日吉の方で仕事があり、弟が慶應時代に通い詰めていたというラーメン屋さんに足を運ぶことにしました。武蔵家は新中野や大井町、東洋大学近くなど、他の店舗にも行ったことがあり、正直他の家系ラーメンを試すという選択肢もありました。しかし今回は、慶應の学生たちが愛する味を体験しようと思い、行列ができているこちらの店舗を選びました。慶應の学生たちの食文化にリスペクトを持ちながら訪れるというのも、楽しみの一つです。

店の前には女子高生や若者たちが並び、賑わいを感じさせます。メニューから選んだのはのりラーメン。さらに、ご飯が無料でついてくるのも嬉しいポイント。待っている間にきゅうりの漬物(きゅーちゃん)をご飯にのせ、軽く楽しみながらラーメンを待ちます。そして、固め・濃いめ・多めで注文したラーメンが登場。

目を引くのは、たっぷりと浮かぶ油の量。最近は「多め」と頼んでも控えめなことが多く少し残念に感じることがありましたが、こちらはその期待を大きく超えてきます。スープを一口飲んでみると、その美味しさに感動。とろりとした豚骨ポタージュと鶏油の濃厚なコク、そして醤油の芯のあるキリッとした味わいが見事なコントラストを生み出し、一口で虜になりました。まさに骨の髄まで染み渡るような深い旨味です。

麺は固めでしっかりとした食感があり、このスープとの相性は抜群。スープがよく絡み、食べるごとに旨味が押し寄せてきます。チャーシューは特筆するほどではないものの、全体のバランスを整える役割を果たしており、十分美味しい仕上がりです。

さらに、海苔とほうれん草の存在感が素晴らしい。特に海苔は、このスープを吸い込むために特別に調整されているのではないかと思うほど、味わいを引き立てます。そして、ご飯にスープをかけ、ニンニクやきゅーちゃん、海苔、ほうれん草を合わせていただくのが格別の楽しみ。この食べ方が至福の時間を作り上げます。

これまで武蔵家のさまざまな店舗に足を運びましたが、間違いなくこちらの日吉店が最高の一杯を提供していると感じました。ラーメンの美味しさ、スープの奥深さ、ご飯との絶妙な組み合わせ。どれをとっても、また訪れたいと思わせる名店でした。