンプヘッドのNAMなのか、キャビ込みのNAMなのか
特に重要なのが、キャビネットの扱いです。
NAMファイルには、アンプヘッド単体のようなものもあれば、キャビネットやマイクの音まで含んだようなものもあります。
たとえば、アンプヘッド単体のNAMを使う場合は、基本的には別途IRやキャビシミュが必要になります。
一方で、キャビ込みのNAMにさらにキャビシミュをかけると、音がこもったり、不自然になったりすることがあります。
このあたりを理解しないまま使うと、
「NAMを入れたのに音が変」
「良いモデルのはずなのに使いにくい」
「ライン臭い」
「モコモコする」
「ライブだと抜けない」
ということが起きます。
アンプのRETURNに入れるのか、PA直なのか
もうひとつ重要なのが、接続先です。
アンプのRETURNに入れるのか、PAに直接送るのか、オーディオインターフェースに入れるのかで、音作りの考え方は変わります。
アンプのRETURNに入れる場合、実際のギターキャビネットから音が出ることが多いので、キャビシミュやIRを切った方が自然な場合があります。
逆に、PA直やオーディオインターフェース直の場合は、キャビシミュやIRが必要になることが多いです。
ここを間違えると、同じNAMでもまったく違う印象になります。
NAMが悪いのではなく、使い方が合っていないだけということも多いです。
安価なNAM対応機材は今後かなり流行ると思う
私は、安価なNAM対応機材は今後かなり流行ってくると思っています。
理由はシンプルです。
安い。
小さい。
軽い。
そして、うまく使えば音が良い。
これはかなり強いです。
特に、ライブに重いアンプを持っていけない人、自宅で良い音を出したい人、宅録でリアルなギターサウンドが欲しい人にとって、NAM対応機材は大きな可能性があります。
ただし、その一方でトラブルも増えると思います。
・NAMが入らない
・ソフトが落ちる
・音が変
・キャビシミュをオンにするべきか分からない
・IRの選び方が分からない
・ライブでどう繋げばいいか分からない
・アンプのRETURNに入れたら音が変
・PA直にしたらペラペラになる
・家では良いのにスタジオで使えない
こういう問題は、今後かなり出てくると思います。
今回のSORAN Dual StompのA2未対応問題も、そのひとつだと思います。
NAM対応機材は夢がある。でも少し知識が必要
NAM対応機材は本当に夢があります。
Kemperのような高額機材に手が届かなくても、安価な機材と良いNAMファイルを組み合わせることで、かなりリアルなアンプサウンドを作れる可能性があります。
ただし、使いこなすには少し知識が必要です。
NAMファイルの形式。
A2とLegacyの違い。
IRの使い方。
キャビシミュのオンオフ。
アンプRETURNとPA直の違い。
ライブ用と宅録用の音作りの違い。
ゲートやEQの調整。
プリセット管理。
このあたりを整理していくと、安価な機材でもかなり実用的になります。
逆に、ここが分からないと、せっかく良い機材を買っても、音作りで迷子になってしまいます。
ギター音作り・NAM対応機材のコーチングを行います
そこで、こういったNAM対応機材やギター音作りのトラブルについて、特別に 1時間8,000円程度 で総合コーチングを行います。
Zoomなどのオンライン対応も可能です。
スタジオやご自宅に伺う場合は、別途交通費をお願いいたします。
対応できる内容としては、
・NAM対応機材の基本的な使い方
・SORAN Dual Stompのような安価なNAM機材の使い方
・NAMファイルの選び方
・A2とLegacyの違い
・IRやキャビシミュの使い方
・アンプRETURNで使う場合の音作り
・PA直で使う場合の音作り
・宅録用のギターサウンド作り
・ライブ用のプリセット作成
・ゲート、EQ、空間系の調整
・KemperやPocket Masterとの比較
・自分の機材環境に合わせた接続方法の整理
などです。
NAM対応機材、安くて夢があります。
ただし、使いこなすには少し知識が必要です。
お困りの方は、お気軽にご相談ください。
お問い合わせはこちら
NAM対応機材やギター音作りでお困りの方は、こちらからお問い合わせください。
https://livetowin.co.jp/contact/
お問い合わせの際は、
・使っている機材名
・使いたいNAMファイル
・どこで音を出したいか
・自宅、ライブ、PA直、アンプRETURNなどの使用環境
・現在困っている症状
を書いていただけると、スムーズに対応できます。
最後に
今回のSORAN Dual Stompの件は、かなり苦戦しました。
でも、原因が分かってみると、単純にこちらの操作ミスではなく、A2形式のNAMにSORAN側がまだ対応していなかったという話でした。
これは、同じように困っている人が必ずいると思います。
「NAM対応」と書いてあるのにNAMが入らない。
Stomp Managerが落ちる。
何が悪いのか分からない。
そういう方は、まず A2形式かどうか を確認してみてください。
TONE3000でダウンロードする場合は、A2版ではなくLegacy版を試してみてください。
それだけで解決する可能性があります。
安価な機材でも、使いこなせば良い音は出せます。
でも、そのためには少しだけ知識と整理が必要です。
このブログが、同じことで困っている方の助けになれば嬉しいです。