ドラクエ3のリメイクを友達の楓君から貸してもらって
隙間時間を使って細々とやっていた。
感想としてはドラクエ3の自由度やシステムの面白さが現代のドラクエに落とし込まれていた事
また昔のドラクエでは見えなかったような事(例えば先代勇者オルテガ)や
ドラクエ1,2,3といったロトシリーズや他の作品との繋がりが見えてきて、
ドラゴンクエストという大きな抽象度の中で作品を堪能できてよかった。
また3Dとドットの合わさったスクエニの独特の表現技術で蘇った街やフィールドがとても美しく、
特にジパングはアートの世界にも肉薄するようなわびさびの美しさにすら到達していたと思う。
すぎやまこういち先生の音楽はクオリティ高いオーケストラサウンドで流れていて、
ドラクエという主人公が喋らない(3は仲間もしゃべらない)というプレイヤーの想像の余地を残した世界で、
雄弁に世界観を語っていたのが印象的であった。
すぎやま先生の音楽はどれも大変影響を受け大好きなのだが、
3の音楽はすぎやま先生が一種の境地に達された作品なのだと改めて感じた。
私自身は3の音楽が一番好きなわけではないが、3の音楽は古典の領域にあると思った。
というのは芸術というのは例えば
「成瀬は天下を取りに行く」は凄まじい小説で超面白いと聞くが、
それでは「銀河鉄道の夜」とどちらが素晴らしいかというのは決められない。
だけど「銀河鉄道の夜」は古くからありながら過去から未来にかけて
普遍的な訴えや感情へのリンクポイントを持った作品である事だけは間違いなく、
すぎやま先生がドラクエ3のために作った曲はもはやその域に達されているのだなと感じたわけである。
ドラクエ3のシステムやストーリーの流れもまさにそうで、
現代の技術で作り直されたからこそ、この作品は時代を超える古典なんだなと思わされた。
あまりにも素晴らしく、終わった後にあふれ出した感性で一曲作ってしまった。
RPGというのは感性の薬ですな。
