音楽制作やバンド活動が長いもので

曲もそうだが、歌詞もたくさん書いてきた。

 

コツ?と言われるとわからない。

韻を踏むとか、あとは発声をしやすい歌詞がいいと言われるし、

売れた曲はそういう曲が多かったりするのだが、

俺自身としては基本的に音符の中に入る事を意識して基本は書くし、

歌詞を渡された場合でも歌いやすいように作曲をする傾向がある。

 

ただし好みというと、やっぱり生きざまが見える歌詞が最高だと思う。

 

尾崎豊や長渕剛はヒーローだが、やはり彼らのハートフルな歌声と

そのメッセージ性が合わさって、本当にたまらないし、

清志郎の歌詞は多摩の香りから郷愁を誘う。

 

それに俺のマイスター大槻ケンヂはまさにルール破りの詩の朗読とシャウトで

俺の心をわしづかみにした。

 

音楽をアカデミックにも勉強したし、BGMを仕事にもしたこともある自分としては

歌詞はちょっと卑怯だなぁとも思う。

 

というのは、歌詞がない音楽はいろんなものを音符やリズム、ハーモニー

音色、展開で伝えなくちゃいけないのに、歌詞は楽しいとか風景とかを伝えちゃうからね。

 

まあだからこそ歌物は面白いんだなと思うんだけどね。

 

だが歌詞は音楽と合わないとなんだか胡散臭いし陳腐だし、

やっぱり両方あっての事なんだろうと思う。

 

そんなところで恐縮だが自分の作った中で一番好きなのは

安酒☆飲兵えずというバンドを本格的にやってた頃のbackoutという曲の歌詞だ。

 

この曲はもともともう一人のギタリストがリフだけ持ってたのを

うちまで遊びに来てもらってリフから一緒に曲を書いた思い出の曲で

なかなかソリッドなロックナンバーに仕上がった。

 

たぶん彼があんまり歌詞など書いたことがないということから、俺が歌詞を書いたと思うし、

あまりその時の成り行きは覚えていないが、その当時の絶望、

そしてそこから抗おうという自分の気持ちを音楽的に落とし込めたと思っているので、

これこそが最高傑作であるし、今後超えられるのかな?って思っている。

超えるとしたら人生の大きな転機を歌に落とすので嫌という意味も含め

 

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backout

 

割と幸せに生きてるでしょ
周りの奴らはそういうけど
何か分からない不安感に
酒を煽り今日も生きてる

逃げられない日々の暮らしが
少しずつ俺を殺して

ただ目の前に敷かれたレール
なぞるだけの日々だったよ
周りの目だけ気にしてたんだ
考えることもできずに
親の影響 無くはないだろう
だけど俺は俺なんだよ
見栄と幸福、秤にかけて
生き続けてやりましょう
BACK! back out

くだらない仕事に唾を吐き
酒を煽り今日も生きてる

逃げられない日々の暮らしに
殺されたくはないんだよ

逃げられない日々の暮らしが
少しずつ俺を殺して

ただ目の前に敷かれたレール
なぞるだけの日々だったよ
周りの目だけ気にしてたんだ
考えることもできずに
自分の事は自分で決めろ
たとえ地獄行きだとしても
誇りを胸に、夢を信じて
生き続けてやりましょう
BACK! back out

 

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この曲はたしかに自分たちは恵まれた立場にいるけど

知らず知らず社会カーストに乗って、親と同じような人生を歩んでしまった

その結果、つまらない仕事の檻に閉じ込められてしまい、そこから逃げることができない

いつのまにかレールに乗って、死んでいくのか??そんなのはごめんだ。

だからさ、自分の人生だからそのレールからbackoutしようぜということ

 

彼のリフについていたbackoutというタイトルから連想した。

このようなことをかっこいいビートにのせて書けたのが奇跡的というかね。

 

自分の気持ちを歌詞に100%収められたという意味で最高傑作なんだろうなと思う。